充電しながら動画視聴できるやつがいいかなー。
外出先でスマホやiPhoneの電池が少なくなると非常に心細いもの。モバイルバッテリーは、もはや必需品と言えます。どうせ買うなら、コンパクトで使いやすく、オフィスでも外出中でも使えるワイヤレス充電器がほしいですよね! というわけで、今回はWirecutterのNick Guy記者がおすすめするワイヤレス充電式モバイルバッテリーをご紹介します!
ワイヤレス充電器とモバイルバッテリーのいいとこどり:Kenu BingeBank
モバイルバッテリーとワイヤレス充電器のいいとこどり。繰り返し使える粘着面が、スマホをしっかり固定。動画視聴に便利な折りたたみ式スタンドも付属しています。最大3回充電できるほどパワフル。
Kenu BingeBankは繰り返し使える粘着パッドを装備。MagSafe以外のワイヤレスモバイルバッテリーとしては最高のグリップ感を提供。金属製の折りたたみ式スタンドは頑丈で、横向きでも縦向きでも使えます。大きさはiPhone12・13やSamsung Galaxy S21とほぼ同じですが、厚さは約2倍。入出力用のUSB-Cポートはもちろん、Android デバイス向けにQuick Charge3.0USB-Aポートも装備。多くのスマホを3回フル充電可能で、各種Qi充電器に負けないバッテリー容量が自慢です。
iPhone12/13用のおすすめワイヤレス充電器:Anker 622 Magnetic Battery
iPhone12以降に最適なモバイルバッテリー。Ankerの磁気充電器はMagSafe搭載のスマホに吸い付き、高速でフルチャージ。折りたたみ式のスタンドも付属しています。
MagSafeに対応したiPhone12以降の機種をお持ちの方には、Anker 622 Magnetic Batteryをおすすめします。iPhone13を0%から83%に回復してくれるパワフルさが自慢。内蔵マグネットでスマホとしっかり密着し、充電しながらの通話も可能。動画視聴に便利な、折りたたみ式スタンドも付属しています。他のMagSafe対応モバイルバッテリーに負けないスリム設計で、カメラをふさぐこともありません。
高速・安価なベーシック充電器。お手頃価格で高速のQiワイヤレスモバイルバッテリーをお探しの方に最適の製品です。ただし折りたたみ式スタンドや吸い付くような粘着加工などはありません。
Aukeyの10000mAhワイヤレス充電器(PB-Y32)はコンパクトなデザイン・滑り止め加工・大容量バッテリー・高速ワイヤレス充電・USBポート・低価格…とワイヤレスのモバイルバッテリーに必要な条件をすべて満たしています。ただ、ドックやスタンドはないので平置き充電専用になります。また、滑り止め加工も弱めで、バッグに入れたまま充電するのはむずかしいかも。平置きに抵抗がない方向きの機種になります。
ワイヤレス式モバイルバッテリーをおすすめしたい人
ワイヤレス式のモバイルバッテリーは、まさに一石二鳥の便利アイテム。省スペースで手軽に使えるので、外出先での電池切れが心配な方に最適。自宅やオフィスでは電源につないでスマホをチャージし、外出時にはプラグを抜いてそのまま鞄に放り込めばOK。スマホのバッテリーが足りなくなったらコードでつなぐも良し、接着面につけて充電するも良し。Qi式充電器ならほとんどのスマホケースはつけてまま使えますが、磁石付きのケースなど、一部充電できないものあるので要注意です。
今回は以下の観点でおすすめ機種を厳選しました。
デザイン(コンパクトさ、ホールドの強さ)
容量
ポートの種類
安全基準の準拠
MagSafe対応・非対応
メーカーの評価
ワイヤレス充電器とモバイルバッテリーのいいとこどり:Kenu Binge Bank
スマホのワイヤレス充電と、外出先でのバックアップ電源の両方が欲しい方は、Kenu BingeBankがおすすめ。グリップの効いた最高のQi充電器で、カバンの中でもスマホをしっかりホールド。Wireless Power Consortium(WPC)のお墨付きで、ほかの商品に負けない急速充電ポートと、このカテゴリでは最大級のバッテリー容量を誇ります。比較的手を出しやすい価格も魅力です。唯一の欠点は、ワイヤレス充電時の速度が最速モデルと比べるとやや遅めだということ。
おすすめポイントは、2.4インチ四方の粘着パッド。プラスチック製ケースごとスマホを固定し、カバンの中で充電したまま旅を続けられるのでとっても便利。メールや着信のバイブで振動してもズレる心配はありません。
