TwitterやFacebookで共感される意見は本当に一般的な意見なのか?

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日常生活の中では政治的意見や極端な言説を唱える人に遭遇することはまれですが、TwitterやFacebookなどのSNSを利用すると数多くの政治的意見を目にすることになります。このような矛盾が生じる理由について海外メディアのAxiosが解説しています。

The new silent majority: People who don’t tweet
https://www.axios.com/political-polarization-twitter-cable-news-ac9699c6-260d-4141-b511-5c7193566ea1.html

AxiosはSNS上の言説について考える上で最初に知っておきたい前提として「アメリカ人の75%はTwitterを利用していない」という調査結果を紹介しています。Twitterの利用者は人口の25%に過ぎないため、例えTwitter上で敵対的な意見が広く共有されていたとしても、全ての国民が敵対的な感性を持っているとは限りません。

また、2020年のアメリカ大統領選挙の際にドナルド・トランプ候補に偏った報道を行ったことで知られる保守系メディア「Fox News」は多くのアメリカ人に視聴されているイメージがありますが、2022年1月の調査では平日のゴールデンタイムですら約224万人(アメリカ人口の約0.7%)しかFox Newsを視聴していないことが明らかになっています。


上記の調査結果に加えて「2020年3月以降、アメリカ人の56%が慈善団体に金銭を寄付した」という調査結果を挙げて、Axiosは「データを掘り下げれば、ほとんどのアメリカ人は友好的であると言えます」と主張しています。

アメリカ関連のニュースを見ていると、アメリカ人は民主党支持者と共和党支持者に分かれているように思えます。しかし、調査会社・Gallupによる政党支持率調査では2021年時点で民主党支持者:29%、共和党支持者:27%、無党派:42%と無党派支持層が最も多いことが明らかになっています。


Axiosは上記の結果から、SNS上では声の大きな少数の人々の意見が広く共有されがちであるものの、実際にはアメリカ人の意見はそれほど分断されておらず中間的な考え方の人が多い可能性があると指摘しています。

また、ニュース共有サービスのHacker Newsには「私は尊敬するエンジニアとコミュニケーションを取るためにTwitterを始めましたが、Twitterでは『いいね』やリツイートによって政治的に極端な意見がタイムラインに流れてきます」といったSNSのシステムに対する不満や、「以前は、他人の政治的意見に触れる機会は多くありませんでした。しかしSNSの登場以降は、誰かをフォローすると、その人の政治的意見を必要以上に目にするようになりました」といった意見が集まっています。

The new silent majority: People who don’t tweet | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=30603801

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