先日、自宅にダンボールが2箱届いた。1つはアマゾンのベストセラー商品、もう1つはカスタマーレビューでボロクソに言われている最低評価の商品だ。どちらの箱にも「節分の衣装」……つまり “鬼のコスチューム（お面）” が入っている。
今回はアマゾン最低評価アイテムの下剋上がテーマ。チャンピオンを相手に1対1のタイマン勝負をしてもらう。果たして最低アイテムは悔しさを晴らすことができるのか。レビューで盛大にブチギレられている「鬼のお面」の底力をぜひご覧いただきたい。
・チャンピオンの登場
さあ、まずはチャンピオンの登場だ。ベストセラー1位（2022年1月21日時点）の「赤鬼タイツ コスプレ衣装」はド迫力のリアル3Dペイントが特徴とのこと。フリーサイズで適応身長は155センチ〜180センチ。かなり伸縮性があるもよう。
それでは……
出てこいヤァァアア！
…………
なんと
なんと……！
セット内容充実しすぎィィィィィイイイ！
リングインしたのは、王者の風格が漂いまくる鬼コスチュームセット。こちら超ビッグな金棒（約85センチ）付きで4980円。しかも商品に絶対の自信があるからこその「全国送料無料」「30日間保証」などのサービスもあり。死角は一切見当たらない。強い……！
ちなみにカスタマーレビューは5段階中3.8で「節分にぴったり！」「これ本当に使えます！」「リアル！」「最高！」などなど、満足度がかなり高いことがうかがえる。
さっそく着用してみると……
はいもうパーフェクト……
今年の節分はこれで決まり。
圧倒的に鬼。保育園に行ったら園児が全員号泣するレベルの完成度である。頭のてっぺんから足のつま先まで鬼……また、恐ろしさをワンランク上に格上げしてくれる金棒のサイズ感もグッド。鬼としてこなれた雰囲気を演出している。完璧なコーディネートと言えるだろう。
・挑戦者の登場
さあ、今度は挑戦者の出番。商品名は「般若 鬼のお面 マスク ハイインパクト パーティー 芝居 ミリクリーコンバットグッズ」と、省略してもやや長め。商品説明をざっくりまとめると、衝撃に強く、防水性に優れ、着用感も良い「完璧な贈り物」らしい……なるほど。
だいたい評価の低い商品は、特徴を “盛る” 傾向がある。自分で「完璧な贈り物」と言っている時点で喝（かつ）だ！
というのはさておき、商品写真の迫力はチャンピオンとタメを張るレベル。購入時の価格は3099円。王者より約2000円安いものの、鬼のお面で3000円は決して安くない。頼んだぞ。
なお、カスタマーレビューは5段階中2で「詐欺です」「ペラペラ」「写真と違う」など不満の嵐。しかし結局は誰かの感想……「誰かの最低」は「誰かの最高」かもしれないじゃないか。最低と最高はきっと紙一重。さあ出てこい、そして大声で言ってやれ！
「真のチャンピオンは俺様だ」と！
…………
いやいや写真と全然チゲェェェェエエエエ！
商品写真は、木彫りのような雰囲気を漂わせた「どす黒い赤鬼（般若）のお面」だったが……実物のお面はラバー製なうえに「赤レンジャー」的なポップな色。おそらく園児たちは爆笑、買った大人が号泣するタイプのお面である。写真の加工うますぎィィィイイ！
そして裏面の迫力はゼロ。これで3000円は高い……気がする。ただもしかすると、もしかするかも。チャンピオンの力を借りたら、チャンピオンを超えそうな予感がしてきた。
そう、顔面は赤レンジャー、それ以外はチャンピオンの衣装で登場した時……最恐の鬼が誕生した。すべての鬼がひざまずくのが見えたのだ。
我こそが
鬼の中の……
鬼！
そう、我こそが
すべての鬼を統べる……
鬼ィィィイイイイイイイ！
──というわけで、今回の勝負は引き分け。まさかのドロー決着となった。最低評価商品がハンデをもらったものの、チャンピオンを相手に大健闘。ちゃんと「怖い鬼」に変身することができた。ただ、価格差を考慮しても「お面のみ」なら全く勝負にならないし……
商品写真との “違い” は、警告もしくは反則扱いになってもおかしくだろう。レビューに書いてあるとおり、サバゲーで使えるクオリティではない。だって、ペラッペラのゴムなのだ。ガッカリする人が多いのも納得。
とは言え、誰かの最低は誰かの最高……かもしれないので、ペラペラな赤鬼のお面が欲しい方にとっては、これ以上の商品はないと断言しよう。ただ、そういう人がほとんどいないから “最低” なんですよね。とりあえず現場からは以上です！
参考リンク：Amazon「赤鬼タイツ コスプレ衣装」 「般若のお面」
執筆：砂子間正貫
Photo：RocketNews24.
