ホワイトニングをしてきた。歯を白くするやつだ。
24時間は色のついたものを食べちゃいけないらしい。
色のない食べ物ってなんだろう。
豆腐、えのき、マロニー、ねぎも下の方は白いな……
お鍋だ。お鍋にしよう。
ホワイトニング鍋をつくります。
「白って200色あんねん」
鍋をつくる前に少しだけ歯の「ホワイトニング」について話がしたい。
近年、日本でもホワイトニングをしている人が増えてきている。
歯医者さんでチラシが置いてあるのを見たことある人も多いのではないかと思う。
今回筆者が受けたのはオフィスホワイトニングと呼ばれる、歯医者さんで白くしてもらうタイプのもの。比較的即効性が高いといわれている。
他にも、ホームホワイトニングという、マウスピースをつくって自宅で行うタイプや、最近だとサロンに行って自分で行うタイプのセルフホワイトニングという方法なんかも出てきている。
どうしてホワイトニングをしたかというと、もともとの歯の色が暗いのが気になっていたからである。
歯の色のスケールであるシェードガイドなるものがある。
アンミカが「白は200色ある」とテレビで言っていたが、その一部が垣間見えるようだ。
このシェードガイドでいうと、筆者は日本人の平均より1つ暗いB4であった。
今回のホワイトニングでA1まで明るくなったと歯医者さんは言ってくれた。でも多分これは一番白い前歯のことだ。横の歯はもうすこし暗めに見える。
とはいえ、全体的に白くなった実感はある。
鏡を見るたびにやったぜ白いぜ!となるし、お化粧がもっと楽しくなったので、やってよかったと思っている。
色のないポン酢をつくる
ホワイトニング直後の注意事項として、24時間以内は色の濃い飲食物を控えるようにと言われた。
基準として、白い洋服について取れにくいものは控えてくださいとのことだ。クリームパスタやシチューでもいい。
でもどうせならできる限り色のついていないものだけを集めて食べたい。わたしはこういう、自分に意味のない枷をつけることがすき。
というわけで今回はお鍋をつくると決めた。水炊きでいいだろう。
しかし問題はポン酢である。色の薄いポン酢が存在することは知っているが、もっと高みを目指したいのだ。
ポン酢は醤油と柑橘類とお酢でだいたいできている。
色のない醤油を手に入れる必要がある。色のない醤油なんてあるのか。
麦茶と間違えてめんつゆを飲んでしまった、なんて話を夏のあるあるとしてかつて耳にしたものだが、今この瞬間、水と間違えてポン酢を飲む可能性が生まれた。恐ろしい時代だ。
色のないメシを食う
ポン酢さえ完成すれば、あとは白い具材をいれるだけ。今回のメンバーを紹介するぜ!
思いのほか普通の鍋にいる者たちがそろった気がする。はんぺん、こんにゃく、鶏むね肉以外はほぼスタメンといったところか。
鶏胸肉なのは、なんとなくもも肉より白いイメージがあるから。
あとから調べて知ったことだが、豆腐のイソフラボンは実は赤ワインに含まれるポリフェノールの一種であり、歯の着色に影響があるらしい。痛恨のミステイクであった。あんなに白いのに!
めげずにグツグツしていく。おいしいお鍋をつくるんだ。
昔、中学校の先生が「夢の中は白黒だ」という前提のもと話を進めていってかなり怖かった思い出がある。先生の夢の中ではお鍋はこんな感じだったかもしれない。
具材から出汁が出てしまったのかつゆが茶色っぽくなってしまった。
普段ならうまみがありそうでおいしそうと喜ぶところだが、今回ばかりはへこんでしまう。
ここまでやってみて思った。なんかこう、感動がない。
まずそうに見えるといったことはないが、おいしそうにも見えない。
料理に彩りが大事というのは聞いたことはあったが、本当にそう思う。
色のないメシを食べるということは、彩りのある食事に感謝をするということなのかもしれない。
ひとつだけ、ポジティブな発見があった。
それはポン酢とはんぺんがとっても合うということ。
ポン酢の酸味がはんぺんの甘みを引き立て、おでんとはまた違ったおいしさを堪能することができる。今度から水炊き鍋をするときははんぺんを入れてみようと決めた。