韻を踏んだネオ七草がゆで一年をハッピーに過ごそう

デイリーポータルZ

七草で韻を踏み、ネオ七草がゆにして食べました。なんだかハッピーな一年になりそうです。

受信した

1月7日、七草がゆを食べた。

スーパーの店頭に並ぶ七草の構築済みデッキ。
セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ。(左から順に勘でならべています。)
春の七草で作られたリゾット。激うま。

おかゆというかリゾット風にしていただいたのだが、その時突然なにかを受信した。

 

七草で韻を踏み、ネオ七草がゆにして食べなさい

 

天啓だ。悟りを開くというのはこういうことなのかもしれない。ある日突然受信するのだ。とにかく私はネオ七草がゆを作らねばならない。ネオ七草がゆを作れば道は開けるし明るい未来が待っている。

韻を踏む

セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ。これからそれぞれで韻を踏んだネオ七草でおかゆを作る。うまく行けばそれは令和の七草がゆとしてスタンダードになり、私の名前がWikipediaに刻まれるであろう。

セリで韻を踏む

セリで韻を踏む。なんだろう。答えはすぐに見つかった。エビだ。

エビ、参戦。

Fresh 新鮮力 Powerと書いてある。心強い。

いきなり草じゃない食材だ。ネオ七草は草以外も許容することがここに示された。現代ではそういった懐の深さが求められている。

ナズナで韻を踏む

ナズナは難しい。母音が「あうあ」の食材。…そうだ、パスタだ。パスタがあった。

おかゆにパスタが入ろうとしている。

主食級の食材がネオ七草に名乗りを上げたことに対し驚きを隠せない。しかし、とにかくそうなってしまったのだ。もう引き返せないし誰にも止められない。一緒に地獄に突き進んでいこう。

ちなみに母音が「あうあ」の食材としてかぶらも思いついたのだが、かぶらは別名スズナであり、すでにノーマル七草に名を連ねるレジェンド野菜だったので除外した。

ゴギョウで韻を踏む

これは簡単だ。ごぼう5秒で思いついた。(すかさず韻を踏む)

まともだ。

ようやくまともな食材が仲間になった。ごぼうはノーマル七草に入っていてもおかしくない。それぐらいまともだ。いや、よく考えたらごぼうは根菜なので草というのはいかがなものか。やはりネオ七草だ。

ハコベラで韻を踏む

ハコベラは激むずだ。これに関しては一向に思いつかなかったのでWebの力を借りた。

韻ノートというサイト。この世のすべての韻が掲載されている。
韻ノートが示したのはシャオウェイヤン

シャオウェイヤンを早口気味に「シャオウェヤ」と発音すればほぼハコベラである。

念のため説明しておくと、シャオウェイヤン(小尾羊)は中国火鍋の店である。シャオフェイヤン(小肥羊)という微妙に発音が違う別のお店もある。いずれにしても韻を踏めているので問題ない。

数年前に私が会社で大事なプレゼンを終えた後、先輩にごちそうになったのはシャオフェイヤン(小肥羊)のほうだ。とても美味しかった記憶がある。

その時のシャオフェイヤン(小肥羊)の火鍋。

最初、間違えてシャオウェイヤン(小尾羊)に向かってしまい、当然だが予約されておらず焦った記憶がある。

結局今回調達したのはシャオフェイヤン(小肥羊)。ハコベラのかわりはシャオフェヤである。

自宅で楽しめるシャオフェイヤン(小肥羊)。撮影から1週間たった今も部屋に火鍋の香りが染みついている。強力。

ホトケノザで韻を踏む

ホトケノザも苦しい。「おおえおあ」。いったいそんな食材はあるのか。

モロヘイヤだ。「おおえいあ」なので完ぺきではないがかなりいい線で踏めている。しかしモロヘイヤの旬は6~8月だ。当然1月のスーパーに並んでいるはずもなく、Amazonフレッシュというサービスを使って購入した。

