ウクライナのゼレンスキー大統領が2022年3月23日夕にオンラインで行った国会演説は、おおむね好意的に受け止められた。そんな中で、れいわ新選組はロシア批判決議案をめぐる行動に続いて、独自の反応を見せた。
演説後に発表した声明で、演説自体は「一定の意義を認める」とする一方で、演説後のスタンディングオベーションについては「日本がさらなる制裁に向けて足並みをそろえる姿勢と受け止められる可能性もある」などと批判。演説を本会議場で行うことにも「ゼレンスキー氏に国賓同等のステータスを与えることを意味する」として批判的で、結果として衆院第1議員会館の本会議場で行われたことが「賢明」だとした。
「演説の内容を知る前から反応の仕方まで決められているのは、問題である」
ロシアのウクライナ侵攻をめぐっては、衆院が3月1日、参院が2日にロシアを非難する決議を採択。れいわが両院で反対したため、全会一致にはならなかった。れいわは2月28日に出した声明で、その理由について
「一刻も早く異常な事態を終わらせようという具体性を伴った決議でなければ、 また、言葉だけのやってる感を演出する決議になってしまう」
などと主張していた。
れいわが演説後に出した声明では、ゼレンスキー氏が「他国に連帯と行動を求めることは当然と理解する」一方で、「その要求に対して日本の国会として拙速に反応すべきではない」と指摘。
「拙速に反応」のひとつとして、スタンディングオベーションのあり方を問題視した。事前配布されていた「次第(案)」の進行表で、ゼレンスキー氏がモニターに映った直後と演説が終わった直後に「起立して拍手」と書かれていたことを「演説の内容を知る前から反応の仕方まで決められているのは、問題である」とした。
れいわはロシアへの制裁を批判しており、ウクライナ周辺国への支援とウクライナ避難民の受け入れ拡大を求めている。ゼレンスキー氏が演説で制裁強化を訴えたことを念頭に、スタンディングオベーションの問題点を次のように指摘した。
「衆参両議長を含む全参加者が起立して拍手する場面が、切り取られて放送された場合、外国では、日本がさらなる制裁に向けて足並みをそろえる姿勢と受け止められる可能性もある」