水中でのセンシングや通信、ワイヤレス給電のデモ、CEATEC 2022のALANコンソーシアムブースで実施【CEATEC 2022】

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 10月18日~21日に幕張メッセでリアル会場の「CEATEC 2022」が開催中。ALANコンソーシアムはパートナーズパークエリアにブースを出展し、水中におけるレーザー光の活用に関する技術展示を実施している。

 「水中ロボット」「水中産業」をテーマにした展示ブースを設置するALANコンソーシアム。「ALAN」は「Aqua Local Area Network」の頭文字をあわせたもので、水中を次世代の新経済圏として捉え、海洋産業を通じた新市場創出、社会課題の解決を目指す共同事業体だ。

「水中LiDAR」に関する展示。「LiDER」は光検出および測距技術(または装置)のことで、3Dセンシングなどに用いられる。現在はそれほど活発でない3Dによる水中での物体・地形計測を可能にし、将来的にはモニタリングや船体・インフラ検査といった分野での活用を想定している

水槽に沈められているのが水中LiDAR。パルス状の可視レーザー光を発信しており、立体的に構造物を可視化できる

実際に可視化した構造物。水中の3D測量などにも活用が見込めるとのこと

 ブースでは、同コンソーシアムが進める水中LiDARのほか、水中光無線通信、水中光無線給電といった水中におけるレーザー光技術の活用を紹介している。

 可視光レーザーを用いたLiDARによる周囲の構造物の可視化展示では、水槽の内部にLiDARを設置。パルス状に発信されるレーザー光により、水中に置かれた物体の3Dスキャンを行っていた。将来的には養殖のモニタリング、船体検査、水中ドローンと連携してのインフラ点検サービスなど、コスト削減やダイバーの危険回避・人手不足解消といった問題解消に貢献できるとしている。

緑色レーザーを使用した水中通信デモ。緑色光や青色光は水中での減衰が少なく、AMラジオやWi-Fiといった電波よりもはるかに長距離での通信が可能になる

100m以上の距離で1Gbpsの水中ワイヤレス通信実験には成功しており、実用化を目指す

 水中光無線に関する技術展示では、電波が伝わりにくい水中での通信技術に着目。水中でも減衰しにくい青色・緑色レーザー光を活用したダイバーやドローンとの通信技術の実用化を目指しており、将来的には水中でのインターネット接続環境の確率などを目指す。すでにレーザー光を活用した伝送速度1Gbps、伝送距離108mの水中光ワイヤレス通信実験に成功しているが、ブースでは1m以上の距離での水中レーザー光の通信到達デモを実施している。

ワイヤレス給電のデモ。先端に受光部を持つミニチュア潜水艦が、レーザー光を照射することで動き出す

青色光・緑色光の2種類のレーザーで実際に動く様子が見られる

水中ドローンの展示も。レーザー光による通信・給電などを可能にすることで、水中での活用促進が見込まれる

 水中ワイヤレス給電に関しては、レーザー光でミニチュアの潜水艦を動かすデモを用意。現在の水中ドローンは有線接続、バッテリー容量といった制約を受けているが、将来的には電池交換不要、メンテナンスフリーでの稼働を可能にすることを目標としているという。

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