シャープ、屋内光を活用する発電デバイス「LC-LH」をCEATEC 2022で展示【CEATEC 2022】

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 10月18日~21日にかけて幕張メッセでリアル会場の「CEATEC 2022」が開催されるのに先駆け、17日にメディア限定のコンベンション(事前公開)が実施された。シャープ株式会社は、トータルソリューションエリアにて展示ブースを出展し、屋内光発電デバイス「LC-LH」などを紹介している。

 LC-LHは、蛍光灯などの屋内光を高い効率で電力に変換可能な色素増感太陽電池に同社の液晶ディスプレイ技術を組み合わせた発電デバイス。一般的に太陽光よりも低照度となる屋内光を電力源としながら、電力変換効率は20%と、屋内環境における一般的な太陽電池の約2倍を実現している。太陽光の届かない地下空間などでも、屋内光さえあればデバイスへの安定した電力供給が見込めるのが大きな魅力だ。

LC-LHの展示コーナー。製品化は2023年度内を目標にしているということで、用途別のプロトタイプが複数用意されていた

下部の台座にある発電デバイスがLC-LH。屋内光を高効率で電力に変換できる色素増感太陽電池の採用により、このサイズの電子ペーパーであっても屋内環境で問題なく充電可能とのこと

施設などの内部で小型・配線レスの運用が可能なため、幅広い用途に活用できるとしている。生産には同社の液晶ディスプレイ工場の設備を活用する見込みで、品質を維持しつつコストを抑えられるとのこと

 電池交換を必要としない手軽さや、小型・ケーブルレスなど設置性の高さが求められる用途での利用を想定しており、小型ディスプレイやコンビニ・スーパーなどの電子棚札、各種リモコンやモバイルバッテリーといった身近な製品のほか、IoT製品の各種センサーやビーコンへの電源供給も可能とのこと。また、従来の使い捨て電池をLC-LHに置き換えることで、電池の廃棄による環境負荷の低減にも寄与できるとしている。

電子棚札。左端のLC-LHから3つの棚札に給電するプロトタイプ

E Ink Holdings Inc.とシャープディスプレイテクノロジー株式会社が協業で開発を進める酸化物TFTを活用した電子ペーパー。従来型に比べ低消費電力であり、LC-LHとは相性が良いようだ。このプロトタイプは上部にLC-LHが組み込まれていた

LC-LHを搭載したビーコンのデモ。屋内光発電で信号を受信している

 本プロダクトは、電池交換や電源ケーブルを必要としない汎用性、小面積でより大きな電力を出力できるといったイノベーション性の高さが評価され、「CEATEC AWARD 2022」の経済産業大臣賞を受賞している。現時点では参考出品ではあるが、来年2023年度中には同社の液晶ディスプレイ工場の設備を活用してLC-LHの生産を開始する見込みだ。

 そのほか、同ブースでは非接触バイタルセンシングなどのヘルスケア関連ソリューション、8Kカメラおよび液晶ディスプレイを活用する医療教育向けソリューション、屋外サイネージで活用できる反射型IGZOディスプレイなどの展示を実施している。

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