安倍晋三元首相が銃撃を受けて死亡した事件では、世界中からお悔やみの談話が発表された。靖国神社参拝で強く安倍氏を批判してきた中国も例外ではなく、習近平主席が岸田文雄首相宛に弔電を送っている。ただ、ネット上の書き込みは、必ずしもそうではない。
日本を拠点に活動する有名中国人記者が微博(ウェイボー、Weibo)にお悔やみのメッセージを書き込んだところ、大量のコメントがついた。最も注目度が高いコメントは、この発言が「勇気がある」というもの。安倍氏に対する罵詈雑言に近い書き込みも目立ち、お悔やみの書き込みに「勇気」が必要な空気感を反映している。
「靖国神社への参拝をずっと忘れない」「安倍は南京大虐殺に黙祷したのか」
コメントが相次いでいるのは、香港・フェニックステレビのリー・ミャオ東京支局長のアカウント。フォロワーは347万人以上いる。安倍氏の死亡が発表された直後の7月8日18時15分、ツーショット写真つきで
「私は、安倍元首相の在任中に最も多くインタビューした外国記者の一人だろう。 今年、日中国交正常化50周年で、もう1回インタビューしたかったが、永遠に実現できなくなってしまった。黙祷」
と、手を合わせる絵文字付きで書き込んだ。この書き込みには3400件以上のコメントがつき、最も「いいね!」が多くついたのは
「リー・ミャオさんは勇気がある。こんな時に自分が思ったことを勇敢に発信できて」
という内容のコメントだ。
そのほか、
「靖国神社への参拝をずっと忘れない」
「安倍は南京大虐殺に黙祷したのか」
などと安倍氏を批判する心ない書き込みが目立つ。単に「いいね!」の絵文字をつけるケースもある。