メモ
ロシアが攻撃したウクライナの原子力発電所の近隣に住んでいた11歳の男の子が、単身で約1100kmの旅をして国境を越え、無事にスロバキアにいる親戚の元にたどり着くことができたと報じられています。
‘Hero’: Slovakians hail boy, 11, who travelled 700 miles alone from Ukraine | Ukraine | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2022/mar/07/mother-who-sent-son-11-on-train-out-of-ukraine-alone-thanks-slovaks
ウクライナの隣国であるスロバキアの警察当局は2022年3月6日に、「ウクライナからスロバキアへ国境を越えてやってきたザポリージャ出身の11歳の少年は、親がウクライナに残らなければならなかったので、ビニール製のリュック1つとパスポート、手の甲に書いた親戚の電話番号だけを頼りに、たった1人で避難してきました。その笑顔と大胆さ、決断力は本物のヒーローにふさわしく、みんなをとりこにしました」と発表してウクライナ人少年の勇気を称賛するとともに、男の子が最終的に避難先の親戚に会うことができたことを報告しました。
伝えられるところによると、この男の子の母親は病床についている体が不自由な母親、つまり男の子の祖母を介護するためにウクライナに残らざるを得なかったとのこと。しかし、ロシア軍が3月4日にザポリージャ原発を攻撃し一時火災まで発生する事態となったため、やむを得ず子ども1人でスロバキアの首都・ブラチスラバにいる親戚の元に避難させることになったそうです。
スロバキア行きの電車に乗った男の子はその後、ボランティアらに保護されて食べ物や飲み物を与えられ、スロバキア当局の手引きで親戚と合流しました。
男の子本人の名前は伏せられていますが、Facebookへの動画で身元を明らかにした母親のユリア・ピセツカヤさんは、ウクライナ内務省を通じて公開した映像で、「私は夫を亡くしていて他にも子どもがいます。私の息子を保護し、国境を越える手助けをしてくれたスロバキアの国境当局とボランティアの人たちに感謝します。私の子どもの命を救っていただいて本当にありがとうございます。隣町には原子力発電所があり、ロシアが攻撃をしてきました。しかし、自力では動けない母を置いてはいけなかったのです」と話して、男の子の避難に尽力したスロバキアの人々に感謝の言葉を述べました。
ロシア軍による攻撃が激化しているウクライナでは、3月7日の時点で避難者数が150万人を突破しており、最大で人口の約1割に相当する約400万人が国を離れると予想されています。
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