東京ドーム過去最大のリニューアルへ–完全キャッシュレスと顔認証を本格導入

CNET Japan

 東京ドームが過去最大となるリニューアルを実施した。デジタルサイネージの導入や完全キャッシュレス化、顔認証技術の本格導入など、DX化により大幅な進化を実現した。3月2日に開催予定のオープン戦より本格稼働する。


大幅にリニューアルした東京ドーム

場内には約650台のLED照明を導入

 リニューアルでは、日本最大級のメインビジョンを新設したほか、プレミアムラウンジのフルリニューアルなどを実施。顔認証技術の本格導入に伴い、場内の完全キャッシュレス化を実現した。

 顔認証技術は、パナソニック システムソリューションズ ジャパンの顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」を採用。事前登録した顔画像により入場や決済ができるサービス「facethru(フェイススルー)」として導入する。ゲート本体とチケッティングは、イープラス、SuicaについてはJR東日本メカトロニクスが提供するクラウド型ID認証システム「ID-PORT」と連携することで、各種ID連携の仕組みを構築。顔認証による入場とSuica認証による入場を、1台の入場ゲートで実現した。


顔認証、Suica入場ができる

 ウェブサイトで顔画像を登録し、手持ちの入場券と紐づけることで、ゲートにある専用レーンにて、顔認証で入場が可能。顔認証決済には別途クレジットカード情報の登録が必要になる。入場時は、登録した顔画像と、ゲートの専用レーンに設置された端末のカメラで撮影した顔を照合し、OKの来場者のみに入場を許可。店舗での支払い時は、店頭に設置された端末のカメラで顔を認証、登録されている顔画像と照合し本人確認後、PIN(暗証番号)を入力することで、決済できる仕組みだ。

 顔認証入場は、東京ドーム20、22、25、40、41ゲートの一部レーン、顔認証決済は、23ゲート前の「G-STORE」と、東京ドーム内4店舗「Dome Shop 104、105」「TOKYO POTATO」「DIAMOND BOX/CHAMPIONS SEAT FOOD & DRINK COUNTER」に設置。スムーズな認証による待ち時間の減少と接触機会低減による感染リスク低減などを狙う。


顔認証によりキャッシュレスを実現

 場内コンコースなどに約260台のデジタルサイネージを導入し、座席から離れていても、試合映像や演出映像などを見られるように工夫しているとのこと。試合展開にあわせて、場内サイネージを特定の演出映像で、一斉表示するなど、球場全体の一体感を高める企画も実施する。


場内コンコースにはLEDディスプレイとデジタルサイネージを設置。天吊りモニターも備える

 球場内に設けられたメインビジョンは、単体の面積としては国内スタジアム最大規模となるフルカラーLEDメインビジョンを導入。面積約1050平方メートルと従来のメインビジョン(238平方メートル)に比べ、約4.4倍に拡大。音楽や照明と連動した映像や静止画との組み合わせなど、豊かな演出表現ができるとしている。


面積約1050平方メートルのフルカラーLEDメインビジョン

 場内には約650台のLED照明を導入し、512チャンネルのデジタル信号を送受信できる「DMX」連動によって、制御が可能。メインビジョンの映像や音響と連動させた照明パターンを楽しめる。

 座席は、バックネット裏に位置する最高ランクの「ダイヤモンドボックス」を従来の160席から290席に増設したほか、L字のソファを配置し、4人定員のグループ席となる「THE 3rd PLATINUM BOX」、2階席の前方ブロックに位置する「SKY TERRACE」など、新しい観客席を用意。バックネット裏3階エリアには、全28室から成る「THE SUITE TOKYO」もフルリニューアルしている。


「THE SUITE TOKYO」の一室

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