先月の話になるが、ついに新型コロナウイルスに感染してしまった。最初は喉が少し痛いかな? という程度だったが、翌日のWeb会議中に急激に体調がわるくなり、そのまま高熱でダウンした。オミクロン株は無症状の人も多いというが、筆者の場合は解熱剤を飲んでも38℃を下回らず、朝になると37℃台まで下がるが、夕方になるとまた熱が出てもうろうとするのを繰り返した。4日目にやっと熱が下がったが、その後も激しい喉の痛みや咳、頭痛などが続いて、回復を実感できたのは1週間後だった。そこで今回は、コロナの自宅療養に備えて、テレワーク中の自宅に準備しておきたいものについて記していきたい。
なお、本稿は筆者の経験に基づいたあくまで一例であることをご了承いただきたい。症状の度合いは人によって異なるし、感染者数の増減による医療機関の逼迫度も変わるだろう。病状に対する対応なども自治体や医師の判断で異なる可能性もあるので、実際に感染した場合は、医師や保健所の指示に従っていただきたい。
ただ、体感としては、特に最初の2~3日は発熱で意識がもうろうとしていて、思考がまとまらない状態だったので、その数日間だけでも何も考えなくてよいぐらいの準備をしておくことは、無駄にはならないと思う。
テレワークが定着した昨今、INTERNET Watchの編集部スタッフやライター陣も、それぞれの仕事環境を改善すべく日々工夫を凝らしている。この連載では、そんなスタッフが実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズのレビューをリレー形式で紹介していく。今回は、テレワーク中にコロナの症状が現れた編集部員が、自宅療養になった時のために備えておいたほうがいいと思ったグッズを紹介する。
コロナになったらどこを隔離部屋にするか?
筆者はほぼテレワークで、平日に外出したり公共交通機関を使うことはほとんどない。症状が出た前の週末も、家族だけで近所に出かけてはいるが、外出時は基本的にマスクをしていたし、店に入るときも手指消毒をしていた。2歳児がいることもあって感染対策には気を遣っているつもりではあったので、「これでも感染するのか……」というのが正直な感想だ。
ワクチンについては、モデルナを2回接種済み。3月には3回目を打てる時期になっていたのだが、ちょうど年度末で忙しく、さらにまん延防止等重点措置が解除された安心感もあって後回しにしてしまっていた。
風邪というよりはインフルエンザのような急激な体調の悪化に、コロナの可能性が頭に浮かんだ。まず考えたのは感染をそれ以上広げないことだ。1人暮らしであれば心配ないが、家族がいるので隔離できる部屋を確保しなければならない。筆者の場合、もともと客間だった和室を仕事部屋にしていて、来客用の布団などもあったので、仕事部屋がそのまま隔離部屋になった。
これは間取りによるが、できるだけ余計な動線を通らずにトイレに行ける部屋がオススメだ。家族へ感染を広げないため、できるだけ部屋にこもっていたいが、それでもトイレにだけは出なければならないからだ。
また、ストックしてあった手指消毒用のエタノールを部屋に用意し、部屋から出るときはマスクと手指消毒を徹底した。さらに除菌できるウェットティッシュをトイレに置いて、トイレに行ったら除菌ティッシュで触ったところを拭きながら部屋に戻るようにした。大げさに思われるかもしれないが、特に熱でもうろうとしているときは、正しい行動がとれなくなっているので、やり過ぎるぐらいにやっておいた。
また、タオルも家族と共有するのはよくないので、自分用のタオルを用意。食事などは扉の前に置いてもらって、家族と直接顔を合わせないように。熱が下がってからはお風呂も入ったが、一番最後に、家族が寝てから入り、掃除をしてから出るようにした。
実際のところ、どれが有効でどれが無意味だったのかを判断する術はないが、幸い家族には感染を広げずに済んだようだ。
コロナになったら同居家族も外出自粛! ネットスーパーなどの下調べを
コロナがやっかいなのは外出ができなくなることだ。本人は症状が出た日を0日として10日間(症状によってはさらに長引くことも)外出できなくなるが、加えてオミクロン株では同居の家族も全員濃厚接触者という扱いになる。濃厚接触者については、症状がなくても隔離を初めてから1週間は外出自粛を求められる。もしも時間差で家族の誰かが感染すれば、ほかの家族はそこからさらに7日間外出できなくなる。
そのため、食料などの備蓄を備えておくと同時に、ネットスーパーなど、外出しないで食材を取り寄せる手段を用意しておく必要がある。我が家の場合は、もともとネットスーパーの「Oisix(オイシックス)」などを使っていたので、この点は問題なかったが、普段使っていない人も、いざというときのために下調べぐらいはしておいたほうがよいだろう。
1人暮らしであれば、「Uber Eats」など非対面で支払までできるサービスもよいだろうし、もしも奥さんがダウンしてしまって、自分が料理しなければいけなくなったような場合には、必要な食材や調味料がまとまったミールキットの宅配サービスなどもあるので、料理が苦手な人は活用してみてもよいだろう。
あとは、とりあえずすぐに食べられる食料と水も用意しておきたい。これは防災面でもあったほうがいいものだが、コロナの場合、火や電気が使えないのではなく、調理をする体力がないので、調理不要ですぐに食べられるものを用意しておくのがよいと思う。特に喉が痛いので、乾いたタイプよりも「えいようかん」のようなほうが食べやすいだろう。また、水なども押し入れの中にしまっておくのではなく、隔離する予定の部屋に何本かだけでも置いておくようにするのがオススメ。ウイルスは喉が乾燥した状態を好むそうで、まめに水分補給をすることと、加湿器の利用なども有効だという。
