なぜ山に登るのかと聞かれれば、大抵の人は「そこに山があるから」とイギリスの登山家、ジョージ・マロリーのセリフを口にすることだろう。その言葉の意味は、大の甘党が山のように盛り付けられたスイーツを目にしたときも同じではないかと思う。
そう、なぜ山盛りスイーツを食べるのかと聞かれれば、そこに山盛りスイーツがあるからだと筆者は答えよう。
今回挑戦する “山” は、2Lアイスをドカッと盛り付けたハニートーストである。このスイーツは見た目の迫力もさることながら、味や食感も評判らしいのだ。よーし、今年の夏はこれを食べて締めくくるとしよう。
・想像以上の山盛りに息を呑む
というわけでやってきたのが、群馬県桐生市にあるイタリア料理店「キッチン・マカロニ」。ん、この店名……。筆者が昔好きだったTVドラマ『ランチの女王』の舞台である洋食店と一緒の名前じゃないか。ふふ……なんだかちょっぴりテンションあがる。
いざ入店。ウッディーで落ち着いた雰囲気の店内は居心地がよさそう。席に着き、メニューをペラペラめくってみるが、すでに頼むものは決まっている。スタッフを呼び止め、噂の『フルーツハニートースト(税込1045円)』を注文してみた。……さあて、お手並み拝見といこうじゃないの。
……約5分後、
目の前に運ばれてきたのは……
エベレスト!?
えっ……マジか。
あまりの大きさと美しさに開いた口が塞がらない。……なんだこの “山” は。見上げるほどデカく、色鮮やかでキレイだ。ハニートースト(1斤)の上に、イチゴとブルーベリーのソースをまとった2Lアイスが君臨している。はぁぁ〜すっごい……。
もし世界最高峰のエベレストが紅葉するとしたら、こんな感じになるのかな……。つい見惚れてしまった。それでは、溶けないうちにいただくとしよう。
・やめられないとまらない
まずひとくち。……んん! ウマい!! 濃厚なバニラとさっぱりしたフルーツソースが舌によく絡んで最高! ……うん、いいね、パクパクいけちゃう。おや、これは存外早く食べ終えてしまうのでは。
どれどれ、ハニートーストもいってみるか。……トーストにナイフを入れているとき、上から雪崩が起きそうでちょっと怖い。おっ、よく見ると下にスライスされたバナナが飾ってあるな。
……せっかくだからアイスとトースト、バナナをいっぺんに頬張ってみよっと。
……ウ、
ウンマッ!!
はちみつのかかったカリカリトーストは、ほんのり甘くて噛みごたえがグッド。……アイスとトーストの相性最強だな。そこにバナナの爽やかな風味となめらかさも加わり、口の中で思わず舌が踊り出す。ゴリッゴリッ、ジュワ〜……な食感がたまらん。
・ラストスパート
ふぅ……けっこう食べた。途中で飽きちゃうかなーと、食べる前は心配していたけれど、意外とそうでもない。ただ、腹が膨れてきたのも事実。……気づけばあちこちから料理の注文が飛び交っている。ふと腕時計を見れば、食べ始めて40分近くも経っていた。
にぎわう店内。筆者は1人で黙々と食べているのだが、そろそろ誰かとシェアしたくなってきた。量はもちろん、感情も共有できたらもっと楽しいだろうなぁ……。
おっと、どうやら店の外で行列ができているようだぞ。スタッフが慌ただしく対応にあたっている。さすがは人気店。こりゃあ早く残りを食べてしまわんと悪い気がしてきた。よーし、ラストスパートだ!
トータル約50分かけて “山” をようやく完食。うん、マジでおいしかったし、満腹感ハンパない。最後はもうナイフやフォークなんて使わずに両手で鷲づかみだった。口元に荒々しく付いたフルーツソースを親指でピッとぬぐってフィニッシュ。ごちそうさまでした!
あのサイズを1000円ちょっとで味わえるのはかなり魅力的。あっ、ちなみに『フルーツハニートースト』だけを “単品” で注文する場合、別途330円プラスされてしまうので、他の料理などと一緒にオーダーするのがオススメかもしれない。
会計後、店を出ると目の前になかなかの行列ができていた。容赦なく照りつける日差しのもと、ここに並び続けるのも納得がいく。
早めに到着しておいてよかったーと安堵しつつ、ふと夏の終わりの空を見上げると、少し遠くにグンマーの美しい山々が見えた。日本百名山の1つ「赤城山(あかぎやま)」かな。……なんだか帰り道まで楽しく思えてきた。
読者のみなさんも群馬県桐生市を訪れる機会があったら、ぜひ『フルーツハニートースト』にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 キッチン・マカロニ
住所 群馬県桐生市錦町2-14-31
時間 11:00〜16:00(L.O.15:00) / 18:00〜24:00(L.O.23:00)
休日 日曜日 / 第3月曜日(※臨時休業有り)
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.