昨年「モスの食パン」こと「バターなんていらないかも、と思わず声に出したくなるほど濃厚な食パン」という強烈ネーミングな商品が話題になった。
「完全予約制」「月2回しか販売しない」「1斤600円」というレア感あふれる設定だったが、実際にどうだったのかは過去記事のとおり。
このたび新作「モスバーガーとヤマザキパンでじっくり考えた濃厚なチョコ食パン」が誕生。2022年3月11日に第1回の販売が行われたので実食してみた。
・「モスバーガーとヤマザキパンでじっくり考えた濃厚なチョコ食パン」(税込600円)
毎月第2、第4金曜日限定の予約販売で、受取を希望する店舗に事前に予約カードを提出しておく。見たところ特製の紙袋なども前回と同じようである。
ちなみに新作と同時に、前回の「バターなんていらないかも、と思わず声に出したくなるほど濃厚な食パン」(いくらなんでも長すぎるので以下「濃厚食パン」)も復活。比較のためにこちらも購入してみた。
さて、今回の「モスバーガーとヤマザキパンでじっくり考えた濃厚なチョコ食パン」(これも長すぎるので以下「チョコ食パン」)である。
前回ほど「期待値を上げまくる」冒険はしていないが、それでもやはり印象的なネーミングだ。両社の熟考の成果を存分に見せていただきたい!
袋を開けると、ふわっとチョコの香りが広がる。この時点でかなり「美味しそう」である。
「濃厚食パン」が4枚切りなのに対し、「チョコ食パン」は5枚切りなので少しだけ1枚が薄い。
かなり柔らかい、しっとりした印象を受ける。指先の感覚では「湿っている」と感じるほど。オリーブオイルなどの油脂が秘訣なのだそう。後で見たらパンのシルエットに沿って、竹トレイに染みができるほどだった。
「そのままお召し上がりいただくのがおすすめ」とのことなので、まずはひとくち。
やはり柔らかい! かつ、優しい甘さで美味しい!
見た目からは「しみチョコ」を連想するので、お菓子のような味なのかと思ったが、想像よりもずっと上品で控えめな甘さである。チョコ菓子のようなド直球ストレートの糖分ではない。
なんでも朝食を想定して、ほどよい甘さにしたのだそう。それでいて味が薄いわけではなく、チョコレートの風味は強い。
しっとりと湿って、きめ細やかな生地にコクのあるチョコレート。ホテルの朝食で出てきそうな上質な食パンといえる。
なるほど「じっくり考えた」の名のとおり、丁寧に丁寧に作った食パンだということは納得。味にしても食感にしてもベストなポイントを研究し尽くしたのだろう。「美味しいか、美味しくないか」と聞かれたら、間違いなく「美味しい」と答える食パンだ。
Twitterでは「焼いた方が美味しい」という声も多数見かけたので軽くトーストしてみる。公式では「表面がカリッとする程度」がオススメだそう。
見た目だけではトースト前後の違いがわからんな。
けれど、サクッと焦げた表面はコーンスナックのような軽い食感! それでいて厚みがあるので中はフワフワのまま!!
もとが軟らかいから、お安い食パンにありがちな焼くとバリバリになって歯ぐきを攻撃するといった事故も一切ない。
ただしここは完全に好みの問題で、筆者はスポンジ生地のようにしっとりした「トースト前」が好きだ。
なお、開封翌日にはややしっとり感が薄れ「口の中の水分をもっていかれる」感じがあったので、当日中に食べることをオススメする。
・6月24日まで販売
「濃厚食パン」もその名のとおりバター風味が強く、普通に美味しい食パンである。
ただし個性豊かな高級食パン専門店が林立する中で、モスバーガーならではのアドバンテージがあるかといえば、過去記事でのレポートと同じように筆者も物足りなさを感じた。
一方の「チョコ食パン」は、少なくとも名前負けはしていない! チョコ味という点だけでもちょっと珍しいし、本当によく考えられた美味しい食パンだった。
むしろ予約制ではなく気軽に店頭で買えるなら、バーガーを買ったついでに「たまには贅沢しようか」と手に取るのになぁと思ったが、あえて期間限定・日時限定で販売するモスの思惑とは異なってしまうのだろう。
なお、販売期間は6月24日まで。沖縄県、離島を除く約1100店舗が対象。販売期間に限りがあり、かつ前週の土曜日が〆切なので、もしご興味があれば期日に注意して注文してみて欲しい。