【レビュー】自動追尾カメラで不審者もペットもロックオン。ほぼ全天球を捉えられる「ATOM Cam Swing」を試す

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以前に紹介したATOM Camが進化した「ATOM Cam Swing」。死角なし!動くモノを自動追尾する高感度・高機能ハイビジョンカメラ

 以前に紹介した人気ネットワークカメラのATOM Camが「ATOM Cam Swing」へと進化! なんと横360度方向と縦方向180度にカメラを向けられるモーターを搭載し、ほぼ全天球が撮影可能になった! しかも人やペットを見つけると自動でロックオン、対象を自動追尾するようになったのだ。

以前は上部のキューブのカメラ部分だけだったが、キューブが2個になり下部にサーボモーターを備える

小さくて高性能なのに安い! ATOM Cam Swing

 まずは簡単にスペックを紹介しよう。基本性能についてはこちらの記事を参照されたい。

【表】ATOM Cam Swingのスペック
カメラ解像度 カラーフルHD(1,920×1,080ドット)
ナイトビジョン 高感度カラーまたは赤外線照射付き白黒映像
赤外線照射距離 9m
画角 120度
レンズ F1.6 2.8mm相当
パン・チルト 上下180度、左右360度
重量 254g(USBケーブル、USB ACアダプタ含まず)
映像記録方式 H.264(MPEG-4) HD 20FPS(昼)、15FPS(夜)
ローカルストレージ microSD(8/16/32GB、FAT32)
Wi-Fi IEEE 802.11b/g/n 2.4GHz(5GHx非サポート)
録画トリガ モーション検知、音検知、連続、タイムラプス
防塵・防水性能 IP65(完全防塵・暴風雨中での利用可(水没不可))
設置 三脚ねじ穴(カメラ同等)・天井設置可(映像上下反転)
マイク・スピーカー カメラ内蔵(クリアな双方向通話可能)
ケーブル長 1.8m(microUSB to USB Type-A)
動作時温度 -20~55℃
価格 4,280円

360度のパン

上下のチルトは180度

 ATOM Cam Swingの最大の魅力は、対象の自動追尾機能だ。映像で動きを検出すると、すばやく自動的にカメラを対象に向ける。また対象物が移動するとそれに合わせてカメラを上下左右に振る。対象物を人だけにしたり、ペットやモノにすることも可能だ。動き検出と追従はすばやく、映像には画面上のどこに注目したかを示すモーションタグ(緑色の枠線)も表示される。

三脚用のネジ穴があるので、様々な設置方法が可能

映像のわずかな変化に対して撮影を開始

追尾対象物には緑のモーションフレームが付く

 さらに高感度カメラなので夜間も少しの明かりあれば、カラーで撮影が可能。星空をタイムラプスで撮影すれば、一晩の星や雲の動きを1分程度に短縮したカラー映像にできる。ナイトモードで赤外線LEDを照射すれば。真っ暗闇の中でも見通し9mまで撮影が可能だ。

ATOM Cam Swingの画角120度とワイド

スマホの画角。ATOM Cam Swingに比べると偉く狭い……

高感度カメラなので夜空程度ならナイトビジョンにしなくてもカラー映像で撮影できる。右下の時刻が21時前という点に注目

 また画角は120度とスマホのカメラ以上に広い範囲を撮影できるが、クルーズ機能でカメラの向きを最大4点設定し、常時カメラを振って異常を検知できる。こうすればカメラの死角になる部分がほとんどなくなるので。監視カメラ数台分の働きをするのだ。

 さらに完全防塵・防水なので屋外設置用のカメラとしても利用可能。ただしUSBのACアダプタは防塵・防水対応ではないので注意が必要だ。

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防塵・防水で屋外での利用も可能(ただし水没はNG)。また監視点4点を指定して、カメラを順次振る機能もある。これで死角はほぼなくなる

正面受けだけでなくあらゆる角度から撮影OK

 一般的な防犯やペット用のカメラは、首振り機能が付いていない。そのためどんなに画角の広い広角のカメラでも死角ができてしまう。特に通路や階段のコーナーや階段はせっかく対象物が映っているのに、小さすぎる、はっきり顔が見えないなどの問題を抱える。よくありがちなのは、後頭部しか映っていなかったという無念。

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 しかしATOM Cam Swingなら、対象を追尾してカメラを振り向かせたり、階段の上り下りを追尾したり、角を曲がっても対象を捉えられる。特に旋回階段などで威力を発揮するだろう。

 またカメラを振り返らせることができるので、玄関などに設置しても入るときと出るときの顔を正面から撮影することができるのが特徴だ。

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固定カメラだと玄関から出入りした片方だけしか顔を撮影できないが、ATOM Cam Swingならどちらも正面から顔を撮影できる

 またカメラは360度回転し、上下にも180度回転するので、ぼぼ全天球を撮影可能になっている。画角も120度と広範囲なので、見える範囲で動きがあれば対象を追尾して撮影できる。

部屋の中央の天井に付けて「クルーズ」すれば1台で死角なし!

