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はじめに
はげます会限定ページで、ライター乙幡啓子さんが好きな「サンライズ」と「チキン弁当」について、熱く語ってもらいました。お相手は西村まさゆきさんです。テキスト版の一部をチラ見せします。
乙幡:鉄道という共通の趣味がありましたか。
西村:なんとなく好きでここまでやってきましたからね。
乙幡:好きは好きですよ。すごくそれについて調べ抜いて本を出したりとか、ブログを書いたりとか私は一切やれない。西村さんはいろいろな角度からせめてますね。
西村:仕事でね。
乙幡:まず最初に寝台列車のサンライズ好きなんですよ。
乙幡:乗ったことあります?
西村:僕、出雲に一回だけ乗ったことある。上京するときに乗ったんですよ。
乙幡:上京するときに!
西村:寝台列車の出雲です。サンライズじゃないんです。
乙幡:国鉄列車のね。ブルートレインってやつ。
西村:ブルートレイン。それに乗って上京して、そこから東京生活が始まったんですよ。
乙幡:それはそれは。
西村:鳥取の駅で乗るときに、兄貴に手紙を渡されて。
橋田:ドラマみたい。
西村:「がんばれよ」って一言書かれていて。列車の中で、兄貴が〜って思ったですけど、別に泣くとかはなかった。
橋田:泣いてよ。
乙幡:書くような兄貴ではなかったんですか。
西村:なかったんだけど、そういう思い出があるんです。でもサンライズとはルートも違いますし、車両がブルートレインじゃないです。
乙幡:出雲には数えるほどしか乗ったことがない。高松にけっこう用事があるので、両方合わせて20回ぐらい乗ってるのかな。
西村:すごいじゃないですか。めちゃめちゃ乗ってますね。
乙幡:向こうに出張がある時無理やり乗るんですよ。大阪までとか、新幹線で行けばいいのに。夜まで遊んで、大阪から東京まで乗るみたいなのもあった。
乙幡:サンライズ。停まるんですよ。姫路とか意外とちょこちょこ停まる。
西村:グチみたいな話で申し訳ないですけど、寝台列車あると良くないですか?足伸ばして寝れる、寝てるうちに目的地に朝着くってめっちゃ貴重なんですよ。
乙幡:そうなんですよ〜〜〜。私バスだめなんですよ。全く水平ならいいんですけど、ちょっと角度があるだけで腰にめちゃくちゃ負担が来る。ずり落ちる恐怖からの、7時間8時間というのがすごくダメ。
西村:この体勢で8時間ぐらいですもんね。
乙幡:バス絶対に寝れないんです、私。でも寝台車だと寝られる。
西村:横になって寝られるし。
乙幡:東京で用事済ませて夜中22時ぐらいのサンライズに乗って、向こうに朝着いて、そこからフルで使えるじゃないですか。それがサンライズしかないわけですよ。ほかの寝台列車は四季島とかななつ星とか、超豪華なんです。
西村:金持ちしか乗れない。
乙幡:取れるまで何ヶ月待ちとか何年待ちとかのやつになっちゃうので、本数を増やしてほしい。サンライズあるうちは、できる限り乗って応援する気持ち。結局それでもいきなりなくなっちゃうんですけどね。きっとね。車両が古くなったら絶対に更新されないんじゃないかな。
西村:心配なんですよ。
乙幡:心配です。と言っても耐用年数が何十年とかでしょうか。
西村:わりと新し目の車両ですけどね。
西村:サンライズ見せてもらっていいですかね。
乙幡:私が一番始めに乗ったのは、見てきてジャーニー岡山編なのですが、これが2009年なんですね。このときに、寝台列車に乗りたい欲が高まって、記事を書きました。
橋田:そうでしたね
乙幡:このときに興奮しすぎて「見てきてジャーニーの任務が、ほら、銀河のかなたに飛ばされていくよ母さん。」って書いているんです。おかしいんですよ、テンションが。
乙幡:これが初めてだった。そこから記事でも3回ぐらい乗って、2015年に初めてのびのびシート。これは特急料金だけで乗れるやつ。こういうのもいいんですよね。
西村:鳥取に行くのに乗ろうと予約したんです。4年ぐらい前、集中豪雨で線路が途切れちて、運休ですって言われて。それで乗れずじまいなんですよ。
乙幡:それ一生乗れないパターンだ。
橋田:そういうのありますよね。
乙幡:あの時があれだったんだっていうパターンですから。たぶん諦めたほうがいいと思う。
西村:いや、乗るぞ!そんな、ちょっと嫌だな…
乙幡:私ちょっとこだわりがあるんです。
橋田:どんな?
