オテル・ド・クリヨンのレクランでディナー。
クリストファー・アシュがやめちゃったあと、サヴォワ地方で活躍していたボリス・カンパネラが2019年秋からこのエレガントなレストランのシェフを務めてる。数ヶ月後からコヴィッドでずっと閉鎖していたのが、去年秋にようやく再開。
再開に際し、クリヨンのシェフソムリエ、グザヴィエ・チュイザがワインを主役にした新コンセプトを披露しているというので、久々に高いヒールの靴履いて出向く。
久々のレクラン、嬉しいな。大好きなシャンパーニュグラスに注がれたフィリポナ1522ロゼ’12で乾杯したあと、まずはワイン選び。
”赤、軽めでフルーティー、春らしいイメージ、飲んだことないような面白いものがいいな”というリクエストに、”じゃあ、春をテーマにしたディナーにしよう”、と、グザヴィエが選んでくれたのは、Statera ’15。ロワール地方はナント近郊産のピノノワール。へぇ、こんな地域でピノ作ってるのねー。しっとりしなやかでチャーミングなピノ。もちろんビオ。
これにあわせて、どんな料理が出てくるのかな。楽しみ~。
まずは、マテ貝&ザル貝にニョッキ、クレソン、行者ニンニク、ペルミジャーノ。”ピノに行く前に、日本酒も合うのでいかが?”と、フランスにおける日本酒の第一人者グザヴィエが出してくれるのは、”白鷺の城”。貝やペルミジャーノとまろやかな米の風味が溶け合う。四国で作られているというころんと丸いグラスもいいね。
そのまま、ピノノワールへ。気持ち冷えた軽やかで芳しいピノとの相性もマル。
続いてのマリアージュは、パリッと焼いたタイにビスクソース。付け合わせはとろり甘いじゃがいもに同じビスクソースを絡めたもの。香ばしくもまろやかなソースとの相性もかなり素敵。
ベルナール・ロワゾーの名作だった“サンドル(淡水スズキ)の赤ワインソース”にブルゴーニュのピノたちが完璧に寄り添っていたのを思い出す。そういえば、グザヴィエは、ベルナール・ロワゾーで修業してたっけ。
最後は、仔羊肩肉コンフィとカブのコンフィ。上品なスパイシーさが、これまた爽やかなピノにピッタリ。マリアージュってほんとに素晴らしい♪
色々フロマージュとルーバーブのデセールには、キレのよい甘口(なんだったか忘れちゃった。)
そして最後は、耐熱グラスに注がれたアンフュージョン。
初めにワインありき、が実現する素晴らしきマリアージュを堪能し、グザヴィエのワイン談義を楽しみ、25年来かわいがってもらってる大好きサーヴィスマンと昔話に花を咲かせ、美しきレストランでご機嫌な時間。やっぱりガストロノミーレストランっていいな♪
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年5月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。