宇宙を司る全知全能の神がゾンビになったら…。
ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡が撮影した画像は、公開されるたびに息をのむ美しさがあります。あまりの美しさにハッカーもマルウェアを仕込みたくなるほど。先月公開された「想像の柱(Pillars of Creation)」も、もちろん神秘的な美しさがあります。でも、同じ想像の柱でも、追加で公開された方はどうしてもゾンビの手に見えちゃう…。
想像の柱は、地球から6500光年離れた“わし星雲”の一部であるガスと塵でできた巨大構造体。10月中旬、NASAが画像を公開しました。1995年に撮影された想像の柱画像と比較されており、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡のすごさがよくわかります。ちなみに、こちら近赤外線カメラで撮影されました。
一方、10月末に公開されたのがトップの画像。細かい星はすべて消えており、真っ赤な世界で何かを訴えるゾンビの手にしか見えません。これは中間赤外線カメラで撮影されました。
宇宙望遠鏡科学研究所の解説いわく、中間赤外線画像では、厚いガスと塵に覆われた大気によって、想像の柱の先にある星が赤く映っている一方、柱(手)の青いトーンはガスや塵がすでに落ちているからだそう。
同じものを撮影しても、使用する技術によってまるで違う仕上がりになるジェイムズ・ウェッブ望遠鏡。これからもっとたくさんの宇宙画像を見ることができると思うと、楽しみしかないですね。