乙幡:なにか仕事で行ってなにか成果をあげられそうなときとか、じゅうぶん仕事した!っていうときは、なるべくいい寝台列車で帰るようにしたい。さっきのは遊びで行ったからのびのびシートだけど、これはNHKに出たときなのでシングルデラックス取っちゃった。
西村:ちょっと高いですよね。
乙幡:ソロよりも2倍以上する寝台料金なので。寝台料金だけで1万3000円いくらだったかな。
西村:ちょっといいビジネスホテル泊まるぐらいの。
乙幡:そう。泊まるぐらいのを。
西村:値段がするわけですね。
乙幡:椅子とテーブルがついている。
西村:これ一部屋ですか。
乙幡:奥に洗面台もついて。
西村:狭めのビジネスホテルぐらいありますね。
乙幡:いいんですよ〜。これ。
橋田:それで移動してくれるんですもんね。
西村:顔が!ドヤ顔ってやつですね。
乙幡:一人で写真撮っちゃってね。そうしたくなる。
乙幡:成果を上げたときはこれでね。
橋田:ご褒美。
乙幡:ワインとかいっぱい買っちゃってますけど、この翌日二日酔いがひどかったです。朝から東京駅で気分が悪い…。
西村:これ個室なんですよね。
乙幡:個室です。A寝台ってやつですね。
橋田:ランクがめちゃめちゃあるってことですか?
乙幡:AとBがあって、Aはいい感じなんですよ。ふんわり。
西村:列車によって違うんですよ。
乙幡:これはソロかな。一番安い個室でけっこうギュウギュウ。
西村:これカプセルホテルぐらいの感じですね。
乙幡:これはソロだな。
乙幡:これがシングルだ。
西村:さっきのとこれまた違うんですね。
乙幡:ちょっとした違いなんですよね。テーブルが無い。
せまいところが好き
西村:せまいところ好きなんですよね。
乙幡:出た。狭いところが好きってタイトルにしていただいて。
西村:狭いところ好きなんですよ。
乙幡:大好き。
西村:やっぱ好きですか。
乙幡:キオスクとか。
西村:宝くじ売り場。
乙幡:新宿駅のくず餅売り場とか。
西村:狭いとこ好きなんですよね。
乙幡:狭いところにいろんなのが格納されてるのが大好き。こういう穴ぐらみたいな場所がいい。シングルよりもソロがいいんですよ。
西村:これはこれでいいんだけどね。
乙幡:いいんだけど、もっと狭い、ぎゅうぎゅうみたいな場所の方が好き。
西村:これ下にまた別の人が寝るところがある。
乙幡:下には下で一階、これは二階なんですけど、二階には階段を登って上がるアトラクションがあって。
西村:苦にならないんですよね。
乙幡:苦にならない。
西村:楽しくてしょうがない。
乙幡:ソロは置く台がここしかないんですよ。ここを工夫してっていうのがいいんですよ。
乙幡:狭いところでいえば、昔、寝台列車の個室の狭さを堪能するっていう記事を書いたんです。
西村:青森行き?
