小学生の時に買ったミシンやスタンプ台が現役だったり、高校のジャージをいまだに着てたり。時の流れに取り残された愛用品の話を集めました。
無意識にずっと使ってるものがある
こんにちは、編集部 石川です。
当サイトで4月にヒットした記事がこちら。
ライターのとりもちうずらさんが、小学生時代からずっと使っていたミシンを手放す前に、一緒に旅行に行くというロードムービー的な一本。エキセントリックと切なさの同居するたまらない記事でした。
さて記事も面白かったですが、小学生からずっと同じミシンを使い続けているのもすごい話。他のライターにもそんなものがないか聞いてみました。
元記事の筆者、とりもちうずらさんにもコメントをいただいています!
小学生~
まずはとりもちうずらさんのミシンと同じく、小学生から使っているもの。
ドイツ製のスタンプ台
買った人:
ほりべのぞみ
小学生の頃に買ってもらったスタンプ台を今でも使っています。購入から優に30年は経っているはずですが、あまり激しく使ってこなかったおかげで未だに当時のインクが残っています。インクって意外と干からびないものなんですね。
あと今日気づいたのですが、Pelikan社ってもともとはドイツの会社だそうです。そんなことは小学生の自分は知りませんでしたが、30年間回りに回ってドイツに戻ってきた感じです。(編集注:ほりべさんはドイツ在住)
この10年ほどはスタンプ台を使うことがあまりなかったんですが、最近またスタンプを作ったり使うようになったので、ガシガシ使っていこうと思います。
とりもちさんより:10年寝かせても使えるスタンプ台、たくましいです! インクが永遠ににじみ出てくる魔法アイテムみたい。このスタンプ台が、ドイツに行くことを暗示していたのでしょうか……! 小説だったら物語のキーアイテムになりそうです。
中学生~
続いて中学生。ここで服が登場します。中学生の服まだ着れるってすごい。
子供服卒業カーディガン
買った人:
さくらいみか
中1のころに買ったカーディガンをまだ着ています。(あ、来年で30周年だ……どうしよう)
さすがにヨレヨレなので、部屋着というか寝るときの温度調整用です。肌触りも滑らかで、着心地が良いので今後ずっと着ると思います。
自分の着る服が子供服からヤング向けの洋服屋(SUZUTANなど)に移行しつつあったころで、その年は「1シーズンに決められた価格の中から服を選んで良い」というシステムが導入されました。その範囲内で何が買えるか計算しつつ選ぶという、遠足のおやつを買うときのちょっと高額バージョンな感じです。
地元のピノ(という駅ビル)で、親が別の売り場を見てる隙に選んだこれは元々Tシャツ+カーディガンのアンサンブルで売られてたものだった……はず。(それすらもううろ覚え)
たぶんそれまで着てた子供服よりもちょっと大人っぽい服、という認識だったと思います。ヨレヨレだけど。
とりもちさんより:中学生でこんなに長く着られるデザインの服を選んでいるセンスがすごいです!服としての保存状態も良すぎて、去年買ったといわれても信じると思います。私は服を買いすぎる傾向にあるので、さくらいさんの服購入システムを即導入しようと思いました。
高校生~
高校生といえば部活。部活関係の遺物が増えてきます。そして受験に関する品も。
部ジャー
買った人:
伊藤健史
高校のサッカー部時代のジャージ、いわゆる部ジャーです。
なんかしらんが伝統を重んじる部風だったので、1993年当時でも部創立時(たぶん1960年代)のデザインを特注で作っており、鮮やかでシャイニーなジャージが流行する中、独特の渋味をはなっていました
