新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて、消費者行動は大きく変化している。これまでは店舗に足を運び、対面で商品を選んでいたものが、感染予防の意識向上や政府からの外出自粛要請を受け、外出せずにモノやサービスを購入できるECサイトの需要が拡大。消費者のこの動きに対応するため、業界を問わずあらゆる企業が主戦場をデジタルにシフトしており、まだ対応していない企業においても、ビジネスのデジタル化(DXの推進)は急務とされている状況だ。
しかし日本は、欧米と比べ、デジタル化における消費者のデータ活用は遅れを取って
おり、サードパーティCookie廃止までカウントダウンが進んでいる今でもポストCookie時代に備えている日本企業は少ないことがわかっている。多様化する顧客データをいかにして収集し、また安全に活用していくかが今後のカギになる。
■Cookie 規制がパブリッシャーに及ぼす影響
Googleも既に、「Google Chrome」において2023年半ばから段階的にサードパーティCookieのサポートを打ち切る計画をしていると発表した。その目的はWebをユーザーにとってよりプライベートで安全なものにするための措置とのこと。サードパーティCookieはこれまでブラウザごとにユーザーを識別するために使われていたため、Cookie規制はユーザーの「ターゲティング」や「効果測定」を行う広告主及びパブリッシャーにとって大きな障害となる。
中でもポストCookie時代が及ぼす影響として最もよく知られているのがメディア収益の減少。Googleが発表しているデータによると「サードパーティCookieが使えなくなることによって、メディアの広告収益が52%減少する」と言われている。
出典:
Effect of disabling third party cookies on publisher revenue
https://services.google.com/fh/files/misc/disabling_thirdparty_cookies_publisher_revenue.pdf
■Cookieに依存しない「IDソリューション」の可能性
サードパーティCookieは、主にターゲティング広告表示のために使われているが、ユーザーの知らないところで行動履歴が追跡されてしまうため、プライバシーの観点から問題とされている。Cookieを使わない広告のターゲティングおよびトラッキング手法を見つけ出す必要がある中で、LiveRampが提供する人ベースのID「Ramp ID」への関心が集まっている。
LiveRamp IDは、ファーストパーティデータを活用し、認証に基づき、安全に、人ベースの固有のIDに変換する。このRamp IDはデバイス・チャネルを問わず様々なタッチポイントでの接続を可能にし、効果的なピープル・ベースドマーケティングを実行することが可能になる。
具体的には、「Ramp ID」を活用したAuthenticated Traffic Solution(ATS)を導入したパブリッシャーは、Webサイトやアプリの在庫をアドレッサブルにすることで、在庫の価値を高め、また広告主が個人レベルで正確にオーディエンスをターゲットにできるようにする。
さらにLive Ramp Safe Haven(LSH)が生成するRamp IDを活用する広告主は、手持ちのファーストパーティデータからオーディエンスの理解を深め、的確なユーザーに対してリーチすることが可能になり、各社の収益化をサポートする。
LiveRamp Japan株式会社 Head of Partnership 今井 則幸氏は、
「まず我々が提供する『RampID』は、作成する企業単位で『固有のID』が作成されるので、プライバシー、セキュリティを最重要視しています。また、これまでのCookieなどとは違って、推測型のデータではなく、広告主・パブリッシャーがユーザーからの同意を得た上でIDを作成しているので確定のデータとなります。ATSにより、Webサイトやアプリの在庫がターゲットできるようになることはもちろん、デバイスを跨いでも正確に認識が出来るようにより、広告主によっては費用対効果や、キャンペーン予算の最適化にもつながります。」と、LiveRampの「IDソリューション」の優位性について語った。
GoogleがサードパーティCookieのサポートを打ち切る以上、今までCookieを利用してきた企業は何かしらの対策を立てる必要がある。その対策のひとつとして顧客情報を収集して活用できるLiveRampの「IDソリューション」は、魅力あるサービスと言えるだろう。
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