なお、濃厚接触者である家族については、感染対策をした日を0日として7日間の外出自粛となるが、薬事承認された医療用抗原検査キットを使って4日目と5日目に検査を行い、陰性になれば、5日目から外出することも可能だ。ただ、この医療用抗原検査キットが一部の薬局でしか販売していないため、外出できない状態では入手するのが難しい。
神奈川県の場合は「抗原検査キット販売薬局検索システム」というサイトがあって、近所の販売薬局を調べることができる。今回の筆者の場合は、その頃はまだ頭痛がひどく、正直そこまで頭が回らなかったが、近所に頼れる親戚などがいるなら、買ってきてもらうというのも手かもしれない。
体調の確認は1日1回のLINE。頼れるのはかかりつけ医
高齢者でもなく基礎疾患もない筆者の場合、基本的には自宅療養となる。そのためPCR検査以降、家からは出られず、陽性の連絡も電話のみ。神奈川県の場合、体調の確認はLINEを使って1日1回答える形だ。よほどの事がない限り、基本的には病院に行くことはできない。
何か問い合わせたい場合は電話となる。窓口は体調不良時の緊急用「コロナ119番」と、全般的な問い合わせ用の「療養サポート窓口」の2つ。
一度「血痰」が出たので、不安になって相談しようと思ったのだが、緊急というほどでもないので、コロナ119番ではなく、療養サポート窓口の方に電話をした。その頃は感染者が増えていたタイミングということもあるのだろう、なかなか繋がらず、やっと繋がったと思ったら、病状に関することは看護師から折り返すとのこと。そして看護師から連絡が来たのは半日後という状況だった。
決してそのことに不満を言いたいのではない。看護師さんが折り返し電話をくれたのは夜19時ごろだったが、より緊急性の高い人の対応をしていたのだろうし、その時間でも翌日にはせずに連絡をくれたことにはむしろ感謝しかない。
ただ、療養サポート窓口がパンク状態だったのは事実で、ちょっとしたことを電話して気軽に相談できるかかりつけ医の存在が重要だと思った。
これまでだと、仕事帰りなどに寄れる会社の近くの病院にお世話になることが多かったが、在宅の時間が増えた今、家の近所に頼れる病院を持っておいたほうがいい。また、最近では発熱患者の受け入れを時間限定で行っている病院も多いので、病院に向かう前に電話で確認したい。
ちなみに筆者の行った病院ではPCR検査はできず、翌日近くの大病院で検査することになった。診察してくれた医師によれば、最近のPCR検査の陽性率は3割程度なので、陰性になる確率もまだあるとしつつも、喉の痛みと発熱はオミクロンの特長なので、筆者の症状からすると陽性になりそうだとの話だった。
翌日PCR検査に行くと、そこにいたのは昨日の医師だった。自分の病院が休診の日には、こうして大病院でPCR検査の手伝いをしているわけだ。まったくもって医療従事者の方には頭が上がらない。さらに検査の結果は2日後以降との話だったのだが、翌日には陽性の電話連絡が来ることになる。
風邪薬は多めに準備
コロナの治療薬は徐々に増えてきているようだが、実際には高齢者など一部の人に限定されていて、40代で基礎疾患のない筆者に出されたのはいわゆる風邪薬だ。当初は喉の痛みと発熱だったので、喉の炎症を抑える薬と頓服薬としての解熱剤が処方された。
夜間や休日などすぐに病院に行けないこともあると思うが、その場合は市販の解熱剤でもよいそうなので、覚えておくとよいだろう。
また、筆者の場合、4日目、熱が下がったころから咳がひどくなったが、後から病院に薬をもらいに行くことはできないので困った。
幸い家の薬箱には市販の咳止めがあり、処方された薬と飲み合わせにも問題がなかったので、それを飲んで場をしのぐ。Amazon.co.jpなどでも薬は頼めるがそれでも届くまでに1日~2日はかかってしまうので、まずは常備薬として咳止めや解熱剤を備えておくことが大事だと思った。
家族がいる人は体温計も複数持っておいたほうがよいだろう。1つは自分が使ってしまっているので、家族が少し調子がわるいと思ったときのためにもう1つあっても困らない。もしも新たに買うなら、できるだけ早く計測できるタイプがオススメだ。我が家にあったのは古いモデルで計測に1分以上かかっていたのだが、今回買ったのはわずか20秒だ。高熱の時は体温を測っているのもつらいので、計測時間が短いのはそれだけでも助かる。
1週間でほぼ回復、体力は落ちたけど無事復活
結局最後の3日間は少し咳が出るぐらいでほとんど元気になった。症状が出てから10日間、さらに最後の3日間に発熱などがなければ、11日目からは晴れて外出ができるようになる。10日すれば、仮に咳が残っていても他人を感染させることはないそうだ。
こうして無事、家族に感染を広げることもなく、筆者の自宅療養は終わった。寝ている時間が長かったので、筋肉が弱っている印象だ。まずは近所の公園まで散歩してみたが、姿勢がわるくなったし股関節の辺りが筋肉痛になった。まぁ無理せず回復させていこうと思っている。それと自分が介抱する側になったときのために、料理も覚えなければと思っている。
ここ最近は感染者数も減少傾向にあって、このまま落ち着いてくれればと願うばかりだが、もし感染したときには本稿がその一助になれば幸いだ。