もうすぐ夏だ! 夏と言えば? プール? 花火? スイカ? このバカ野郎ォォォォオオ! 丸亀製麺の夏うどんに決まってるだろ!! 夏うどんシリーズ一番人気の『鬼おろし肉ぶっかけうどん』が本日2022年6月15日より、さらに進化を遂げて発売されるんだぞ!
それだけではない。今年の夏は『鬼おろし鶏からぶっかけうどん』なる新作も登場するとのこと。何それ絶対ウマいじゃん! もはや夏の到来よりも待ちきれないため、特別に一足早く試食させてもらうことになったのだが……。
この後、なぜか私(あひるねこ)はおっさん同士のガチトラブルに巻き込まれてしまうのだった。以下、緊迫の一部始終。
・数日前
『鬼おろし』シリーズの新商品を食べるため、丸亀製麺の秘密のキッチンへとタクシーで向かう私、サンジュン、そして佐藤パイセン。3人でどこかに行くなんて初めてじゃないですか? 和気あいあいとした雰囲気に包まれる車内。
今年リニューアルしたという『鬼おろし肉ぶっかけうどん』はもちろん、一番人気の座を狙う完全新作『鬼おろし鶏からぶっかけうどん』の存在も気になるところ。いやぁ、早く食べたいですね! と思いきや……
え!?
まさかの開幕ブチギレである。
佐藤「おいコラ、サンジュン。お前もういっぺん言ってみい。このワシを世界の佐藤と知っての無礼か? どう考えても『鬼おろし鶏からぶっかけうどん』の方がウマいに決まってるだろ! お前もカラッとジューシーに揚げたろかコラッ!!」
サンジュン「うるせェェェェエエエエ! 鶏ごときが絶対王者の『鬼おろし肉ぶっかけうどん』に勝てるかよ! さっきから寝ぼけてんのか、この初老チキンが!! こっちは牛よ? 焼きたてよ? 負ける理由が見当たらねーわ! モォ~~~~~~~~!!」
佐藤「誰が初老のチキンだコラッ! よーし、こうなったら現地で決着つけたる。いいか逃げるなよ! 逃げんなよコラ!!」
──逃げてぇ……。こうして鶏派のおっさん(48)vs 牛派のおっさん(44)のガチ喧嘩が幕を開けたのだった。改めて文字にすると、なんてくだらない争いなんだ……。
・秘密のキッチンに到着
さて、それでは気を取り直して『鬼おろし』シリーズの新作を用意してもらおう。今さら言うまでもないが、丸亀製麺のうどんはすべてが店内製麺。茹でたての麺を水できゅっと締めることで、つるつるもちもちとした仕上がりになるのだ。
先攻・サンジュンが推す『鬼おろし肉ぶっかけうどん(並・税込690円)』は、今年から注文ごとに目の前で牛肉とたまねぎを焼いてくれるという神仕様にアップデート。これは食べる前から音と香りでノックアウト間違いなしだろう。大根を粗くおろした “鬼おろし” と一緒に盛り付ければ……
約束されし勝利の夏うどんが完成……!
・エースの風格
見るからに涼しげなルックス。焼きたての牛肉ならではの旨みや香ばしさと、鬼おろしのみずみずしくシャキシャキした食感を同時に味わえる、まさに “あつ冷” な一杯だ。風味豊かなぽん酢が全体の味を引き締めている。
サンジュン「そうそう、これこれ! これなんだよ!! 鬼おろしでサッパリしてんなぁと思ったら、そこへ肉汁したたる焼きたて牛肉がガツンと来るワケ! で、それがつるつるとコシのある麺に出会うことで、唯一無二の味わいが生まれるワケよ」
サンジュン「サッパリしているけど、同時にガッツリもしている……。もう陰と陽だよね。つまりこの丼の中には宇宙があるワケよ。ただのチキンにビッグバンが起こせるか? 起こせるワケねーだろ! だから『鬼おろし肉ぶっかけうどん』の勝ちに決まってんだよ!!」
「モォ~~~~~~~~!!!」
途中からちょっと何を言っているのか分からなかったが、今年の『鬼おろし肉ぶっかけうどん』の仕上がりに絶対の自信をのぞかせるサンジュン。鶏派の佐藤パイセンを激しく煽りまくる格好だ。あと「ワケ」って何回言うねん。
・押され気味?
