警察の犯罪捜査で「うそ発見器」を活用する理由は、犯人を探し出すため……だけではなく、無罪の人が冤罪の被害にあわないためでもあるらしい。とはいえ、いきなり警察に呼び出されたら動揺して呼吸も心拍も乱れるだろう。常に正確な結果が出るとは考えにくい。
それはさておき、Amazonでも「うそ発見器」を売っている。犯罪捜査で使うものと比べたら精度は低いかもしれないが、ジョークグッズとして楽しむくらいの性能はあるはずだ。そう思った私は、3736円の商品を購入した。んで、結論を先に言うと……8分で壊れた。
・うそ発見器
商品名は「ポリグラフテストマシン 嘘発見器 アナライザーマシン〜」と少し長い。うそをついたらビリビリ電流が流れるのだろう。実をいうと、同商品はビジュアルがとても特徴的で……
イタリア・ローマの観光名所「真実の口」の姿をしている。嘘や偽りの心を持つ人間が手を入れると噛まれる真実の口。商品説明によると、嘘をついたことが感知されたら……「感電する」か「噛まれる」の2モードで楽しめるらしい。
・なかなか嘘を発見しません
しかしレビューには「なかなか嘘を発見しません」「いつまで経っても何も起こらない」と書いてある。そのせいで評価は1(最低)。もしかすると観光地と同じく、口に手を入れて “伝説の一部になる気分” を楽しむ商品なのかもしれない……いや、それだけは勘弁してくれ。
中身を取り出す。
インパクトは十分だ。
底面には吸盤が付いている。
単三形乾電池を3本セットしたら準備完了だ。
さっそくスイッチを入れてみると……
フハハハハハハハ!(笑い声)
地獄の底から響いてくるような笑い声である。嘘を発見したら容赦なく手を噛むに違いない。しかし、せっかく買ったからには噛まれたいし電流もビリビリ流されたいぞ。
とはいえ、スイッチを入れた時点で「電流を流すモード」なのか「噛まれるモード」なのか分からないのは不安だ。もしかしたら分かるのかもしれないけど、私には分からなかった。
そして今さらだが、嘘発見器は1人で楽しむものではない気がする。普通に考えたら、相手からの質問に動揺することで血圧や脈に変化が出るのだろう。ま、試験的に使ってみて面白そうだったら職場に持って行くかってことで、とりあえず嘘をついてみた。
「私はこのゲームがとても面白いと思います(嘘)」
…………
「この嘘発見器はとても優秀だと思います(嘘)」
…………
無反応である。手を入れたまま数分間過ごしてみたが……噛まれることも電流が流れることもなかった。めっちゃ優しいのかもしれない。テレビを見ても音楽を聞いても全く反応がない。だんだん不安になる。怖くなる。けど噛まれないし流れない。そして……
7〜8分後、まったく動かなくなった。スイッチのON・OFFを切り替えても動かず。電池を変えても動かず。地獄のように笑うことは二度となかった。なんでだよ。噛まなくてもいいから電流を流さなくてもいいから、フハハハハハと笑ってくれよ。
いくら何でも壊れるのが早過ぎる。職場に持っていく前に動かなくなるとは……もしかしたらこいつも「壊れた」と嘘をついているのかもしれないが、もうスイッチを入れることはないだろう。まとめると「嘘をつくのはよくない」ということですね。現場からは以上です。
参考リンク:Amazon「ポリグラフテストマシン 嘘発見器 アナライザーマシン」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.