いつだって勝ちたいのでカツ丼を食べます。
とんかつと玉ねぎをめんつゆで煮て、それを卵とじにすればカツ丼の完成である。縁起をかつぐために勝負の日に食べる人もいると思う。
そんなカツ丼だが岐阜県には色々なカツ丼があると聞いた。えー、今の時代、そんなに珍しいものなんてないだろうと思い、確認をするために食べに行ったら、変わっていたので紹介させて頂いてもいいですか? いいですよ。
出汁がガツンとしている「しょうゆカツ丼」
最初にやってきたのは岐阜県中津川市。気合いが入りすぎてお店の営業時間前に着いてしまったので周りに何かないかを散策すると中山道があった。江戸時代に整備された五街道のひとつで東京から京都を結ぶ道である。お腹をより空かせるために歩いてみよう。
写真を撮りながら進むと登山リュックを背負った人が通っていく。そんな険しい道になるのか。奥へと進んでいくときれいな川へと出た。
ご飯の時間になったのでお店に行く。「五万石」というお店だ。なかなかの兵力。信長の野望をやりたい気持ちになった。
そこで食べるのがしょうゆカツ丼。耳なじみがない言葉である。とんかつにソースをかけようとしたら、間違ってしょうゆをかけてしまうことがあるが、そういうやつか。余談だがしょうゆマヨネーズでとんかつを食べるととてもカロリーな味がするのでやってみてください。
期待にドキドキしながら待っているとカツ丼がやってきた。初めてのデートで彼女がやってきたぐらいニコニコしていたと思う。これがしょうゆカツ丼か。第一印象から決めてました。付き合って下さい。
食べるとたれがかけたてなのでかつはサクサクだ。そして、そばつゆの出汁がガツンと口の中に広がってくる。元々のおいしいのに昨日の夜から何も食べてないので、通常の3倍おいしい。
店員さんに聞いたところ、中津川市の名物として他の店舗にもこのしょうゆカツ丼は提供されているがここが元祖らしい。それぞれで味が違うので食べ比べてもいいかもしれない。
この後、行こうと思っていたお店が3軒休みだった。すごいなと思った。意味のない岐阜旅行をした時間だった。
三位一体の「てりカツ丼」
次の日、営業時間と定休日を確認してお店にきた。営業している喜びをかみしめています。
とんかつやハンバーグなどを提供するお店。昼に行ったら満席で少し並んでからお店に案内される。
注文してしばらくするとカツ丼がやってきた。また見たことのないカツ丼だ。でも、わかる。おいしいやつだ。
デミグラスソースがかかっているこちらのカツ丼。甘みと酸味がある洋風ソースの味でカツ丼を食べている気がしない。なにを食べているのかと聞かれたら、なんだろう、洋風のカツ丼?
カツの下にはキャベツがしかれている。キャベツで味が薄くなると思ったが、そんなことはなく、キャベツのシャキシャキがよい。逆にあった方が良い。
カツとキャベツとこのソースの組み合わせのバランスがよくて、全部の良さが出ている。さては岐阜のカツ丼のレベル、高いな。
食欲がないときでも食べられる「あんかけカツ丼」
まだまだある岐阜の変わったカツ丼。続いてのお店は瑞浪市にある加登屋食堂。瑞浪駅から歩いて3分ぐらいなので駅を降りてすぐにカツ丼を食べたい人にもおすすめ。
店内のお客さん全員があんかけカツ丼を頼んでいる。みんな、あんかけられたい人生なのかもしれない。今日はみんな無礼講だ、あんかけられよう。
こちらがあんかけカツ丼。巨大なカツに溶き卵が入った和風のあんがかけられている。
食べたい気持ちがおさえきれない人は気をつけてほしい。熱さがすごい。でも、それをこえるおいしさ。和風の出汁の香りがぶわーっと口の中に広がって、そこにカツの肉汁がうま味があふれ出てくる。
あんかけのおかげでするすると口の中に入っていくので、食欲がないときにも食べられる。風邪をひいたときに出してほしいカツ丼である。でも、本当に風邪をひいたときに食べたいのはみかんゼリーかもしれない。
メレンゲみたいなカツ丼
続いては大垣市にやってきた。
朝日屋というお店だ。営業時間に間に合わなそうだったのでタクシーに乗ったら「朝日屋って2店舗あるんですよ。どちらに行かれます?」と2択を迫られたが、勘で答えたお店にやってきた。本当は「ちょっと待ってください!」と言ってちゃんと調べてから伝えた。そういう撮れ高はいらないと思ったから。
メニューを見ると「酢なし中華」というものがある。冷やし中華から酢を抜いたものだと思ったら、冷やしラーメンのようなものであるという。頼みたかったがこの日、すでにカツ丼を2杯食べているので、また来たときに食べようと思う。もしくは近くのお客さん頼んだら、もらおう。
卵とじではなく、メレンゲのようなたまごがカツの上に乗っている。待っている間にシャカシャカと音が聞こえたが、これを作っていたのだ。
たまごと一緒にとんかつ、ご飯をほおばる。甘めの味付けのたまごにしょうゆたれのカツのうまさったらない。行列になることも多いらしいがそれもわかる。おいしいから。
玉子がのったソースカツ丼
先ほどの店から40分ほど歩くと今度は鶴岡屋本店というお店がある。ここにも珍しいカツ丼がある。
ここで食べるのはソースカツ丼だ。福井県のB級グルメで有名ではあるが、ここのソースカツ丼はちょっと違う。
ちなみに目玉焼きは上ヒレカツ丼にするとついてくるのでつけた方がいい。
お店のページにある紹介文を抜粋すると、
「先代が戦時中に初めてデミグラスソースの味を知り、そのおいしさを再現しようと、戦後間もないころに考案されました」と書かれている。昔にできたものが今にも続いてるのは、おいしさの証拠だ。
ソースの甘辛さが絶品である。お腹いっぱいだったけどおいしすぎて食べられた。おいしいものって別腹ですね。
二つの味が楽しめるカツ丼
そういえば岐阜県の隣には愛知県がある。愛知かー、味噌カツが食べたいなー。
一楽というお店だ。「前に違う場所にあったときにはよく行っていたのだけど、ここになってから初めてきたの。おいしかったわ」とお年を召した女性客が言っていた。自分も年を取ってもカツ丼を食べたいものだ。
あと、自分が赤だしを頼んだら続いて2人ぐらい続いた。赤だしブームの到来である。
味噌だれの甘さが剛速球でやってきたあと、閉じた玉子の出汁の香りがふんわりと味わえる。普通のカツ丼も食べたいが味噌カツも食べたい、そんな欲張りな人にもおすすめなカツ丼である。
色々なカツ丼がある
たぶん、行ったお店以外にも変わったカツ丼があると思うがもう食べきれないので今日はこれぐらいにしておこう。
岐阜、変わった食べ物が色々とあるので近いうちに来ます。