完結が近づいているNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」。舞台が京都に移って以降、時折画面に登場するのが、京都市内の路面電車「嵐電」こと京福電気鉄道だ。
京福は昨今、沿線の映画産業を活かして集客を図っている。嵐電と昭和のレトロカルチャーとの縁は「カムカム」だけに限らない。
大月家から映画村は嵐電で
「カムカムエヴリバディ」71話からの京都編で、3代目ヒロインの大月ひなた(川栄李奈さん)ら大月家の人々は京都市北区の北野天満宮付近に暮らしている。天満宮の西に嵐電の北野白梅町駅があり、時代劇好きのひなたが電車に乗るシーンがしばしば登場する。
嵐電は四条大宮~嵐山間の嵐山本線と帷子ノ辻~北野白梅町間の北野線からなる。高校を卒業して条映(東映ではない)に就職したひなたは、北野白梅町から嵐電に乗り、帷子ノ辻で嵐山本線に乗り換え、太秦駅(現・太秦広隆寺駅)で降りて撮影所まで通っているものと思われる。
京福電鉄管理部広報担当によれば、演出の中で嵐電を使いたいというNHKサイドからの打診で、実際に嵐電車内で1両を貸し切ってロケが行われた。モボ300形301号が使われ、NHKスタッフの手により内装も舞台となった1980年代に近づけ、嵐山本線内を走らせて撮影した。
なお現在嵐電の車両カラーは大半の車両が2010年から採用の紫一色の「京紫」カラーをまとっているが、それまでは長らく緑とベージュの2色の塗り分けだった。ロケに使われた301号車が1980年代と同じ塗装で残っていたのも「たまたま」(京福電鉄広報部)だという。
しかし映画と嵐電の縁はこれだけではない。