メーカーはアディダスとかプーマではなくヤンガーという渋さ
とりもちさんより:縦書きなのがいいですね!!渋さがむしろオシャレで、ちょっと欲しいです。ヤンガーというブランドは初めて聞きましたが、高校生みんながヤンガー(若い)と書かれたジャージを着ている風景は、異様でいいなぁと想像しました。
部活の練習着
買った人:
高瀬雄一郎
20年ほど前に部活の練習着として買ったTシャツを、今も部屋着として着ています。
当時僕のまわりで着られていたスポーツ用Tシャツには汗を吸ってすぐに放出してくれるタイプ(でも布は少し湿る)と、汗は吸わない(自分でタオルでふく)けど表面はサラッとしているタイプの2大派閥があって、僕はサラッと派。その筆頭のようなTシャツだったので、肌ざわりがすごく気持ちいいんです。
先日、写真のように、恐い人に首ねっこをつかまれたような破れ方をしてしまいました。ジーンズなど外で着る服のダメージはおしゃれの可能性がありますが、ダメージ部屋着はただのボロ。捨てるか少し迷いましたが、気持ちよさが勝って「まだ着る」を選びました。
着心地 vs みすぼらしさの対決の始まりです。どこまで破れたら「さすがにもう着ない」になるのか、自分に注目しています。
とりもちさんより:
壊れたところをなおして長く使う人が多いと思うのですが、破れを縫わずにそのまま着続けていることに、経年劣化へのリスペクトを感じました。ダメージ部屋着がオシャレとしてブームになるまで着続けて欲しいです。
東大シャープペン
買った人:
りばすと
高校時代に買った東京大学のロゴが入ったシャープペンを今でも使っています。
当時大学受験のために色々な大学を見てまわった中で、せっかくなので東京大学にも行き、そしてせっかくなのでシャープペンを買って帰ったとかだった気がします。これで大学受験のモチベーションが上がった……というわけではなく、なぜか漠然と「このシャープペン使ってるなんて東京大学の人(学生)みたいだなあ」と思った覚えがあります。でも実際には自分の大学のグッズってそうそう買わないし使わないので、東京大学の人はまずこのシャープペンを使ってないんですよね。
この手のグッズって時期が過ぎると急に気恥ずかしくなる割に、実用性はあるので壊れない限り捨てづらくないですか?思えば中学受験の時も同じようにどこかの学校のロゴ入りシャーペンを買い、別の学校に入学後も使い続けていた気がします。そちらは流石にもう壊れてしまったので捨ててしまいましたが。
とりもちさんより:大学のロゴ入りグッズって、どの層に向けて販売しているのだろうと思っていましたが、受験生が買うんですね。実用的だし、「Tokyo」って書いてあるし、海外へのお土産にいいかもと思いました。「富士山」とか書かれてるマグネットより良さそうです。
社会人~
ここからは社会人になって以降に手に入れたもの。新卒のフレッシュな気分を思い出すものや、デイリーの古い記事に登場しているものも…!
新卒で買った名刺入れ
買った人:
石川大樹
この記事を書くにあたって「何かないかな…」と思って探したところ、普段づかいの名刺入れが、新卒当時に買ったものでした。20年…!
カラーレザーの色こそ褪せているものの破れたりはしていないので、古いことを意識せずに普通に使っていました。シミは雨に濡れた跡。こうして見るとそこそこボロいな…。
ほかに、大学時代に生協で買ったホチキスの芯もいまだに使っていたのですが、惜しくもつい先月捨ててしまいました…!
