大切なものはなくなって初めて気づくという。その言葉にならうなら、私(中澤)の大切なものはコンビニだったのかもしれない。屋久島でも田舎の地区に滞在して気づいた。「コンビニがないってこんなに不便なものなのか」と。
そんな状態なので、先日、都市部の宮之浦へ車で行った時は、Aコープにすらテンションが上がりまくった。これこれ! 見たことある光景、安心する~。そう思って、並んでいる品を物色していたところ、刺身コーナーで謎の肉を発見した。見たことない!!
・はじめまして
見知った友達に裏切られたような気分になったその肉の名前は「モダマ」。刺身コーナーに当たり前のように並んでいるため、ひょっとしたら知っているのかとよく思い返してみたが、どう考えてもこんなヤツは知らない。Aコープにそんな側面があったなんて。
知らないのは私だけだったの? そんな嫉妬心から、とりあえず買ってみた。税抜き398円である。何グラムかまでは分からないが、これだけぼってりとした肉が6枚入って398円は安い気がした。問題は謎の肉ということだけだ。
・謎の骨
さて置き、見た目はハモみたいだ。が、骨の感じがなんか違う。身の真ん中に太い骨が1本通っているのだが、BB戦士の接合部みたいなのだ。
付属の調味料は、からし酢みそ。これがまたハモっぽいのだが、食べてみると別物だ。獣肉っぽい食べごたえがあるのに、魚肉っぽい生臭さのようなものも感じられるのである。マジで何なんこれ。
良いのは、骨が軟骨のようにコリコリ柔らかく食べられること。普通の魚なら背骨っぽい太さだけに、ますます謎だが、とりあえず、ウマイはウマイ。肉厚な身と軟骨のコンビネーションがなかなかのものだ。また食べたい。
・モダマの正体
とは言え、食べても正体は分からなかった。1つだけ言えることは、こんなの初めて食べたということ。そこで店員さんに何の肉か聞いてみた結果……
店員さん「鮫(さめ)ですね。湯引きした鮫の肉です」
──とのこと。鮫と言えば、フカヒレ、心臓、フライにした身は食べたことがあったが、それらとはまた違う味。
むしろ、フカヒレやフライよりこっちの方が好きかもしれない。珍味っぽいが、コスパは良いモダマ。屋久島にいる間にあと2回くらいは食べたいな。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.