「汁の染みた米はすき家の方が好きだけど、肉は吉野家のほうが好きかな」
ある時、筆者の友達が牛丼屋の話をしている時こんなことを言い出した。3大牛丼店にはそれぞれこだわりがあってその味や食感は様々であり、何が好きかは人によって大きく変わる。
あれ? じゃあこれ分解して融合して自分の思う最強の牛丼作れば優勝じゃね? やってみたら意外な組み合わせが最強だった……。
・さっそく買ってきた
思い立ったら即行動、速攻で3店の牛丼を集めてきた。
こうして集めてみると、箱とかにもけっこう違いがあって面白い。松屋はセブンイレブンの丼モノみたいに、肉と米が別の容器に入ってて直前にかけるスタイルのようだ。
そして御開帳。う~~~ん、やっぱり牛丼の匂いはソソるが、ここは一旦ガマンガマン。
我慢しながらこれをシュタタタっと分解して……
できた! こんな感じに分解したぜ!
こうやって見ると同じ牛丼ミニのつゆだくでも全然違うな……。最も汁たっぷりなのはすき家だし、最も玉葱の色が濃いのは松屋だし、肉の量が最も多いのは吉野家だ。三者三様それぞれが自分の良さをアピールしてきているように感じる。
・実験開始!の前に
今回は3つの牛丼すべてが参加するように作成した。つまるところ吉野家の肉 / すき家の玉葱 / 松屋の米みたいな3つの要素が入っているのはOKだが、吉野家の肉 / 吉野家の玉葱 / 松屋の米のような “2つしか要素がないパターン” は、今回ナシとする。
・それじゃあ気を取り直して……
全6パターンの評価バチバチかましてくぜ!
パターン①(すき家の肉 吉野家の玉葱 松屋の米)
びっくりするほどすき家の肉が強かった。吉野家の玉葱が時折顔をのぞかせるくらい。松屋の米はかなり圧倒されていたようで完全に隠れてしまっていたのはかなり残念。
パターン②(すき家の肉 吉野家の米 松屋の玉葱)
先程激烈に強かったすき家の肉に対して、味しみ+シャキシャキという武器を手に松屋の玉葱が参戦。味がぶつかり合うかと思いきや、いい感じに強すぎるすき家の肉の味を玉葱がサポートしており全体的にバランスのよいパターンとなった。
パターン③(すき家の玉葱 吉野家の肉 松屋の米)
圧倒的吉野家牛肉パワー。前者2つはどことなく味にイビツな感じがあったが、吉野家の肉が大きく玉葱と米を抱擁することで味にまとまりが感じられた。結構よかったが筆者の求める3牛丼が手を取り合った奴はまだ出て来ない。
パターン④(すき家の米 吉野家の肉 松屋の玉葱)
究 極 牛 丼 ここに爆誕。吉野家の牛肉が全体の調和をもたらし、松屋の玉葱がアクセントと味に絶妙な変化をもたらす。そして汁の染みたすき家の米の甘みもしっかり存在感をかもしだしており心地よさすら感じる。ひとつ前で「出てこないな」とは書いたけど、すぐ出てくるのは反則じゃない? シンプルにビビった
パターン⑤(すき家の玉葱 吉野家の米 松屋の肉)
最初に飛び込んできたのは松屋のストレートな醤油の効いた味。後にすき家の玉葱の味がほんのりと伝わってくるが、吉野家の米はかなり埋もれてしまっている。すき家も吉野家も結構甘めの味つけなので松屋のガツンとした味は他の味をかき消してしまうかもしれない。
パターン⑥(すき家の米 吉野家の玉葱 松屋の肉)
ん? いや……は? 私は一度自分が食べたものを確認した。何ならこの組み合わせを理解できなくて3回食べた。あれ? これ本当に融合体だよな?
食べた瞬間に走ったのは強烈な違和感ではなくまさかのその正反対の、完璧な一体感。パターン④のときに感じた旨味とは また別のこれは “こういう商品としてあるのでは?” と感じるほどのクオリティ。
融合としてはこれが一番の成功である。そう確信せざるをえない。それくらい美味かった。
・最強は……
というわけで今回の検証の結果は、パターン⑥(すき家の米 吉野家の玉葱 松屋の肉)が一番のパワーを持っているということになった。
もちろんパターン④(すき家の米 吉野家の肉 松屋の玉葱)も十分なパワーを誇っていたが、パターン⑥を食べたあとだと何故か違和感があるようになった。
あと④と⑥どっちにもすき家の米が入ってるから、すき家の米のポテンシャルはかなりあると考えられる。
・そんな機会はないと思うけど
ということで、もし3つの種類の牛丼が揃う機会があったら、読者の皆様も是非いろいろ試してほしい。今回はトッピングなどに関しては行わなかったが、ねぎたまやチーズなども混ぜてみると、さらに面白い体験があるかもしれない。
引き続き融合調査は行っていくつもりなので何か面白い案があったら連絡してくれ!
執筆:MG小川
Photo:RocketNews24