YouTubeはショート動画クリエイターに広告収入を提供する準備を進めている

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YouTubeはTikTokなどの短時間動画配信プラットフォームに対抗するため、最大60秒までの動画を縦長のショートとして配信することに注力しています。YouTubeがショートを始めたのは2020年のことで、わずか2年でショートの視聴者数は月間15億人にまで増加しているのですが、YouTubeの通常動画と異なりショートには再生数や時間に応じた収益化の仕組みが存在しません。しかし、YouTubeはショート動画のクリエイターに対しても広告収入を支払うことを計画しているとThe New York Timesが報じています。

YouTube Opens More Pathways for Creators to Make Money on the Platform – The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/09/15/technology/youtube-opens-more-pathways-for-creators-to-make-money-on-the-platform.html

YouTube is gearing up to give Shorts creators a cut of ad revenue, report says | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/09/16/youtube-give-shorts-creators-cut-ad-revenue/

YouTubeは記事作成時点では「ショート動画のクリエイターに対して、YouTubeショートプレーヤーで再生された広告からの収益分配は行われていません」と公式サイト上で説明。なお、YouTubeは広告収益を支払う代わりに、独自のファンドを通じて一部のクリエイターにショート動画の投稿に応じた報酬を支払っています。このファンド経由の報酬支払いだけでなく、通常のYouTube動画と同じように広告システムを導入して広告収益をクリエイターに還元することを計画しており、Googleはこの計画を2022年5月に正式発表しています。

1日平均300億再生のYouTubeショートで広告を全世界展開する方針をGoogleが発表 – GIGAZINE


YouTubeが進めるショート動画の広告収益化戦略について、The New York TimesはYouTube社員が全員参加した会議の音声を独自に入手しています。この音声記録によると、YouTubeはショート動画に広告を掲載し、クリエイターに収益を分配することを計画している模様。

The New York Timesによると、YouTubeは広告収入の45%をクリエイターに還元することを計画しているとのこと。なお、YouTubeの通常動画では動画の再生前および再生途中に再生される動画広告の収益の55%を受け取っているため、ショートではその割合がわずかに下がるということになります。

YouTubeのプロダクトマネジメントおよびクリエイタープロダクト部門のヴァイスプレジデントであるAmjad Hanif氏は、会議の中で「広告収入をクリエイターに還元することで、ショート動画クリエイターがキャリアを始める場所としてYouTubeが最適な場所であると認識する大きな手助けとなるはずです」と語ったそうです。また、Hanif氏はショートの中でクリエイターが人気の楽曲を利用しても、収益が発生するようにする計画を明かしています。なお、これまで音楽を利用した動画の場合、著作権の所有者に収益が支払われてきました。


また、YouTubeはクリエイターがパートナープログラムに参加しやすくなるような計画を立てているとThe New York Timesは報じています。The New York Timesによると、Hanif氏が会議の中で「クリエイターがプログラムに参加するための新しい方法を作成するために、ここ数年で行った中で最大の拡張を行う予定です」と語ったとしています。

報道の通りにYouTubeがショート動画から発生する広告収益をクリエイターに還元するようになれば、「最大の競争相手であるTikTokに対しても優位に立つことができるようになるでしょう」とTechCrunch。

なお、YouTubeはThe New York Timesからのコメント要請に応じていません。

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