乙幡:青森でしたっけ。秋田、森岳で降りるのに使った。「あけぼの」のソロっていうランクのやつが、これが狭いんですよ。
橋田:褒めてるんですよね?狭いのは良い意味なんですよね
西村:『狭い』は褒め言葉です。
乙幡:ただでさえ狭そうなのに、この階段の上の階段の構造で、しまえてないっていう感じがいい!狭いんですよ〜。
乙幡:この狭い中で、歌ったり踊ったりするっていう記事だったんですよ。狭いながらもテーブルとかはあったりする。
西村:工夫はされてますね。
乙幡:工夫はされてますね。よっぽどサンライズのソロのほうが狭い気はするんですけど、この構造体のおかげで狭さ爆発みたいな感じでございました。
西村:狭いところいいですね。
乙幡:そっかー。デラックス乗ってる場合じゃないな。
橋田:反省してる。
乙幡:新たに魅力を認識しました。狭いのいっぱいでいいから寝台車を増やしてほしいですよね。
西村:そうですね。横になれるのがいいんですよ。
乙幡:昔みたいに、三段の寝台とかね。かいこ棚みたいな。
西村:子どもの頃から乗りたかったんですよ。初めて乗ったのがさっき言った上京するときの19ぐらいで、それから乗る機会がほぼなくて、その間にどんどんなくなってっちゃってます。
乙幡:あー。
西村:中国の寝台列車にいっぱい乗ろうと思って、行きましたよ。
乙幡:行ってましたね。
西村:もっと乗ろう!と思ったら中国に行けなくなっちゃって。
乙幡:どっかで乗ってましたよね。
西村:何回か乗りましたけど。そこで中国は三段のやつとかありましたよ。
乙幡:さすが合理的な国。
西村:予約すると絶対下の段は取れないんです。
橋田:なんで?
西村:上でくつろげないので上は不人気なんですよね。
乙幡:可動範囲が少ないんですよね。
西村:それはそれで面白いんですけど。あともう乗ってる時間も8時間とかそれぐらいなので。
乙幡:日本と同じっちゃー同じ。
西村:寝ちゃえば同じですよね
橋田:中国には寝台列車まだあるんですね。
西村:中国は新幹線に寝台列車がついてるやつがまだある。上海から北京ぐらいまで、一晩かけて新幹線ぐらいの速さで行くと一晩で着く。
乙幡:日本も作りなさいよ〜。札幌から鹿児島まで作ってよ〜。
西村:札幌、西鹿児島(鹿児島中央)ね。作ってほしい〜。
橋田:線路はあるのにねぇ。
西村:寝台列車って夜通るときに、駅に人がいないといけないんですよ。
橋田:あと近隣の方の配慮とか要るんでしょうね。
乙幡:日本じゃ無理だな。
西村:バスみたいな感じではちょっと運行できないっていうね。
乙幡:それで拮抗すれば。
西村:でも西鹿児島から札幌まで行くって、夢じゃないですか。
乙幡:夢なんですよね。新幹線だけで行くっていうツアーもありましたよね。
西村:乗り継げば今でも行けるんですけど。
地上に眠ることなく寝台列車だけでぐるぐるまわるのが夢だった
乙幡:まだトワイライトエクスプレスがと北斗星もあった頃、夢があって。
橋田:どんな夢?
乙幡:北海道から上野までの北斗星も走っていた頃に、地に足を付けることなく宿泊で地上に眠ることなく、寝台列車だけでぐるぐるまわる。それ夢だったんですけどね。鉄道ファンの方はやったことがある方が大勢いると思うんですけど…。
乙幡:寝台列車がいいなと思ったのが2009年ぐらいからで、遅かったんですよ。銀河、はやぶさとかどんどん廃止されてる。なので、サンライズみんなさんで乗って残そう!
西村:一本しかないから、チケットが取れないんですよね。
乙幡:1ヶ月前の朝10時にみどりの窓口に直接行かないと取れないんですよ。
西村:マルス(JRのきっぷ販売のシステム)でたったったったってやってもらうやつですよね。駅員さんにね。 駅員さんにね。
乙幡:十時打ちをね。
終わってふたたび解説です
「寝台列車のサンライズがなくなってしまわないように乗って応援している」という意外な事実を知って驚きました。利用する人が多かったらなくすのをやめよう!ってなりますもんね。
この後に、チキン弁当の良さも語っています。続きははげます会のページで読めます。
(はげます会担当 橋田)