 ATOM Cam Swingならではの機能がもう1つある。それはカメラの向きを4カ所登録しておくと、自動的に約10秒ごとにカメラの向きを変えてくれる機能だ。つまり部屋の天井の中心にカメラを設置しておけば、カメラは東西南北を永遠に監視し続けることが可能だ。

部屋の中心の天井に取り付ければ死角なし!

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 ずっとカメラが周囲を見回しており、かなり目立つので、防犯効果も非常に高くなるだろう。

 またペットのケージなどに取り付けておけば、1台のカメラで出先から死角なく見守ることが可能だ。常時動かしておくとペットが嫌がる(わずかだかサーボモーターの音がする)ようなら、クルーズを切って、遠隔操作で必要なときだけカメラの向きを変えるようにすればいい。

出先から複数カメラの映像をチェックでき、カメラを選んでリモートからカメラの向きを変えることが可能。画面をスワイプするかカーソルキーで向きを変更できる

高感度なので夜中にカラーで天体観測もできる

 ATOM Cam Swingは高感度の夜間撮影が可能なので、夜の星空もカラーで撮影が可能だ。しかもカメラの向きを遠隔操作で変えられるので、寒空の中で外に出て手動で変える必要もない。さらに、タイムラプス機能を使えば、星の動きや花の咲く様子などの微速度撮影できる。

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微速度撮影の様子

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流星群の当日は曇りで撮影できず2日後に狙ったが見られなかった。画面左上に縦に並ぶのは北斗七星の「柄」の部分

 カメラ本体は、IP65対応なので雨の中の撮影もOK。水没しないようにすれば問題ない。なお付属のUSB ACアダプタは防塵・防水になっていないので、ジップロックや密閉容器に入れて防水するようにしよう。もし電源が確保できない屋外なら、モバイルバッテリを使って駆動するのも手だ。

カメラ本体にはmicroSDカードスロットがあり、ゴム製のフタができるので防水・防塵も問題ない。ただし容量が32GBまでと制限があるので注意

microSDカードのフォーマットや残量はアプリから確認できる

 通常はクラウドに映像が記録され、製品ページの説明によると、1クリップ12秒間、最短5分間隔、14日間ローテーションとなっている。月額500円の有料オプションに加入することで無制限録画ができるようだ。

 なお、カメラにmicroSDが差し込まれている場合はそちらに記録することも可能。長時間録画したり、撮った映像を簡単にパソコンなどに取り込める。差し込めるメモリ容量には制限があり、8GB、16GB、32GBのいずれかのみ。これを超えるmicroSDを差しても32GBとしてしか使えないので注意が必要だ。

ペットの様子を見たり声掛けしたり躾にも便利

 空前のペットブームで今や子どもの人数より、ペットの数の方が多い時代。特に独身世帯でペットを飼う事例が増えている。

 家族が家にいるならペットを家に置いて職場や学校に行ってもそれほど心配ではないが、一人暮らしとなると話は違う。そんなときはペットの様子をカメラで見ながら、声掛けをしてやるといい。犬なら大喜び、ネコでもご主人の声を不思議がってカメラの前によって来るだろう。

ペットの監視、躾用にも便利

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ネコの赤外線追尾

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深夜や早朝にいたずらしに行く姿を赤外線ナイトビジョンで捉える!

