今、私の中で一番アツい存在、福島屋。
東京都羽村市に本店を構え、六本木、虎ノ門などオフィス街に店舗を展開するスーパーである。
ここでゲットできるわさびのおせんべいがやたらとからくておいしいのでちょっと聞いておくれよ。
ご当地グルメに出会える福島屋
福島屋については以前、お弁当が実家の味そのものという記事にて一度取り上げたことがあるが、実は自家製のお惣菜以外にも、その時期によって全国から集まったいろんなご当地食品が並んでいる。
どうやら今の期間は北海道の名産が店頭に並んでいるようだ。ありがたいですねえ。
今回はお目にかかれなかったが、たまに広島因島銘菓「はっさくゼリー」を置いていたりもする。ちょっとしたアンテナショップだ。
主張の少ないおせんべいたち
そんななか、レジに近くにひっそりと佇むとあるコーナーに、今回の主役は息をひそめている。
すべて新潟県魚沼市のおせんべいだ。
パッケージのシンプルさをみてほしい。右上のおせんべいたちなんか特選新潟米を使用していること以外、ほとんど主張をしていないようなものだ。パッケージを考えた人、チャーハンを塩胡椒と醤油だけで作るタイプだと思う。
値段はすべて133円。はじめてこのおせんべいを見かけたとき、手ごろでちょうどいいサイズだな、とわさび味を選び、仕事のおやつにした。そして後悔することになる。
なぜって?だって、辛すぎるのだ。
一口目にわさびの突き抜けるようなツーンとした刺激が来る。
ウワーーー!となっているところに新潟米の甘みが広がり、「あ、おいしいな……」と思わされて2口目を食べるとまたウワーーー!とはじめに戻る。
お米の甘味とのバランスがかなり絶妙で、つい手を伸ばしてしまうのだけど、どんどん辛さが蓄積されていく。
1つめより2つめ、2つめより3つめ、4つめよりたーくさん、である(どうぶつの森のキャッチコピーオマージュです)。
倍になっていく辛さに食道が悲鳴を上げ、熱くなる。涙もちょっと出てくる。こういう斬魄刀、ありましたね。
でも、つよい辛味の中にもちゃんとおいしいを成り立たせているのがえらい。新潟米を味わわせるぞ、という製造者のプライドを感じる。かっこいいぞ、わさび餅。
わさび餅meetsわさび鉄火
編集部の古賀さんにわさび餅のことを伝え、食べてみてほしいと相談すると「さてはわさび鉄火をご存じないのですね」と来た。
かつてデイリーポータルで紹介された同じわさび味のおかきのことらしい。し、知らなかった……。
わさび餅とわさび鉄火、どっちがより辛いのか。どんな違いがあるのか。気になるぞ。
わさびせんべい2種を携えて古賀さんに会いに行った。
おせんべいにまぶされたわさびパウダーが、スーパーレモンキャンディというものすごくすっぱい飴の感じに似て、瞬間的に刺激が来るとのこと。
スーパーレモンキャンディ。食べたことないのに画像を見るだけで唾液が出てくる。
人に食べさせるときのポイントは、一人一袋用意してぽりぽり立て続けに食べてもらうことだ。そうすることで溜まっていく辛さの感じをより味わってもらうことができる。
辛いリアクションとおいしいをいただき大満足したところで、今度は私がわさび鉄火を食べてみる。記事ではみんな泣きそうになっていたけど、ちょっと大げさだな、と思った。そんなことなるわけないじゃないですか~。
鼻から息を吸うと何かしらのガスを吸い込んだかのように強い「ツーン」が顔中に響き渡り、涙がこみあげてくる。ちょっとこれは食べ物で感じる刺激じゃないな。
でも海苔と香ばしい醤油せんべいの味もしっかりしてちゃんとおいしい。辛いだけじゃないというのが共通している。やっぱりおせんべいはおいしくなくちゃ。
わさび鉄火は短距離走、わさび餅は長距離走者
どちらのが辛いか、と言われたらわさび鉄火の辛さの勢いのが強いかもしれないが、蓄積して長続きする辛さはわさび餅の方が持っている気がする。
喩えるならわさび鉄火は短距離走、わさび餅は長距離走という感じだ。みんなちがってみんないい。今回は図らずとも、わさびせんべいの奥深さを知ることになった。
個人的には「友達にあげるならわさび鉄火、会社の人にあげるならわさび餅」という基準が生まれた。わさび鉄火をあげたら怒られそうだから。
撮影が終わった後、古賀さんがおもむろに自分もわさび鉄火の辛さを久々に再確認したいと言い出した。やっぱりくせになるんだ……!