充電していない時は付属のビニールシートでパッドを保護。ホコリがついても水拭きすれば、粘着力の低下を防げます。革やシリコン、ファブリック製のケースを使っていて粘着剤をつけたくない方は、付属の折りたたみ式スタンドを活用してください。見た目はあまりエレガントではありませんが、便利です。
BingeBankの折りたたみ式スタンドはメタル製で、ほかのQi充電器と一味違います。未使用時にはバッテリーの背面にフラット収納され、使用時は縦向きで20度から40度まで、好きな角度で使用可能。もちろん、横向きでも使えます。
2020年にワイヤレス充電テストを実施したところ、電池の容量はほとんどのQi充電器で大差ありませんでした。ちなみにKenuのBinge Bankは空になったiPhone 11を30分後に15%、1時間で31%までチャージ。LG V30をそれぞれ16%、33%まで充電することができました。とはいえ、いずれにしても有線の高速充電器と比べると圧倒的にスロー。ワイヤレス充電器の強みは、あくまでスピードではなく手軽さと利便性だと肝に銘じなければなりません。デスクワークの際、プラグを抜かずに素早くスマホを操りたい時や、フル充電に時間がかかっても構わない夜間充電に最適だといえるでしょう。
BingeBankはWPC認証を取得しており、安全性に関するテストをクリアしています。もちろん、USB-CポートとUSB-Aポートの両方を搭載。USB-Cのほうは最大18Wの入出力充電が可能で、(適切なケーブルを使えば)iPhoneやGoogle Pixel 5などのAndroidスマホをiPad Pro付属充電器と同等のスピードで急速充電できます。USB-AポートはQuick Charge 3.0対応で、一部の旧型Android端末に便利。Micro-USBポートはありませんが、Micro-USBでの充電は速度が遅く、またUSB-Cに急速に置き換わっているため、特に問題ないでしょう。
ボディはプラスチック製ですが、感触はしっかりめ。他のQi充電器は、上部を押すとわずかにたわむものもありましたが、BingeBankは大丈夫。他の製品と比べて長持ちしそうですし、バッグに入れて持ち歩いても、毎日ガシガシ使っても、耐えてくれるでしょう。
BingeBankは10,000mAh(36Wh)のバッテリーを搭載。iPhone 11の11.91Whのバッテリーなら3回強充電できる計算で、週末の旅行もカバーできる容量です。
Apple WatchやBluetoothイヤホンといったスマホより充電速度が遅い小型アクセサリー用に「低電力モード」を搭載。Kenuによると、「多くの充電器は、充電速度が遅くなると“デバイスの充電が終わった”と考えます。そのため、アクセサリ類の充電はすぐにタイムアウトしてしまい、フルになるずっと前にオフになりがちです」とのこと。正直、その問題を実感したことはあまりありませんが、必要な方には便利な機能でしょう。
保証は1年間ですが、申請するためには同社にメールを送る必要があります。試しに問い合わせてみたところ、35分以内に返答がありました。
気になる点
今回テストしたQi充電器の中で、本製品のスピードは「圧倒的に速い!」というわけではありませんでした。ただ、デスクワークや夜間に使用する分には問題ないですし、ワイヤレス充電の最大速度と比較しても大きく遅れているわけでもありません。
iPhone12/13用のおすすめワイヤレス充電器:Anker 622 Magnetic Battery
Anker 622 Magnetic Batteryは、AppleのMagSafeシステムを採用しているiPhone(iPhone 12以降)には最適な充電器といえるでしょう。本品の容量は5,000 mAh(19.25 Wh)で、Wirecutterのテストではバッテリーが空になったiPhone 13を約83%まで回復。これは競合類似製品とほぼ同等です。MagSafeの公式ライセンス製品ではないので、MagSafe最大(15W)の速度でスマホ充電することはできませんが、他の非MagSafe充電器には負けません。iPhoneの背面にピタッと固定できるので、充電しながら歩き回ったり、デバイスを使用したりするのもOKです。
Magnetic Batteryは高さ約10.4cm、幅6.6cm、厚さ1.2cmと、他社製品とほぼ同じサイズ感。本品が他と一線を画しているのは、背面にあるクレバーな折りたたみ式スタンドです。iPadケースによく見られるコンセプトですが、フラットなシートに折り目がついており、折り紙のようにスタンドを出す構造で、磁石でスタンドを固定します。ホールドする角度は30度で、机やテーブルの上でスクリーンをチェックするのにも理想的です。ただし、USB-Cポートが底面にあるため、スタンド使用時には有線充電できないのがマイナスポイント。
