アマゾン最低評価の「1399円のアクションカメラ」は昭和のホームビデオ以下のクオリティだった。死ぬほどブレるし荒れるため、たとえ爽やかな桜並木で撮影しても心霊ビデオのような映像になってしまうのだ。レトロな恐怖映像を撮影するくらいしか使い道が思い浮かばない。
そして今回購入したのは、アマゾン最低評価の4Kカメラ付きGPS搭載のドローン(5240円)である。なんでも「プロの画質を得ることができ、簡単に大きな映画を作ることができる」らしい……大人気ドローン「DJI Mavic Mini」と比べたらこうなった。
・価格差は約10倍
商品名は「GPSドローンE88大人用4Kカメラ付き折りたたみ式GPSドローン、ブラシレスモーター付きクワッドコプター、ロングコントロールレンジ、1バッテリー付きライブビデオドローンRCクワッドコプター航空」である。中国から約1カ月かけてやってきた。
おそらく「太極拳」と書いてある紙で商品を包んだのだろう(なんでだよ)。開封すると……
収納バッグが出てきた。
外箱はなし。収納バッグに太極拳の紙を巻いただけのシンプルな包装である。中国ではこのまま売っているのだろうか。また1つ気になったことがあって……商品が我が家に届いたタイミングで、Amazonから商品ページが消えたのだ。偶然かもしれないが嫌な予感しかしない。
中身を確認すると、ドローン本体、送信機、予備プロペラ、説明書(英語・中国語)等が入っていた。さっそくフライト準備に取り掛かろう。
まずはドローン本体からバッテリーを取り出して充電を行う。
送信機には単3電池を3本セットする。スマホには説明書に記載されているアプリをインストールしておく。充電が完了したら準備OKだ。
それではいよいよ勝負である。
・DJI Mavic Mini
約5万円の「DJI Mavic Mini」と約5000円の「商品ページが消えたドローン」を順番に飛ばしていくぞ。マビックミニは12MP(1200万画素)の空撮写真と、2.7Kクアッドの動画撮影に対応し、鮮明でなめらかな映像を撮影できるのが特徴だ。
実際に飛ばしてみると……
ブイーン(離陸)
スーッ(撮影)
スチャッ(着陸)
ボタン1つで離陸と着陸が可能。でもって、GPS機能を搭載しているため自動ホバリング(空中で静止する)できるのも便利だ。訓練は必要だが、比較的安心して使用できるだろう。地上からは撮れない美しい景色を撮影できる。うむ、写真も動画もいい感じ。
・つづいてAmazon最低ドローン
つづいて商品ページが消えたドローン。電源を入れてスマホとWi-Fi接続してからアプリを開くと……ドローンの映像がスマホ画面に表示されるはずなのだが、何も始まらない。
おかしい。なぜだ。
と思っていたら……
いきなり飛び立って川に墜落した。
…………
マジかよおい。
あまりにも突然の出来事だった。とても残念だが仕方ない……しっかり乾かしておこう。なお、濡れている状態で電源を入れるとショートしてしまうので要注意。
その後、このドローンが飛ぶことはなかった……が! カメラだけは無事だった(しかもたまにアプリと連携できるようになった)ので、後日ふたたび同じ撮影地へ。噂の4Kカメラで写真と動画を撮影してみることに。おし、頼むぞ。
んで、どのような映像が撮れたのかというと……
またもやホームビデオ以下のクオリティだった。古びたビデオテープを再生しているみたいだ。温泉街のスナックでカラオケを歌っているような気分も味わえる。
写真も……
ガラケー時代を思い出すレトロな画質。空を飛んでまで撮影する意味ねぇぇええええええ。ってか、これのどこが「プロの画質」なのだろうか。なめんなよ。
・とりあえず今は買えない
何度も言うように、現在(2022年5月11日時点)商品ページが存在しないため、Amazonで同商品を購入することはできない。ま、ページがあったところで買う人はいないだろう。
ちなみに、安すぎるドローンは操縦が難しい(飛行が安定しない)ものばかりなので、テキトーに手を出すのはおすすめしない。以上、ドローンに興味がある方の参考になれば幸いだ。
参考リンク:DJI Mavic Mini
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.