伊藤忠商事の中古スマートフォンの回収事業が、客の殺到で開始からわずか数日で受付を停止した。
配布したクーポンが”転売”されるケースも発生し、同社は取材に「転売を防ぎながら、ご家庭にある埋蔵端末を手軽にお持ちいただけるような回収スキームを検討していきたい」と話す。
「店舗オペレーションに支障が出てしまい…」
伊藤忠商事は2022年2月1日から、家に眠るスマートフォンやタブレット、フィーチャーフォンをファミリーマートで回収する実証実験を始めた。
中古端末としての販売(データはグループ会社で消去)や希少金属のリサイクルが目的で、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献も目指す。客には一台につきファミリーマートで使えるクーポン1000円分を配る。
都内25店で実施し、3月31日までを予定していた。2月9日にプレスリリースが出ると、日テレ、フジ、TBS、テレ朝と民放各局が取り上げるなど話題を呼んだ。しかし、端末が想定以上に集まり、12日までに受付停止が発表された。
オークションサイトでは、転売とみられるクーポンの出品が複数見つかる。13万5000円分のクーポンが約9万円で落札されているケースもあった。
伊藤忠商事は14日、J-CASTニュースの取材に「反響が非常に大きく、店舗オペレーションに支障が出てしまい一時停止となりました」と話す。端末は「万単位」で集まったという。
転売については把握しているといい、「一定数の事例が出てくる可能性は織り込んでいました。ですが、実証スピードと店頭オペレーションの簡略化を優先して進めました」。
再開は未定で、「転売を防ぎながら、ご家庭にある埋蔵端末を手軽にお持ちいただけるような回収スキームを検討していきたい」とした。