今回テストしたMagSafe対応充電器には珍しく、Anker製品はiPhone 12と13のあらゆるモデルにきちんとフィット。iPhone 12 miniとiPhone 13 miniだと下端から6mmほどはみ出しますが、側面からはみ出したり、カメラの邪魔になることはありません。
Ankerによると、こちらの充電器は7.5Wのワイヤレス充電が可能だそうですが、Wirecutterのテストではほかの5Wのマグネット式充電器とスピードは同等。iPhone 13は30分で14%、1時間で27%の充電が可能でした。ケーブルが手元にあり、より高速充電したい場合は、USB-Cポートを使うと12Wの有線充電に対応しています。
Aukeyの10000mAhワイヤレス充電器(PB-Y32)は、私たちがワイヤレス充電器に求めるものをほとんどすべて備えています。ほかのモデルよりもスリム設計で、充電中にバイブで振動してもスマホが滑り落ちないようラバー仕様になっています。容量もこれまで見た中で最大級で、iPhoneとAndroid端末の両方をワイヤレスで高速充電できます。ポートも期待を裏切らないうえ、同容量の他社製品よりもお求めやすい価格設定なのもうれしいところ。それでいておすすめナンバーワンの座を逃したのは、ドックやスタンドが付属していないから。これは少々痛手です。また、「繰り返し使える粘着面」も「充電しながらスマホを手に取って使える」仕様もありません。もしそれらの機能が必須でないなら、Aukeyのこのモデルは文句なしの選択肢となるでしょう。
外観は、他のワイヤレス充電器同様プラスチック製のプレーンな長方形。幅はiPhone 8やiPhone SEとほぼ同じですが、高さは約6mmほど大きく、厚さは2倍強です。ボディは頑丈で、押してもたわむことはありません。Aukeyのデザインで最大の注目ポイントは、片面が滑り止めのシリコンで覆われていること。BingeBankほどのグリップ力はありませんが、大量にメールが来てバイブが鳴りまくっても充電コイルからスマホが滑り落ちるのを十分防いでくれます。
PB-Y32のバッテリー容量は10,000mAh(38.5Wh)と、BingeBankや他のQiモバイル充電器と同等で、電力供給もスピーディ。今回のテストでは、30分間でiPhone 13を0%から15%に、1時間で31%までチャージしました。LG V30だと同じ時間で20%、41%まで充電し、これまでテストしたQi規格モバイルバッテリーのワイヤレス充電の中で最速を記録しました。
付属の18W USB-Cポート(入出力とも)とQuick Charge 3.0 USB-Aポートを使えば高速の有線充電も可能。低電力充電モードがあるので、アクセサリ類の充電にも便利です。WPC認証済みで安全性も問題ありません。
このように、Aukeyのモバイル充電器はベーシックな機能をすべて満たしている一方、逆にいえばそれ以上のことはできません。折りたたみ式スタンドも、繰り返し使える粘着グリップもありません。平置き専用で、外出中の充電は有線に頼らざるを得ません。それでもOKであれば、購入の価値あるコスパの高い商品です。
【番外編】iPhoneとの連携は純正品ならでは:MagSafe バッテリーパック
王道中の王道といえばAppleのMagSafe充電器。容量は小さい割に価格は高めですが、それでもサードパーティにはない機能を備えているので、一見の価値はあります。記事執筆時、MagSafeはAnker 622の2倍近い価格ですが、バッテリー容量は1,460 mAh (11.13Wh) とはるかに小さく、空のiPhone 12を65%までしか充電できません。しかもスピードも遅め。Appleいわく「20Wの電源やUSB-C-Lightningケーブルにつなげば、15Wの充電器として機能する」そうですが、電源もケーブルも同梱されていません。
とはいえ、iPhone 12 miniや13 miniにもぴったりフィットするサイズ感はAppleならでは。マットな質感のプラスチックは、Smart Battery Caseのシリコンよりも感触がいいですが、カラーはホワイトのみなので汚れやすいかもしれません。iOSの「今日の表示」に充電レベルが表示される唯一の充電器であることや、電源につないだスマホから充電できる唯一のアクセサリであることもプラス面といえます。ただし、容量が非常に小さいことや充電スピードが遅いことを加味すると、まだまだコスパが良いとはいえません。
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