プーチン大統領が「正直に言え!」と迫るスパイ募集の広告をFBIがロシア向けに掲載、ロシア大使館に出入りする関係者を狙い撃ち

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FBIが、スマートフォンの位置情報を利用したジオターゲティング広告をロシア大使館周辺で展開し、ロシアの政府関係者や一般市民から情報提供を募っていると報じられています。

FBI recruits Russian spies outside Russian embassy in D.C. – The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/national-security/2022/03/23/fbi-russia-spy-recruiting-ukraine/

FBI trolls Russian embassy with geotargeted ads for disgruntled spies | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2022/03/fbi-trolls-russian-embassy-with-geotargeted-ads-for-disgruntled-spies/

例えば日本人向けの広告を全世界に配信しても効果は薄いため、ターゲットを国や地域単位で絞る必要があります。そこで用いられるのが位置情報を利用したジオターゲティング広告で、FacebookなどのSNSではさらに特定の施設周辺など対象地域を細かく設定することができます。

FBIがこれを利用してロシア大使館の周囲をターゲットに配信したFacebook広告が以下。広告には、ウラジーミル・プーチン大統領ににらまれたロシア対外情報庁長官のセルゲイ・エフゲニエヴィチ・ナルイシキン氏の写真が使われており、ロシア語で「正直に言え、セルゲイ・エフゲニエヴィチ!」との台詞も書き込まれています。さらに、その下では「正直にお話しください……私たちには聞く準備ができています」と、FBIが情報提供を募っているとアピールされています。


この広告は、ウクライナ侵攻に向けた同国東部地域の独立承認を議題にした会議で、プーチン大統領がナルイシキン氏に賛否の意見を明確にするよう要求した場面を念頭に置いていると思われます。

具体的にどんなやりとりが行われたのかは、以下のムービーの開始から1分が経過したあたりで見ることができます。

プーチン氏が幹部に“踏み絵” 「賛成か反対か」突きつけ… – YouTube
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前述の広告は、The Washington Postの記者が2022年3月23日にワシントンD.C.にあるロシア大使館のそばを歩いている際にFacebookに表示され、通りを1本渡って隣のブロックに移動するともう表示されなくなったとのこと。The Washington Postは、TwitterやGoogleでも同様の広告が展開されていることを確認しています。

元FBI防諜捜査官のピーター・ラップ氏は、広告について「ロシア政府内には、今回の『プーチンの戦争』に途方もないほどの不満を抱いている人々がたくさんいると思われるので、そうした人々の中にプーチンを理解するのに役立つ情報を持つ人がいるかどうかを確かめるのには絶好の広告です」とコメントしました。

Facebookでは、プーチン大統領などを対象とした暴力的な投稿を限定的に容認する措置が一時的に講じられていたほか、ロシアの資産家がプーチン大統領の身柄に懸賞金をかける書き込みを投稿したこともあります。

ロシアの資産家がプーチン大統領に1億円の懸賞金、「生死は不問」 – GIGAZINE


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