モロヘイヤとその仲間たち。

モロヘイヤが366円で配送料が390円。しかも合計4000円以上じゃないと発送してもらえないので、抱き合わせとして炭酸や入浴剤なども買うことになった。「本当にいったい何をしているんだろう」と何度も我に返りそうになるのを、前頭葉がなんとか抑えつけている。

スズナで韻を踏む

スズナはミズナでいこう。ネオ七草のなかで一番まともな存在。正直あまり韻を踏めていない。3文字中2文字なので押韻率67%である。

ミズナ。渋谷、菊名、皮膚科、イクラ。あ~、イクラもよかったな。
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スズシロで韻を踏む

スズシロは鈴廣(すずひろ)だろう。小田原のかまぼこである。

小田原駅から箱根登山鉄道に乗り2駅目の風祭駅には「鈴廣かまぼこの里」があり、かまぼこづくり体験ができる。

来ちゃった。
駅からかまぼこまで10秒。

かまぼこづくり体験はかまぼこ博物館にて開催されている。

夢のような博物館である。
顔ハメ看板は絶対やるタイプ。

撮影OKだった。やった~。

やるぞ~。

まず初めにかまぼこづくりの先生が実演してくれた。魚のすり身を包丁で手際よくこね、かまぼこ板に盛り付ける。10秒ぐらいであっという間に完成した。はやい。これを我々かまぼこビギナーは10分ぐらいかけて行う。包丁にすり身がくっつくので思ったようにうまくできないのだ。

それでも何とか完成。愛おしきマイ・かまぼこ。このあと蒸されます。

ちなみに、かまぼこづくり体験で得た知識として、かまぼこづくりは国家資格(水産練り製品製造技能士)で、一人前になるのに15年かかるそうだ。また、かまぼこの板にはクリスマスツリーのもみの木が使われている。ためになったね~。

かまぼこづくりの後はそのままちくわづくり。

包丁をうまく使って竹の棒にすり身を巻き付けていく。

先生がめちゃくちゃ丁寧に教えてくれるのだが私はそれを上回る不器用さであった。

妻作(左)と筆者作(右)。こんなにも違いが出るのね…。
焼かれるちくわたち。
帰宅。一日がかりで手に入れた鈴廣のかまぼこ(自作)である。

ネオ七草がゆを作ろう

さて、いよいよネオ七草がそろった。これをおかゆにする。シャオフェイヤンの火鍋がベースのおかゆである。

火鍋の素。様々なスパイス。
お湯でぐつぐつ。
ネオ七草待機。
パスタは何となく別ゆでにする。イタリアと中国が同居するコンロ。
具材を投入していく。
最後にミズナとモロヘイヤ。
最後の最後にごはん。

できた!

めちゃくちゃおいしそうなビジュアルじゃないですか?

食べる。

うま~!

ノーマル七草がゆとはまた違う良さのあるおかゆだ。かまぼこやエビの魚介成分と唐辛子がとても合う。おかゆというものは基本的に食感がほぼないが、ネオ七草がゆにはパスタやかまぼこの食感があり満足感が得られる。また、ミズナやモロヘイヤの緑色が火鍋の赤色に映える。

火鍋のポテンシャルに支えられている面も大きいが、ネオ七草がゆは大成功であった。妻も一口食べた時点で「あ、これめっちゃおいしい」と言っていた。とにかく普通にめちゃくちゃ美味しいのである。よかった~。

すてきな一年になりますように

最後に、みなさんの今年一年の無病息災を願い、ネオ七草がゆの動画でお別れしましょう。

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今年もよろしくお願いします~!

 

ライターからのお知らせ 個展を開きます

2022年2月19日(土)・20日(日)に代官山UPSTAIRS GALLERYで個展を開きます。過去のほりげーやデイリーポータルZでの企画を実際に遊んでもらえる形で展示する予定です。アコースティックバンド演奏もやります。入場無料。もしよければお越しください。
 

お待ちしております~!

 

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