飲食店などでよく目にする「LINEの友だち募集中」というポップ。あれって……結局何なんだろ? “お店のLINE” に関するテレビCMも2022年3月に放映されていたが、お店のLINEと友だちになって一体どういうメリットがあるのか? いまいちイメージが湧かないし、やや疑ってもいる。
「なら試しに友だちになってみればいいやん」とお思いの方もおられるだろうが、もしも登録後、迷惑な広告宣伝メッセージが大量に送られてきたとしたら……? 大好きだったお店のこと、嫌いになっちゃうよ!! それだけは何としても避けたいところなのである。
しかしメッチャ気になるのは確かなので、こうなっては仕方あるまい。LINE本社へ出向き、担当者に直接話を聞くしかないだろう……!
・出向いてみた
ってことで、やってきたのは新宿区にあるLINE本社。
2021年3月に移転したという本社オフィスは広くてピカピカだ!
おなじみのブラウンに……
みんな大好きコニーちゃん! この2人、付き合ってるって本当かな??
大きな窓からはスカイツリーも見える。あ〜ぁ、こんなオフィスで仕事ができたら最高……
……とかやってる場合ではない。LINEの社員さんを待たせているんだった。呼吸をととのえて質問事項をまとめ、いざ扉の向こうへ……
ガチャリ……
失礼しま……ハッ!!!
好青年の予感!!!
・LINE社員さん降臨
今回お話を聞かせてくれるのはLINEの西田さん。最近ネコを飼い始めたという、なんとも親しみの持てるお兄さんである。
今日はひとつお手柔らかに……ってことで早速ですが、お店とLINEで繋がるメリットを教えてください!
西田さん「はい。これは正式名称が『LINE公式アカウント』といいまして、分かりやすいメリットの1つは、お店から『クーポン』や最新情報などを受け取れることですね。 クーポンでいうと、“友だち追加すると◯◯円引き” とか “ドリンク1杯無料” とか。友だちになることでインセンティブを得られるという意味では、利用しやすいかと思います」
──クーポンなどももらえるんですね。大手企業さんのLINE公式アカウントで「友だち追加するとLINEスタンプがもらえる」というのをみて、友だち追加したことがあります。
西田さん「最近では大手企業だけでなく、個人店などの身近な店舗がLINE公式アカウントをやっているケースも増えてきています。現在、LINE公式アカウントのアクティブアカウント数(※)は約33万(2021年10月時点)です」
※アクティブアカウント:LINE公式アカウントの認証済アカウントのうち、月に1度以上機能を利用しているアカウント数
──え、そんなに?
西田さん「例えば僕は近所にある動物病院のLINE公式アカウントと友だちになっているのですが、飼いネコの具合が悪い時など、LINEで気軽にやりとりができるので重宝しています。あとは行きつけのお寿司屋さん。旬なネタの入荷や限定メニューの情報がオーナーさんから届きます。金銭的なメリット以外に『お得な情報を受け取りたい』といった需要にも対応できるんです」
そういえば……『LINE公式アカウント』CM内で角田晃広さん(東京03)がオーナー役を務める店も、よく見れば個人店である。LINE公式アカウントは “大手企業がやっているもの” というイメージがあったが、実際は全然違ったらしい。
・ショップカード問題、解決
それもそのはず、LINE公式アカウントは一部の機能を除いてオーナー側は無料で導入することが可能。利用頻度が高くなってきたとき、あらためて有料プランへの切り替えを検討すればいいのである。なんだか私も店、始めたくなってきたな〜!
西田さん「もうひとつのメリットは『ショップカード』です。従来の紙のポイントカードを、LINE上で管理できるというイメージになります」
──これほどスマホが普及しても、紙のポイントカードって根強く存在していますよね〜
西田さん「紙のポイントカードって失くしてしまったり、財布の中でかさばったりしますよね。最近はスマホ一つで買い物できるので、紙のカードはなかなか持ち歩かないのが現状です。そこをLINE上で管理できれば、ポイントの取りこぼしがなくなります」
──そういえば紙のクーポンも未だにありますね
西田さん「紙のクーポンをもらっても、切り取って財布に入れていることを忘れてしまったりしますよね。それから “ポイントと決済のアプリを別々に開かなければいけない” といった場面も、全部LINEでまとめて使うことができれば便利だと思います」
・登録するしかねぇ
ちょっと予想外なほどメリットが多かったお店のLINE。色々ありすぎてここでは紹介しきれないので、西田さん一番のオススメを尋ねてみたところ……『LINEチャット』という機能を教えてくれたぞ。
西田さん「『LINEチャット』はお客様とオーナーが、普段のLINEと同じような感覚で、1対1のコミュニケーションができる機能です。これは個人的にすごく有能な機能だと思っていて……と言うのも僕、電話が苦手なんですよ。その点、チャットで気軽にコミュニケーションができるのは素晴らしいと……」
──ちょっと待ってください。なぜ電話が苦手なんですか?
西田さん「緊張するので……。『電話でお問合せください』って言われると、電話したくないなぁ、って思っちゃいます」
──え? だってチャットって、面倒臭くないですか?
西田さん「僕としては電話のほうが面倒臭いと言いますか……時間を取られるのが嫌なんですよ」
──チャットのほうが時間、取られますよね?
西田さん「…………」
と、LINE社員の電話嫌いが発覚したが……ちなみにLINE公式アカウントには『LINEコール』という機能もあり、LINEを使ってお店に無料で電話ができるのだそうだ。電話が好きな人、チャットが好きな人、どちらもオーナーさんと密にコミュニケーションが取れる。これぞ次世代のツ〜ル!
紹介した以外にも無料で使える機能がたくさんあるため、例えば動画機能を駆使してオンラインレッスンを行うジム、よくある問合せをLINEで受け付けて対応を自動化している美容サロンなど、独自の活用方法を見出しているオーナーも多いらしい。なんだか温かみがあってイイな。色々と誤解していたお店のLINE、今後はジャンジャン登録してみよ〜っと!
参考リンク:LINE公式アカウント
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.