YouTubeチャンネルが直面する「チャンネルBAN」や「動画の違反報告」を狙った脅迫には対処法がないとの声

GIGAZINE



ゲーム開発者向けのニュースメディアであるGame From Scratchが、あらゆるYouTubeチャンネル運営者が直面する可能性のある危機について警告しています。

I Was Blackmailed–Any YouTuber Could Be Next – GameFromScratch.com
https://gamefromscratch.com/i-was-blackmailed-any-youtuber-could-be-next/

Game From Scratchは「残念ながら、Game From ScratchはYouTubeのシステムがスクリプトキディ攻撃に対処することができなかったため、YouTubeに動画を投稿することができなくなりました。攻撃者から脅迫されたため、我々は問題をYouTubeに警告しましたが、結局は手動のプロセスで問題を訴えてYouTube側の反応を待たざるを得ない状況です」とツイートし、YouTubeのチャンネルに動画を投稿できなくなってしまったことを報告しています。

Please RT, this is broken!

Unfortunately GameFromScratch lost the ability to post to @YouTube because their systems can’t defeat a script kiddy attack. Warned them after I was blackmailed, and now awaiting the long manual appeal process while locked out. Really @YTCreators? pic.twitter.com/j1hdE1tUYi

— Game From Scratch (@gamefromscratch)


問題は、Game From Scratchが開設しているDiscordサーバー上で「Game From ScratchがAnimateCCの動画を削除した」「ビットコインで50ドル(約6300円)支払え」という脅迫メッセージが投稿されたことから始まりました。問題の動画は過去2カ月で4回削除されその都度復元されてきた動画であったため、Game From Scratchは「YouTubeのボットによる誤作動をかたっているのだろう」「また削除されても、YouTubeに訴えればすぐに動画を復元できるだろう」と思っていたそうです。

Game From Scratchが脅迫メッセージを無視していたところ、Game From ScratchのYouTubeチャンネルに投稿されている動画3本が「保護技術の無効化」に関する通知を受けることに。さらにその後、Game From ScratchのYouTubeチャンネルは1週間動画を投稿できなくなってしまったそうです。ただし、「保護技術の無効化」の通知3件はアカウントのBANから2時間ほどで取り消されたため、チャンネルはすぐに利用可能な状態に戻ったとのこと。


その後、Game From Scratchは削除されたままの「AnimateCCの動画」が復活するのを待っていたそうですが、YouTubeによる審査により、この動画はガイドラインに違反していたことが判明します。

Game From ScratchとYouTubeのやり取りは以下の通り。4月4日に動画が復元された際には「詳細を確認したところ、動画の削除は間違ったものであったことが明らかになりました。そのため、当該コンテンツを復元しています。ご指摘ありがとうございました。今後このようなことが起きないよう最善を尽くしていく所存です」という通知がYouTubeから送られてきています。

さらに、4月28日に動画が復元された際にも「社内チームの調査により、このコンテンツは誤って削除されたものであると判断されました。ご指摘ありがとうございます。このようなことが二度と起こらないように最善を尽くします」と、YouTube側に非があったとする通知が届きます。

しかし、5月26日に届いた通知では「内部チームから最新情報を入手し検討を続けた結果、お客様の動画が当社の『保護技術の無効化』ポリシーに従って適切に処理されたものであることが確認できました。あなたのチャンネルをターゲットに動画を報告したりフラグを立てたりクレームを行ったりしている何者かがいるとのことですが、当社の内部チームはこれらに対して適切なレビューを行って対処していることに留意してください。つまり、あなたの動画が多数報告されたとしても、ガイドラインに違反していなければコンテンツが削除されたりアカウントがBANされたりすることはありません。また、通報に問題があれれば即座に当該アカウントに対処を行います」と記されており、複数回にわたる審査の結果、Game From Scratchの動画が削除されたのは「ガイドラインに違反していたため」であるとしています。


これを受け、Game From Scratchは「我々のチャンネルBANは解除され、削除された動画4本のうち3本も復元されました。しかし、脅迫者はいつでも同じような攻撃をあらゆるYouTubeチャンネルに対して行うことができます。我々はこの脅迫についてYouTubeに報告しましたが、率直に言ってYouTubeは何もしてくれませんでした。『保護技術の無効化』ポリシーを悪用して無差別に報告を続ければYouTubeチャンネルをBANへ追い込むことができますが、これに対する対処法はありません。また、今回のケースのように、あなたの動画が常に復元されるわけでもありません」と記しています。

また、Game From Scratchは「YouTubeクリエイターに提供できる最大のアドバイスは、コンテンツを別のプラットフォームにミラーリングすることです。AnimateCCの動画が2回目に削除された後、我々はOdyseeへのミラーリングを開始しました。これにより我々のAnimateCCの動画は残り続けています」と語り、YouTube以外のプラットフォームに動画をアップロードしておくことを推奨しています。

なお、Game From Scratchの諦めにも似た報告に対しては、「恐喝未遂は犯罪なので警察に通報するのが一番の対処法です」というもあります。

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