これは後攻・パイセンが推す『鬼おろし鶏からぶっかけうどん(並・税込690円)』にとって不利な展開か? と思いきや、さすがトップを狙う完全新作だ。店内で揚げた熱々の鶏ももから揚げ(以下、鶏から)という最強ウェポンを、たっぷりの鬼おろしの横にごろっと3つ添えれば……
これぞ敗北を知りたい王の貫禄……!
・神童現る
見た目のインパクトは『鬼おろし肉ぶっかけうどん』以上だろうか? みんな大好き鶏ももから揚げと、サッパリした食感を加える鬼おろし、そして丸亀製麺特製ぽん酢だれの味わいが三位一体となった、ボリューミーかつわんぱくな一杯だ。もちろんこちらも “あつ冷” を楽しめるぞ。
佐藤「サンジュン、お前はよく丸亀製麺の かしわ天がウマい! とアホみたいに触れ回っているが、もしこの鶏からが、かしわ天と同じにんにく醤油ベースの特製だれを使っていると言ったらどうする? かしわ天が胸肉なのに対し、鶏からはもも肉だ。この時点でお前の負けは確定しているんじゃないのか!? あん!?」
佐藤「パンチの効いた味付けは打ち立てのうどんにもバッチリ合うが、それだけではない。見てみい! なすの揚げびたしと刻み柚子やぞ!! 肉厚でだしが染み込んだ揚げなすと、柚子の爽やかな風味がワシの勝利を祝福してくれとるんや! まるでワシみたいに偉大なうどんやで!!」
・互角の戦い
両者一歩も譲らず! 二人の対決は泥沼の様相を呈してきた。おそらく人としてはダブルTKO負けで試合終了待ったなしだろうが、困ったことにどちらも超頑固。ああ、誰でもいい! 誰かこのおっさん達の不毛な喧嘩を止めてくれーーーー!!
とその時!
「まあまあ、もうそのくらいで」
まさかの第3勢力が登場! しかもちょっと怖ェェェェエエエエ!! と思いきや、現れたのはなんと丸亀製麺の上田さんだった。そう、我々が先ほど食べたうどんをすべて調理した神腕料理人である。二人の喧嘩を見かねて、わざわざ仲裁に入ってくれたのだ。
上田さん「いかがでしょう? 今度は佐藤さんが『鬼おろし肉ぶっかけうどん』を、サンジュンさんが『鬼おろし鶏からぶっかけうどん』を食べてみてはどうですか? もしかしたら新しい発見があるかもしれませんよ」
佐藤「うるせぇ! 何だテメーは!! いきなりしゃしゃり出てきて、ワケの分かんねぇこと言ってんじゃねーぞ! こちとら世界の佐藤やぞ!!」
サンジュン「そうだそうだ!」
上田さん「聞こえなかったようなので もう一度言いますね。二人とも今度は『鶏』と『牛』を入れ替えて食べてみてください。あと喧嘩は今すぐ止めなさい。いいですか? 次はありませんよ」
佐藤・サンジュン「うす……」
・収束へ
上田さんの尋常ならざる迫力に圧倒されたサンジュンと佐藤パイセンは、言われるがまま各々の “推しうどん” を交換して食べてみることに。しかし二人にとって、これらのうどんは言わば仇敵。明らかにやる気のない表情で箸を持った……
の、だ、が……
サンジュン「何コレ、うんみゃあああああああああ! 噛むたびにジューシーな鶏からと、コシのあるうどんの相性がマジで最高!! 鬼おろしのサッパリ感もたまらんね。ていうか、なすの揚げびたしはズルいでしょ! ウマいものしか入ってねーじゃん!!」
佐藤「おいサンジュン! お前さっきからこんな贅沢なうどんを食べていたのか!? どうしてこのワシに隠しとったんやコラッ! 打ち立てうどんの上に! 鬼おろしと焼きたての牛肉をのせたら! ウマいに決まってるだろ!!」
「モォ~~~~~~~~!!!」
・まさかの和解
どうやら『鬼おろし肉ぶっかけうどん』も『鬼おろし鶏からぶっかけうどん』も、どちらも信じられないほどウマかったらしい。茶番の見本かお前ら。何だったんだ今までの時間は。タクシーに乗るシーンからやり直せと言いたい。
こうして、うどんを理由に壮絶な喧嘩を繰り広げた二人のおっさんは、肩を組みゴキゲンな様子で丸亀製麺を後にしたのだった──。今回ご紹介した両メニューは、8月下旬まで販売予定となっている。くれぐれもお見逃しないように。
「お~に! おろし♪」
「お~に! おろし♪」
「おにぃ……?」
「おろし~~~~~~~~!!!」
– 完 –