Wi-Fiルーターの中身はどうなっている? どう動く? Linksys「E7350」を分解してみた【イニシャルB】

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 さて、いよいよチップをカバーするように配置されている金属のシールドをはがして、中心となる部分を見ていくことにしよう。

CPUとメモリ

 基板上のチップは大きく2系統に分かれている。まずは、上記写真右側だが、ここにはCPUとメモリが搭載されている。

上がCPUで下がメモリ

 本製品は、台湾のMediaTek社のチップセットで構成されており、メインのプロセッサーは「MT7621AT」という32bit MIPSプロセッサーだ。デュアルコア880MHzで動作し、ネットワーク向けの製品となっており、5ポートのGigabitスイッチや、ルーティングやNATのアクセラレーターも組み込まれている。

 ここでルーターとしてのプログラムを稼働させたり、各機器を制御したりすることで、全体をコントロールしていることになる。

参考:
MT7621A

 MT7621Aに隣接するチップはメモリだ。Nanya「NT5CC128M16JR-EK」というDDR3L-1866のSDRAMで、容量はスペック表によると2Gb(ギガビット)となっている。エントリーモデルなので、メモリ容量もさほど多くない。

参考:
NT5CC128M16JR-EK

Wi-Fi関連チップ

 左側でシールドされていた部分には、Wi-Fi関連のチップが搭載されている。

 まず右側の少し大きい方がベースバンドチップのMediaTek「MT7915DAN」で、左側の小さい方がRFチップのMediaTek「MT7975DN」だ。

右がベースバンドチップで左がRFチップ

参考:
MediaTek MT7915 Wi-Fi 6 Wave 1+ chipset builds in a range of industry firsts

 Wi-Fiで通信をするには、PCのデータをWi-Fiでやり取りされる電波に変換する必要があるが、こうした役割をこれらのチップが担う。

 仮にPCからデータを送信する場合を考えてみよう。PCのデジタルデータは、そのままでは電波に乗せられないので、これを変換する必要がある。このデジタル信号の処理を担うのがベースバンドチップとなる。なお、MT7915DANは、5GHz帯で80MHz幅までに対応しており、2ストリームで最大1201Mbpsの速度(PHYレートと呼ぶ)に対応している。

 ベースバンドチップによって処理されたデータはDA変換でアナログ信号へと変換されてRFチップへと受け渡される。これをWi-Fi送信するために変調(256QAMなどルーターのスペックなどにも表記されている変調方式)して、アンテナ経由で送信することになる(受信は逆の流れ)。

 要するに、データを電波に乗せたり、逆に電波からデータを取り出したりするためのチップがこの2つになる。

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