360万件のサイトが落ちたデータセンター火災は水漏れが原因の可能性

GIGAZINE
2022年06月10日 06時00分
メモ



2021年3月にフランスのクラウドコンピューティングサービス「OVH」の施設で火災が発生し、多数のウェブサイトやサービスが影響を受けた問題で、火災の原因は水漏れだった可能性があると、フランスのオンラインフォーラム・LaFibre.infoのユーザーが指摘しています。

Rapport d’enquête BEA-RI sur l’incendie du datacenter OVH de Strasbourg en 2021
https://lafibre.info/ovh-datacenter/incendie-ovh-strabourg/

2021年3月にフランス・ストラスブールにあるOVHのデータセンターで発生した火災では、「設備不足が被害拡大の原因」とする調査結果が発表されています。

360万件のサイトが落ちたデータセンター火災の被害拡大原因は設備不足 – GIGAZINE


2022年6月8日、LaFibre.infoのユーザーが「インバーターの電子基板の水漏れが、出火の原因ではないでしょうか?」と書き込みました。

書き込みによると、フランスの調査当局である産業リスク調査分析局(Bureau d’enquêtes et d’analyses sur les risques industriels:BEA-RI)が発表した(PDFファイル)資料では、火災が発生する直前に施設内の湿度が上昇していることが報告されているとのこと。

以下は、出火した無停電電源装置(UPS)の温度(上)と湿度(下)の測定値です。0時30分過ぎに温度と湿度の両方が急激に上がっていることが示されています。


そして、OVHのビデオ映像には、0時35分ごろにUPSから出火している様子が収められていました。


同時刻、UPSとは別室であるバッテリールームからも出火しています。これについて、BEA-RIは「ビデオ監視システムと消防による検分から、UPSとそれに接続されたバッテリーに電気的な障害が発生したことが判明しました。UPSとバッテリーは同じ部屋にはありませんでした」と説明しています。


BEA-RIはUPS故障の原因を特定していませんが、「当日朝に行ったメンテナンス作業による故障」「通常の動作範囲外でのUPSの動作」といった仮説とともに、「近くに冷却装置があり、これにより水や湿気があった」可能性を指摘しました。

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