「推す飯」とは、明るくてらいない気持ちでただ好きな飯を推す活動です。
今回の推し手はライターパリッコ、乙幡啓子、編集部安藤昌教、古賀及子の4名。メンバーがいま確実に推せるものをノンジャンルで持ち寄りました。
こちらの記事ではパリッコさんがカルディの「混ぜるだけ中華おこわ」を推します。
登場人物
妄想工作作家でライター。薄い食べ物をこよなく愛する。
酒シーンにおいて注目を集め続ける酒場ライター。うまいもの発見力にも定評がある。
編集部員で当企画の仕切り役。せっかちで早食いだが少食。
中華おこわなのに混ぜるだけ
パリッコ:
カルディで売ってる「混ぜるだけ中華おこわの素」を持ってきました。炊き込みごはんの素でもなくて、炊きたてのごはんにただタレを混ぜるだけの商品です。
安藤:
いいんですか。そんな、混ぜるだけで。
パリッコ:
ね。おこわって本来もっと大変なものじゃないですか。
古賀:
もち米を使ったり。
安藤:
普通は蒸すんですよね?
乙幡:
それが「おこわの素」って。
古賀:
それにただの おこわじゃなくて「中華おこわ」ですもんね。普通だったら笹みたいなのに包んで蒸すべきやつでしょう。
パリッコ:
竹皮ですよね。
古賀:
そうそう、中華ちまき。
安藤:
それを、こんなに民主化していいんですか?
パリッコ:
本当に、そういう商品なんですよ。
安藤:
まさか……。
古賀:
恐ろしい。
なんでご飯がもちもちになるの……!?
古賀:
みんな我慢できない感じになってるから食べよう。
一同:
いただきま~す。
安藤:
……! うめーーー!
古賀:
うめーーー!
乙幡:
うめーーー!
パリッコ:
ね!
古賀:
ちょ、こんなのカルディにあったんだ……。
パリッコ:
レトルトパウチみたいな、レトルトカレーみたいな入れ物に入って売ってます。一袋でご飯2合分で、日持ちもするから便利なんですよ。
安藤:
これめちゃくちゃうまいな。
乙幡:
ほんっと!
古賀:
パリッコさんが紹介してくれただけにつまみにも良さそうですね。これあったら全然酒飲める。
安藤:
これもち米になってません? でもさっきパリッコさんが家から持ってきたのは確かにふつうの米だったよな。
古賀:
うん。あれはもち米じゃなかった。
乙幡:
なんでですか……こんなもちもちして。
古賀:
もちもちしてますよね。
安藤:
そんなことある?
乙幡:
なんでいま私たち、米をもち米だって思ってるんだろう。
安藤:
騙されてるのか?
古賀:
だまし絵みたいなこと……?
安藤:
いや、ちょっとこれはずるいよ。
パリッコ:
ずるいっすね。
安藤:
中華おこわを作るための修行すっ飛ばしてますもんね。
古賀:
修行ゼロですよ。
乙幡:
修行せずにおうちでいつでもできる。中華おこわが……!
味がうまい
古賀:
具があまり主張してないのも不思議ですよね。
パリッコ:
きくらげと、あとなんだっけな。
古賀:
パッケージには豚肉とありますね。でも本当に、具で目立とうというより味での一点突破ですよね。味がうまい。
安藤:
出汁というか、香りというか。
パリッコ:
いつでも炊けたお米に混ぜるだけですから。
古賀:
いくらぐらいするもんなんですか?
パリッコ:
300円くらいですね。
乙幡:
安いなぁ……。
古賀:
カルディって何買っていいかわからないから、こうやって教えてもらえるのが一番ありがたいですよね。
安藤:
そもそも、カルディってなんなんですかね? バイヤーがいるんですか? 誰がこんなうまい物を見つけてくるの?
古賀:
カルディ、自分とこで作ってる商品が結構ありますよね。
パリッコ:
そうそう。これもパッケージにカルディって書いてありました。プロデュースというか、かかわって作ってるんでしょうね。
安藤:
だいたいこういう商品、普通は米を研いで、入れて混ぜて炊くじゃないですか。あれはまだわかるんですけど、炊いたあとに混ぜるだけはさすがに手軽すぎでしょ。
乙幡:
安藤さん、ずっとずるいずるいって。料理人目線でコメントしてる。
古賀:
分かるよ……ずるい人見ると焦りませんか。自分もずるして得しなくちゃ!って。いわゆるチートですよね。
パリッコ:
とはいえ、炊く前に混ぜるのだって手間ではないですよね。だから、あとから混ぜることにもしかしたらモチモチになる秘訣があるのかも。一回混ぜて炊いてみたいですね。
古賀:
そんな禁忌を。
カルディの潜在能力を知る
古賀:
カルディで買うものが見つかったのが嬉しい。カルディ、どうしたってユーロホップしか買うものがなかったんですよ……。今まで。
安藤:
ユーロホップって安いビールでしょ?
古賀:
そうそう。みんなカルディカルディって言ってるけど何を買いに行ってるの? って。この企画やって、タイのサラダ料理「ラーブ」の素とかずいぶんいろいろ知りましたが、それでも私にとってはもうずっとユーロホップ屋ですよ。
Amazonにもあったユーロホップ
パリッコ:
活用してなさすぎる。
古賀:
そう。脳の20%しか使ってないみたいな。カルディの1%以下しか使えてない。
乙幡:
がんばってカルディの能力を使おうとして、レジ横のお菓子をつい買っちゃってました。
古賀:
ああ、コーヒーのチョコとか……。
乙幡:
そうそうそうそう。
安藤:
あと干しぶどう。カルディと言えば干しぶどうでしたよ。
古賀:
まいばすけっとでも買えるやつだ。
乙幡:
カルディで買うべきものが知れて、私たち、よかったですね……。
古賀:
人間の階段をのぼるとはこういうことですよ。
乙幡:
帰りに買って帰ろう。素晴らしいです。
登場人物
妄想工作作家でライター。薄い食べ物をこよなく愛する。
酒シーンにおいて注目を集め続ける酒場ライター。うまいもの発見力にも定評がある。
編集部員で当企画の仕切り役。せっかちで早食いだが少食。