針自体は金属なので全然使えたものの、針を固めているノリが粉末と化してしまっており、詰め替えの際にバラバラになってしまうので廃棄処分となりました。
家でホチキスってそんなに使わないので廃棄時もまだ半分くらい残っており、「こんなに消耗しない消耗品ってあるんだ…」という気持ちです。
とりもちさんより:革は古くなるほど艶が出てかっこよくなりますよね!リチャードギアみたいなニクイ素材です。ホチキスのノリが粉末化したところは是非見たかったです……!気になるので、ホチキスの芯をしばらく放置しようと思います。
印刷会社の作業着
買った人:
トルー
十数年前に入った印刷会社の、工場の研修の時にもらった作業着なんですが、これを部屋着としてずっと着ています。
確かその作業着を着る部署に入る予定だったんだけど、なんか色々あってスーツを着る仕事になり、仕事中にこの作業着を着ることはほとんどありませんでした(研修中に別の部署に入りたいなあと思った僕が、人事の部長に留守電でそう伝えたら「そういうことは文書を通じてやるものだ」というお手紙をいただきました。そんなこともあって「なんか思ってたやつと違うな」という話になり、僕の希望ともまた違う別の部署になりました)。
機密情報を扱う部署だったので、ポケットが全て縫い付けてあって(USBを持ち出したり紛失したりしないように)、部屋着としてはすごく不便です。料理中に、子どもが折り紙を丸めたものをプレゼントとしてくれたりするとすごくポケットが欲しいんですよね。でも会社の思い出もあるからなんとなく捨てないでいるし、捨てないんだったら着た方がいいよなと思って着ています。
とりもちさんより:機密情報を扱う仕事の服って、こんなふうになっているんですね!!もしかしてスパイの服もそうなのでしょうか。実物を見てみたい!と好奇心をくすぐられる一品です。
ピクトさんの缶ペンケース
買った人:
伊藤健史
非常口ピクトさんの缶ペンケース、購入して10年ぐらいでだいぶボコボコになりましたがまだ使っています。収納力があるので文房具を雑に放り込んでいますが中には先代のペンケースから移動して来ているかなり古参のものもあり、製図用の三角スケールは20年が経過してもはや目盛りが消えて読めなくなっています。
かといって擦り切れるほど使い倒して魂が入ったのかというとそんな事は無くて、なんか入れておいただけでずいぶんと味が出ました。
道具にこだわってるっぽい雰囲気が滲み出ていてもその人は仕事ができるとは限らない、単に怠惰なだけかもしれないのだと身をもって学びました。
とりもちさんより:非常口に日常がしみ込んでいる感じ、もはやアート作品のようですね!廃墟の非常口にも見えて、本当に非常のとき駆け込んでいいのか不安になります。
GLAYのうちわ
買った人:
林雄司
またこの話をさせてください。2000年頃にHMVでもらった販促用のうちわをまだ会社で使ってます。幕張でのグレイのライブのDVDの宣伝です。DVDのほかにVIDEOと書いてあるところに時代を感じます。
残業時間になると空調を停められたのでうちわは必須でした。
なんとなくデスクの書類たてにさしてあって、事務所を引っ越すたびに書類と一緒にダンボールに入れて移動していました。2011年、新宿に事務所が移転したあたりから「このうちわ、ずっとあるな…」と気付き、2017年に会社が変わるときにはまっさきに荷物に入れました。社会人生活29年になりますが、そのうち22年をこのうちわと一緒に過ごしていることになります。
過去の記事で事務所で撮られた写真を見るとちょいちょい映りこんでます。
とりもちさんより:ディズニーランドのかくれミッキーならぬ、かくれGLAYですね。記事の内容より先にGLAYの映り込みを探す人が出てきそうです。見つけたらいいことがある的な都市伝説もそろそろ生まれてきそうですね!
丸太の輪切り
買った人:
安藤昌教
2017年の新人賞の授賞式で行った宮ヶ瀬ダムに、ご自由にお持ちくださいって書かれた丸太の輪切りがありました。たぶん周辺を整備した時に伐採した木でしょう。
何かに使うかなと手頃なサイズの物をもらってきたんですが、今でも鍋敷きとして毎日使っています。
とりもちさんより:家が一瞬でオーガニック系カフェのようになりますね!やすったりしていない素朴さがすてきです!バーベキューに持っていったら、いざという時の火力にもなりますね。鉄瓶が立派すぎて驚きました。鉄瓶とも長い付き合いになりそうですね!
服は残りがち
いろいろ出ましたが、圧倒的に多いのが服ですね。体になじんだ服は20年以上着がち。そして他人の20年以上前の服にもれなくポジティブコメントをつけてくれる、とりもちうずらさんの人の良さにも感服しました。ふだんからこういうマインドで生きているからあんなに心にしみる記事が書けるのかもしれませんね…。
見習います。今日から。