牛すじをひとかけら口に入れた瞬間、私は確信した。『いきなり! 牛すじ煮込み重(税込780円)』がギルティだということを。もう少し具体的に言うと、いきなり! ステーキ(以下いきステ)のスタッフが牛すじをじっくりじっくりコトコトコトコト煮込んでいることを。
なにせ、お肉はホロホロで口に入れたらすぐに溶ける。牛すじだけど、筋(すじ)っぽさなど皆無。これはまさしく、しっかりと煮込まれている証拠であろう。うん、間違いなく美味い。
・致命的な弱点
ただし……この『いきなり! 牛すじ煮込み重』には致命的な弱点があることも否めない。まず、煮込んでいる時点で「いきなり感なさすぎだろ」と思わずにはいられないことだ。
なんといっても、調理に時間がかかる「煮込み」である。その中でも、肉ホロホロのやつだ。ガッツリ時間をかけ、弱火でコトコトやっているに決まっている。
つまるところ、『いきなり! 牛すじ煮込み重』はいきなりでもないし、ステーキでもない。同店のコンセプトからはズレるメニューという見方も成り立ってしまう。
そもそも、『いきなり! 牛すじ煮込み』とはどういうことなのか? さっぱり意味がわからない。
・買える場所が限られる
それからもう1つの弱点は、買える場所が限られることだ。基本的に店舗では買えないと思った方がいい。
まぁ扱っているお店だってあるのかもしれないが、少なくとも私の職場や自宅近くの店舗では取り扱っていない。では今回どこで『いきなり! 牛すじ煮込み重』を見つけたのかというと、キッチンカーである。
いきステのキッチンカーについては1年ほど前にお伝えしたが、あれからメニューや滞在場所に多少の変更が加えられている。最新のキッチンカー情報を追いかけたい人は、公式Twitterや公式サイトを参考にするのがいいだろう。
ちなみに、いきステのオンラインショップでは冷凍の『牛すじ煮込み』が販売されているが、さすがにお重は見当たらない。
これらから考えると、『いきなり! 牛すじ煮込み重』は「幻」と言っていいほどのレア度かと思う。もし全国販売されたら、「いきなり煮込みとか意味わからない」という気持ちをぐっと抑えて試してみてくれ。その価値は十分にある美味さだから。しかも価格はたったの780円!
参考リンク:Twitter @PFS_foodtruck、キッチンカー稼働スケジュール(PDF / 2022年2月まで)、いきなり! ステーキネットショップ
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.