 また家にいないとき、どんないたずらをしているかをチェックするのにも便利だ。赤ちゃん猫や犬の躾をするのに、ATOM Cam Swingが強力なアイテムになってくれるだろう。

 そして、夏にペットで悩むのがエアコン。犬や猫は賢いので寒ければこたつの中に入ったり、日が差し込む暖かい場所でお昼寝をして過ごせるが、汗をかけないペットにとって夏は辛い。かと言って本格的に暑くなるのは昼過ぎなので、朝からエアコンをつけて出かけるのも気が引ける。

冬は暖かい場所を探して過ごすペットだが、夏は汗をかけないためつらい季節

 そんなときはATOM Cam Swingが役に立つ。ペットの様子を見るだけでなく、カメラの近くに温度計を置いておけば、カメラを振って温度の確認もできる。

 さらに別売の「ATOM Sensor」と「ATOM Cam2」(アングル固定カメラ)を使えば室温まで把握できる。また最近のエアコンは、スマホ連携ができるようになっているので、センサーが一定の温度を超えたらスマホに連絡が来るようにして、出先からエアコンをつけてあげるといったことも可能だ。

 こうしてATOM Camを上手に使うと、省エネをしつつペットにも優し環境を作れるのだ。

セキュリティ用にもしっかり使える高性能

 あまりにも安いので防犯用に使えるのか心配という方も多いはず。しかし不審者の自動追従撮影などができるだけでなく、音に反応して録画を開始するモードも持つ。

物音をトリガーに録画を開始する設定もできる

 映像や音で部屋の変化を捉えると、自動的に録画を開始。通常はクラウドに録画されるので、ディスク容量の心配もない。さらに記録開始と同時にスマホにメッセージをプッシュ配信するため、何かあれば即通知が届き、アプリを起動して部屋の様子を確認できる。もちろん外からでもカメラの向きが変えられるので、死角は一切なし。

部屋の変化があれば、即スマホにプッシュ通知が届く

出先からカメラの方向を変えながら部屋の様子を確認できる。デジタルズームも可能

 もし異常があれば部屋の音をモニターすることもでき、逆にカメラからこちらの音声を流すこともできる。さらには大音量での警報音を鳴らすことも可能なので、女性の一人暮らしなどでも安心だ。

 また試験的ではあるが、火災報知器との連動も可能になっている。連動できる機種は限られるが、火災報知器の音を検出して火事のお知らせをしてくれる。

火災報知器との連携も可能

車通りの多いところでは、人のみを検出する設定も可能だ

 通行量が多い道路に面した玄関などでは、モノを無視して人間のみに反応して録画開始することも可能だ。あまりに通知が多い、録画された映像が多過ぎるという場合は、人間のみを検出するようにするといいだろう。

 天体観測でも使えるほど高感度カメラなので、周囲に街灯があるような場所であれば、白黒のナイトモードを使うまでもなくカラー画像で対象を録画できる。ナイトモードへの切り替えは手動でも可能だが、通常は自動にしておく方がいいだろう。映像の違いは次の通りだ。

カラーモード

ナイトモード

 縮小画像を見ている限りでは大差ないが、フルサイズまで拡大するとナイトモードの方が細かい描写までできている。車のナンバーや文字、めがねのデザインや「ほくろ」などをシッカリ映したいときはナイトモードを積極的に使うといい。

 ナイトモードは高感度なので、赤外線ライトを投光する必要もほとんどない。次の映像は、赤外線ありとなしの違いだ。

赤外線ライトあり。床の模様がより高精細に映っている

赤外線ライトなし。模様が若干ボヤけた感じになる

 ただし赤外線ライトを投光すると、インジケータとしてレンズのまわりの4つの赤いLEDが光るでカメラの存在感を隠す場合はLEDをオフで使ってもいいだろう。そこにカメラがあることを誇示する場合ならLEDを点灯してもいい。

赤外線LEDを使うとカメラが目立つので注意

 さらに先に紹介したATOM Sensorのドア開閉センサー、モーションセンサーとATOM Cam2(アングル固定カメラ)などを使うことで、自分なりにカスタマイズしたセキュリティシステムを安価に作れるというのも魅力だ。センサーの情報に基づいてカメラの録画を開始したり警報を鳴らしたりといったことができる。

ATOM Cam Swingはこんな人にオススメ

 さて色々な事例を挙げつつ、ほぼ全天球を捉えられる高感度ハイビジョンカメラATOM Cam Swingを説明してきた。最後にこのカメラをオススメしたい人についてをまとめておこう。

  • ペットの見守り用カメラとして
  • 死角が多い場所の防犯用カメラとして
  • 定点観測用のカメラとして
  • 屋内外の監視カメラとして
  • 夜空の観測用として
  • 実験の微速度撮影用カメラとして

 実用性も高いのだが5,000円せずに自動追尾カメラが購入できるので、デジタルがジェット好きにもたまらないアイテムとなることは間違いない。

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