最近、どうも鮫の皮を剥ぐ機会が多い。
この剥いだ鮫の皮、硬くてとても食べられないので捨てるしかないのだが、この鮫皮でつくったおろし板は高級品だという話を聞いたことがある。
なんでも鮫の皮はとても硬く、わさびをきめ細かくおろすのに最適なのだそうだ。確かに鮫の皮は硬く、鮫を捌いていると、包丁の刃が削れてしまい、すぐに切れなくなっていく。
せっかくの鮫皮、捨ててしまうのも忍びないので、この夏の自由研究として鮫皮おろし板を作ってみました。
※2007年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
鮫を入手しよう
鮫皮おろし板を作るには、なにはなくとも新鮮な鮫が必要なので、海に行って自分で釣るか、知り合いの漁師さんに分けてもらいましょう。
今回は、この前いってきた深海鮫漁でいただいたヨロイザメを使用します。
※一般に鮫皮おろし板に使われる鮫は、違う種類の鮫です。
鮫の皮を剥ごう
どうにかして鮫が手に入ったら、タワシで全体をこすってヌメリを落とします。
流水で綺麗に洗い流したら、丁寧に鮫の皮を剥いで、皮に付いている余計な身を擦りとります。
綺麗に下処理をした状態が以下になります。
タンニンで鞣そう
ここだけちょこっと話が難しくなります。
鮫の皮をこのままおろし板にしようすると、タンパク質成分が腐ってしまうので、タンニンを用いて皮を鞣す(なめす)作業をおこないます。
今回使用するタンニンは、身近なところで、お茶のカテキン成分を使ってみました。濃く煮出したお茶を冷まし、そこに鮫皮を浸して冷蔵庫に入れておきます。
※このやり方が正しいのかはまったくわかりません。たぶん間違っています。いろいろと試してみてください。
鮫皮を乾燥させよう
お茶に漬け込んだ鮫皮を取り出して、キッチンペーパーなどで水分をよく拭き取り、適当なダンボールに画鋲で貼り付けて、扇風機の風を当てて乾かします。
乾いた鮫の皮は細かいトゲトゲが凄く、これならわさびでもウオノメでも問題なくおろせそうです。
鮫皮が完全に乾くのに数日かかってしまいました。ごめんなさい、一日では無理でした。
油分を与えて揉みほぐそう
あとは板に貼り付ければ完成なのですが、乾燥した鮫皮は丸まってしまった上にガッチガチなので、オリーブオイルで油分を与えながら、革手袋をして揉みほぐします。
この作業はとても手が疲れますが、緩衝材のプチプチを潰す以上に無心になれます。
板に固定して、釘を打とう
柔らかくした皮を、板より一回り大きいサイズにカットします。工作で使う板といえば、もちろんかまぼこの板です。
鮫皮をハサミでカットしようとしたら、ハサミの刃がボロボロになってしまいました。鮫皮を切るには大きいカッターが向いているようです。
鮫皮をカットしたら、輪ゴムで固定して、釘を打っていきます。
かまぼこの板だと強度的に不安だったので、角材にも張ってみたのですが、木が堅すぎて釘を打つのが難しかったです。
板に貼り付けた鮫の皮がデコボコしてしまいましたが、どうにか鮫皮おろし板を完成させることができました。
ワサビをおろしてみよう
鮫皮おろし板が完成したところで、さっそくワサビをおろしてみよう。
皮を剥いた本山葵をよく洗った鮫皮おろし板に押し当て、円を描くように擦りつけていくと、とてもスムーズにきめ細かくワサビをおろすことができました。
この鼻にツーンとくるワサビの香りが堪りません。
うまくいったのがうれしくて、鮫肌ならぬ鳥肌が立ちました。
おろしたてのワサビをたっぷりとお刺身につけて食べたら、とても美味しかったです。
このワサビを舐めながら、ビールがいくらでも飲めます。
わかったこと
鮫皮おろし板でおろしたワサビが美味しいということがわかりました。
苦労したところ
鮫皮を板に綺麗に張るのが難しかったです。お茶に漬けた後、乾かさないでそのまま貼り付けて、それから乾かせばよかったかもしれません。
感想
鮫皮おろし板は、鮫の皮を手に入れられて、仕上がりの姿形にこだわらなければ、思ったより簡単に作れるなと思いました。でもやっぱり一日でつくるのは難しいようです。新学期までまだ一週間あるので、今から鮫を釣りに行けば間に合うと思います。
おろしたてのわさびはとても美味しいので、また鮫が釣れたら、もっと本格的に作ってみたいです。