運と知略でプレイごとに姿を変える世界の覇者となるターン制ストラテジー「ヒーローズアワー」レビュー

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自分の国を繁栄させてさまざまな種族の英雄や兵士を育て、プレイする度に自動生成される世界を手中に収めるべく他国と争いを繰り広げるレトロなグラフィックのストラテジーゲーム「ヒーローズアワー」がPCゲーム販売プラットフォーム・Steamに登場しました。2022年3月2日のリリースから早くも「非常に好評」とのレビューを得ているとのことなので、さっそくプレイしてどんなゲームなのか確かめてみました。

Steam:ヒーローズアワー
https://store.steampowered.com/app/1656780/

ヒーローズアワーの戦闘がどんな感じで展開するのかは、以下のムービーを見るとよく分かります。

見てるだけなのに面白いストラテジー「ヒーローズアワー」のバトル – YouTube
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ヒーロズアワーを開始すると、以下のスタート画面が表示されます。デフォルトの言語は英語ですが、上に並んでいる国旗の中から日本の国旗をクリックすると日本語になるので、さっそく「新ゲーム」をクリックして遊んでいきます。


プレイを開始すると、ゲームシチュエーションを自由に選択可能。2国間で争う「決闘」モードから、最大で10の国が覇権を争うモードまで選べますが、一番シンプルな「決闘」でもクリアまで1時間30分かかったので、慣れないうちは国の数が少ないモードから始めた方がよさげ。国の数だけでなく、デフォルトでは「ランダム」になっている自国や敵国のカスタマイズもできます。


まずは自分が統治する国を11種類から選択します。


「騎士」や「僧」といったユニットを使える人間の国、「オーダー王国」や……


エルフが統治する「ワイルド・アベンジャーズ」


不死身のアンデッドに支配された「ディケイ」など、個性豊かな国がそろっています。


また、1つの国にはさまざまなスキルを使える「ヒーロー」が6種類いるほか、ゲーム中ではランダム生成されたヒーローも登場し、自分の手駒として操作できます。


というわけで、今回は一番オーソドックスな「オーダー王国」を自国として選択し、残りのランダムな敵国2つと三つどもえの戦争を繰り広げる「三者の確執」でゲームを開始してみます。


すると、数秒かけてマップが自動生成されます。毎回違った環境や立地でプレイができるのがこのゲームのポイントのひとつです。


今回のマップはこんな感じ。中心にある城が自分が保有する都市で、その門前にいる白い馬にまたがっているのが自分が操作するヒーローです。CPUを含めた各プレーヤーはゲーム開始時に都市1つとヒーロー1人を保有しています。ここから生産施設や他都市を制服し、ヒーローを増やして戦力を拡大していくのが、序盤の目標です。


ヒーローズアワーは、大きく分けて「管理」「探索」「戦闘」の3段階でゲームが進んでいきます。まず、自分が保有する都市「キャンベル」をクリックすると開くこの「管理」画面では、戦力となるユニットやユニットを生産するのに必要な資源などを生産できるさまざまな施設を建設できます。


最初は、新しいユニットを生産できる「アップグレード版兵舎」や「武器庫」、新しいヒーローを雇用できる「酒場」などしかありませんが、都市が発展していくと下の方に表示されている高度な施設も建設できるようになります。


次が、マップ上のヒーローを操作する探索画面です。まずは、手始めにマップにある「鉱石」を改修すべく、山の付近を右クリックします。


すると、鉱石を取得し左上の資源がプラス1されました。また、主人公が南東に移動したことで、最初は都市の付近以外は真っ黒だったマップが少し広がりました。


ヒーローが行動した結果、左下の緑色のゲージが少し減少しました。ヒーローは、1ターンの間にこのゲージの分だけ行動できます。


これ以上できることがなくなったら「ターンを終了」で自分のターンを終わらせます。


すると、まだ見えないマップのどこかで敵国が行動して……


次の日になり、自分の新しいターンが回ってきました。


ここで、戦力を充実させるべく再び自分の都市の管理画面を開いて、兵舎からユニットを生産してみます。少し見づらいですが、左の「つくる」で1ユニットずつ、「マックス」で生産上限までのユニットを生産することができます。


