「のり弁」こと「のり弁当」の最大の特徴といえばシンプルさ。弁当屋のもっともベーシックなメニューであり、大抵もっとも安いメニューでもあるだろう。
海苔に味がついていたり、佃煮がまぶしてあったりするから、それだけでおかずになる。ゆえに低価格。トッピングは「あったら嬉しいおまけ」のようなものだ。
しかしここに、総カロリー1000kcal越えのモンスターのり弁当が誕生した。もう、のり弁の定義がわからない!
・ほっともっとの「全部のせのり弁当」(税込500円)
2022年8月18日に誕生したそいつの名は「全部のせのり弁当」。通常の のり弁当 が税込360円なのに対し、全部のせは税込500円。それでもワンコインに収まる金額だ。
それほど大きな弁当箱ではないのに、手に持つとずしりと重い。
重量は優に500g! ライス普通盛でも総カロリー1032kcal、大盛なら1178kcal……!!
開封すると茶色い! 煮付けが~とか和え物が~とかではなく、まぎれもなく揚げ物の茶色である。おかずに覆われて海苔はほとんど見えない。
入っているのは、まずはいつもの白身フライ。製造コストの関係もあるのかもしれないが、トンカツでもコロッケでもなく、白身フライであるところが のり弁当 の最大の魅力だろう。どこか素朴で家庭的なテイスト。
「プレミアムソース」と「だし醤油」が選べるのは通常の のり弁当 と同じだ。最初からタルタルソースの小袋がついているから、のり弁当でありながら、のりタル弁当でもある。筆者は「だし醤油」一択だが、こってりいきたい方はタルタルで!
ちくわ天が長っ!!
7月から1.5倍にサイズアップしているそう。弁当箱の端から端まで届く長さで、まるで穴子天のようにびよ~んと身をくねらせる。
ひとくちサイズのメンチカツ。普段は税込70円で単品販売されているもの。
ソースやタルタルをかけてもいいけど、十分に味がついていたから、そのままでもOKだと思う。それほど大きく見えないのに肉感があり、がっつりした食べ応え。
さらにみんな大好き唐揚げ。こちらもパンチのきいた味つけだった。だんだんと胃の容量を圧迫してくる。
きんぴらゴボウとスライスたくあんが、サービス精神旺盛にたっぷり入っているのはいつもと同じ。
もちろん白米の上には海苔&おかか昆布レイヤー。本当はこの部分だけで「のり弁」として成立する。
おかず多すぎ! どれかひとつでも白米食べられるのに、それが何種類も並ぶ旅館の朝食状態だ。
もう「のり弁」の地味さはない。「300円ちょっとで、いろいろ食べた気になれる日本の弁当文化ってすげー!」と満足していた自分はどこかへ行ってしまった。
主役級の俳優が次々と登場するオールスター弁当が誕生。迫り来る揚げ物たち。個性と個性のぶつかり合いだ!
ボリューミーな上に、どれも自己主張がハンパないおかずなので、あっさり食べたいときにはお勧めしない。それと、揚げ物はやはり作りたてが美味しいから、時間を置かずすぐに食べた方がいい。心身ともに活力を求めているときにどうぞ。
・全国で販売中
ほっともっとでは “のり弁当シリーズ” として、近年いろいろなパターンの のり弁当 を展開している。もうあれこれ迷わず「全部のったやつ」でいこう。
「ほっともっとグリル」を除く、全国の「ほっともっと」ですでに販売中。長野県のみ価格や販売時期が異なるためご確認いただきたい。