信頼できる情報筋(奴)から謎めいたメッセージが届いた。「ライフの銀色のやつが至高」。これだけ。
一体何を言っているのか。隠語に次ぐ隠語で、よからぬ取り引きでも持ちかけているのか……と思ったが、奴は味にはウルサいグルメな男、しかも調理師免許まで持っている。これは蕎麦のことを言っているのだと判断し、私は近所のライフへ直行した。
そして蕎麦コーナーをパトロールしてみると……あった! 銀色のやつ、あった!! その名も『信州戸隠 二八そば』。しかも何だ、メーカーはライフプレミアム……ライフオリジナルのブランドだーっ!! これは期待。今までとは違う雰囲気がプンプンする。
ワクワクしながら帰宅して、あらためてじっくりとパケをチェック。ライフオリジナルのブランドだが、製造者は「株式会社おびなた」……って、連載1回目、2回目にも登場した、また、あの「おびなた」かよ!
どれだけ日本の乾蕎麦界が「おびなた」に牛耳られているのか謎であるが、おびなたエンカウント率はかなりの高さ。過去2回のおびなた蕎麦は、「良くも悪くも家そばの範疇(はんちゅう)」であったので、もしかしたら今回も……?
いや、しかし、今回は価格が違う。過去2回は1食分99円くらいだったが、今回は1.5倍強はグレードが高い160円超えの高級品。なによりオススメしてきたのが “グルメなアイツ” なのが一番の期待材料である。
湯を沸かし、
6分半ほど茹でると……
完成!
して、そのお味は──
思わずワロタ……! いや、笑った。なぜなら、余裕で気持ちが「外」に出ていたからである。
食感も良しだし、蕎麦の味もする。なにより、そばを1人前茹でただけで、しっかりとした「そば湯」が取れたのが非常に嬉しい。もうこの蕎麦湯(煮汁)の時点で「只者ではないな……」という予感はしていた。
もちろん、そりゃ「お蕎麦屋さんの蕎麦」ではない。そんな甘い世界ではない。しかし、チェーンの立ち蕎麦グレードよりは遥かに上。立ち蕎麦以上、お蕎麦屋未満といったところだろうか。
蕎麦湯で薄めた蕎麦つゆを飲みながら、あらためて奴の言葉を振り返った。「ライフの銀色のやつが至高」。たしかに至高。かつ、手に入れやすしいし、コスパも良い。今までの中ではダントツに「外そば」である。
しかし、先にも書いたが、実力的には「立ち蕎麦以上、お蕎麦屋未満」であるので、まだまだ当連載は終わらない。私が求めるのは蕎麦屋の蕎麦。家の中で楽しみたいのだ、「外で食べる蕎麦屋さんの蕎麦の味」を。
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24