ユニットは、生産しただけだと都市から離れないので、すぐ下にドラッグします。


すると、マップ上に生産したユニットが登場。ユニット単体ではできることがほとんどないので、ヒーローを右クリックしてヒーローの元まで移動させ……


ヒーローと合流。左から右にドラッグして、ヒーローの部隊に追加します。


これで、ヒーローの部隊が増強されました。


マップ上にいる敵のアイコンにマウスカーソルを合わせると、相手との戦力差が分かります。今回は、「少しイージー」ということで勝てそうなので右クリックして挑んでみることに。


「管理」と「探索」が終わったら、ヒーロー率いる部隊とマップ上にいる敵を戦わせる「戦闘」が始まります。ユニットやヒーローは左クリックしながらドラッグで移動可能。右クリックで部隊を分割したり、シフトを押しながらドラッグで合流させたりしつつ、マップの右にいる敵ユニットと自軍の位置関係を決めます。とはいえ、ユニットは自動で勝手に動くので厳密に考えなくてもOKです。


配置が決まったら「バトル開始」をクリック。


すると、ユニットがばらっと戦場に広がりました。戦闘はほぼオートで進んでいきます。


ヒーローやユニットがバタバタと動きながら戦闘し……


敵を全滅に追い込んで勝利。


戦闘で勝利し経験値を得ると、ヒーローがレベルアップして新しいスキルを習得することができます。


さらに、敵がいなくなったことで資源の木材を毎日生産する「製材所」を所有できるようになりました。 こんな感じで、自国とヒーローの強化を繰り返して自軍を強化していくのがこのゲームの基本的な流れです。


そんなこんなで東に領土を広げて順調に世界征服を進めていましたが……


敵国のターン中に敵のヒーローが突然出没しました。


そして、圧倒的な戦力差で全滅し敗北。ヒーローが死亡し自分の都市も陥落してゲームオーバーとなりました。


そこで、今度は自国とマップを変えて再挑戦していきます。


すると、自分の都市の目と鼻の先にユニットを直接生産できる「花畑」が誰にも所有されていない状態になっていました。


これ幸いとユニットを大量生産し自軍を強化。


花畑で大量生産したユニット「森の妖精」は、体力が少ないのですぐに倒されてしまいますが、倒されても1回までなら復活します。しかも、味方が倒されるほど攻撃力が上がる自軍のユニットと好相性だったので、破竹の勢いで進軍することが可能になりました。


そして、相手国の都市を陥落させてゲームに勝利……という具合に、ヒーローズアワーは自動生成されたマップで自分に有利な施設を探したり、ユニットの特性のシナジーを効かせて敵を圧倒したりしていくのがポイントのゲームになっています。


そのため、ユニットをヒーローに合流させて戦力を維持するなど兵站(へいたん)を意識して駒を進めたり、資源をやりくりしたりといったストラテジー要素と、毎回ゲーム性が代わるローグライト要素が絶妙に組み合わさった奥深いゲームだと感じました。戦闘はオートで進みますが、敵味方のユニットがわーわーと声をあげながら入り戦う様子は見ているだけでも楽しめます。


攻撃的なスタンスを取るかどうかや撤退の判断など、やることがないわけではありません。また、ヒーローに「呪文」を覚えさせることで、任意のタイミングで敵ユニットにダメージを与えたり自分のユニットを回復させたりすることもできます。


ただし、行動を決定するボタンが「断る」になっていたり……


オーダー王国の「オーダー」がそのまま「命令」になっていたりと、翻訳は若干いい加減。


テキストの意味が分かりにくくなってしまっているところもあります。


また、最初に自動生成されるマップ次第で無理ゲーだったり楽勝だったりする点は、ローグライトらしいと言えば確かにそうですが、悪く言えば理不尽な運要素でもあります。そのせいか、リリースから約半月だということを踏まえても難易度ノーマルの突破率が17.1%と、多くのプレーヤーにとって歯ごたえのあるゲームになっていました。発売から半月ほどで1000件以上のレビューがついて「非常に好評」と評価されている中毒性は本物なので、今後のブラッシュアップに期待したいところです。


ヒーローアワーは2022年3月2日からSteamで購入が可能で、記事作成時点での価格は税込1840円です。

Steam:ヒーローズアワー
https://store.steampowered.com/app/1656780/


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