青空と桜とヤギ
動物園のふれあいコーナーにはたいていヤギがいる。もそもそと草を食べたり、ポロポロとふんをしたり、寝たりしている。あまりはげしく動いてない。
しかし、ヤギのアスレチックを作った動物園があるという。ヤギが高いところを歩いているらしい。
いま流行の行動展示の波がついにヤギにまで押し寄せたのだろうか。いきいきと動くヤギが見てみたい。
※2006年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
その前にヤギの魅力を説明します
ヤギってへんな動物だと思う。
・ エサをあげても喜んでいるのかどうかわからない。
・ 黒目が横で人をばかにしたような顔をしている。
・ 子供のころからヒゲがはえている。
・ 肉もミルクもくせがある。
人間にこびないし、攻撃もしない。この素通り感はハトなみだと思う。そういえばいた、ぐらいの関係。
たぶん僕はヤギが好きなので(飼う気はない)、今回の原稿でヤギをだめな動物と書いていても愛情のうえにある表現だと思ってください。
ヤギの魅力をおわかりいただけたと思うので、今回の舞台、東武動物公園に行くことにしよう。
ここのふれあい動物村(触れる展示コーナーですね)のヤギ展示場にアスレチックができているのだ。パンフレットには「ヤギさんが空中散歩!」などと書いてある。
僕の知らないヤギの一面を見ることができるのだろうか。
頭上にヤギがいる
ヤギの柵のうえに木製のアスレチックが作られている。確かに頭上にヤギがいる!
…が、座っていつも通り口をもぐもぐさせていた。崖みたいなところを颯爽と歩いているのかと思ったのだが…、まあ、きょうは温かいし、そういうやつもいるだろう。
頭上の橋を歩くヤギの影が見えた。そうだ。そういう姿が見たかったのだ。
でも、エサをもらっていた。わりといつも通りだ。ぜんぜん野生じゃない。うっかり高いところに登ってしまったために、エサをもらい損ねているヤギもいた。
ヤギは高いところに登ってもヤギのままだ。そういえばヤギって野生の動物じゃなくて、家畜だ。
これがヤギだ
ヤギの柵の隅にはアスレチックに登るための階段が設置されている。
ヤギが登り降りするようすを見ていたのだが、それがまたぎこちない。大丈夫?と聞きたくなるような足取りだった。
慎重に階段を下りるヤギ。オンマウスで動きます。
行動展示は動物園ではなかなか見ることのできない動物の自然な姿が見られる、というのが魅力なわけだが、ヤギにとってこれがありのままなのかもしれない。
そう思うとたいへん魅力的である。
そのせいか、ヤギコーナーは園内でもいちばん人気があった(ほんとに)。
余談
余談だが、隣にいたラマが妙に色気のある顔でどきどきしたので写真を載せておきます。えさをあげていた子供が真正面から見つめられて泣き出していた。R15指定ぐらいの色気である。
ラマもウオッチしてゆきたい。
要はヤギっていいよね
って話だったんですが、ヤギの漠然とした魅力が伝わったでしょうか。 かわいくもないし、二本足で立つわけでもない、アスレチックですごい能力を発揮すると思ったらゆっくり歩いてる。
まるで、「僕には『なにもしない』ってことができます」 と彼らは言っているようだ。哲学的である。人生に行き詰まったとき、仕事を休んでヤギを見に行くと………、きっとなにも解決しないと思います。
でもおもしろいよ。
僕が知らないだけで家畜としては有益なんだと思います(ヤギにフォロー)。