手羽先で有名な「世界の山ちゃん」には店舗によってランチメニューがある。
その中の「手羽まぶし」がとにかく最高すぎてやみつきになってしまいそうなので助けてください。
手羽先の話をしよう
一般的に手羽先というと鳥肉の一部だが、名古屋ではジャンクフードの一種として人々の暮らしにとけこんでいる。
そんな名古屋ではいたるところで手羽先を食べることができる。なかでも「山ちゃん」と「風来坊」が二大巨頭ではないだろうか。
そんな「山ちゃん」にまさかのランチメニューができていた。
どうしてまさかなのかというと、名古屋の手羽先というのは基本的にビールのつまみだからである。むせるほどコショウの効いた手羽先の唐揚げをバリバリ食べながら、ビール片手にドラゴンズを応援するのである。
そんな山ちゃんがランチをやっているという。昼間からビールにドラゴンズだろうか。おまえ大丈夫か。怖いもの見たさで入ってみた。
山ちゃんのランチメニューは主に上の4つ。もちろんふつうに手羽先とビールも注文できるが、ランチメニューというだけあって基本的に仕事の合間に食べても大丈夫な内容となっていた。どうせ夜にまた来るのである。ビールと野球はその時でいいのだ。
ランチメニューはどれも相当に魅力的だが、中でも目を引いたのがこちら
手羽まぶしである。
もちろんそんな料理は初めて聞いた。原型は名古屋名物「ひつまぶし」だろう。
「ひつまぶし」は正統派名古屋めしの一つ。うなぎのかば焼き飯なのだけれど、うなぎが細く刻まれていて、途中からお茶漬けにできるよう出汁がついてくる。
世界の山ちゃんはこれに目を付けた。うなぎにできて手羽先にできないことがあろうか、と。
正直(手羽まぶしって…)と思ったが、これはいっちょ山ちゃんにかけてみようじゃないか。注文した。
手羽まぶしが出てくるまでに山ちゃんのちょっといいところを紹介したい。
まず箸袋である。
折り紙が折りあがったちょうどそのころ、「手羽まぶし」が到着した。
ふたを開けたら高まりすぎて気絶しそうになった。
手羽先は食べやすいように骨から外されていた。これだと鳥の唐揚げ丼と変わらないのでは、と思うかもしれないが、食べてもらえばわかる。ぜんぜん違う。
まずはそのままの状態でいただく。
むせるくらいのコショウとサクサクに揚った手羽先、これに適度に濃いタレがかかってごはんにばかみたいに合うのだ。酔っぱらって夜中に開けてしまったポテチくらいの引力。夢中で食べた。手羽先を食べているのか手羽先に食べられているのかわからなくなっていた。
正直こんなのどこまででも食べられてしまうんだけど、せっかくの手羽まぶしである、途中でお茶漬けにしてみた。
これをさらさらさらーっと行くわけですが
これが思わず声が出る美味さだった。
手羽先オンザごはんの状態では、そのジャンクな味付けが人々を魅了していたわけだけれど、お茶漬けにしたとたんに上品な一品に変身するのだ。この芸達者ぶり。まさか手羽先と出汁がこんなに合うとは。本気でもう一皿いってしまおうかと悩んだくらいである。
というわけでランチメニューのある山ちゃんを見つけたら、ぜひ手羽まぶしを食べてみてください。
手羽まぶし、最強説
手羽先をごはんに乗せただけでも革命なのに、さらに出汁をかけてお茶漬けにしてしまうとは。その発想、行動力、美味しさ、すべてにおいてまいりました。
山ちゃんは手羽先のポテンシャルを5倍くらい広げてくれたと思う。また行きます。