マイベスト静岡土産「大砂丘」は砂丘で食べると味に集中できない

デイリーポータルZ

静岡県のお土産に「大砂丘」と名付けられたお菓子があります。

この銘菓大砂丘を、名前の元となった中田島砂丘で食べてみたら強風と喉の渇きでお菓子どころではありませんでした。

銘菓「大砂丘」とは

静岡が実家の私ですが、ベスト静岡土産は有名なうなぎパイではなく「大砂丘」です。

ブッセとよばれるタイプのお菓子で、ふわふわのスポンジにクリームをサンドしたもの。

こちらが遠州銘菓 大砂丘。3種5個入りで873円

基本の味はチーズクリームで、上の写真は季節品のベリージュエル、静岡マスクメロンクリームのセットです。味わいはのちほどお伝えしますね。

我が家はこの大砂丘が大好きで家族みんなでよく食べております。

一度何かのタイミングで頂いて以降、食卓の隅の常駐するようになっておりました。

おそらく母親の舌にドンピシャだったのでしょう。私も大学や会社へも推しお土産としてよく持参しております。

今回は、たこまんの掛川本店で購入しました。掛川花鳥園の向かいにあります。

この大砂丘は株式会社たこまんという製菓会社が製造しており、静岡県内の駅の売店で、静岡銘菓一番人気のうなぎパイに負けじと、お土産売り場で並んでいます。

大砂丘という少し変わった名前は、たこまんの先代が遠州灘の砂丘の美しさに感銘し、その風景を表現したことに由来するとのことです。

なるほど。名前に付けてしまうほどの砂丘の美しさを見てみたい。そして、そこで銘菓大砂丘を味わってみたいと、私の中の欲望があふれ出てしまいました。

大砂丘を手に中田島砂丘へ

そういうわけで、中田島砂丘にいます。この写真で見える箇所、全部砂!壮観!
奇麗な風紋が出来ています。

モデルとなった中田島砂丘は日本三大砂丘の一つの遠州大砂丘の一部で、浜松駅からバスで15分ほどの位置にあります。

ウミガメの産卵場所としても有名です。

そのため、ゴミは持ち帰るように注意されています。気を付けましょう

では、さっそくゴミに気を付けて、大砂丘を食べていきたいと思います。

いったん広告です

一番のスタンダード、年中買える「チーズクリーム」

最初はチーズクリーム味。一番スタンダードな味で年中販売されています。
大砂丘と大砂丘。表面は砂をイメージして砂糖がまぶされています。

中にはチーズとフレッシュバターを練りこんだチーズクリームが入っており、それを柔らかいスポンジケーキでサンドしたものです。

まったり甘く、ほんのりしょっぱい味で大人も子供も楽しめる味です。もりもり食べられます。お腹が豊満になってしまいそうな味。

少し話は変りますが、静岡県西部は「遠州のからっ風」というものがあります。冬はごうごうと強風が吹き続け、身体がぐいっと押される感覚すらあります。

つまり、油断すると大砂丘を入れたビニール袋が吹き飛ばされそうになります。

ウミガメの未来のためにも、ごみを吹き飛ばされないことに心血を注ぎましょう。包装は取り次第ポケットにねじり込んでいきます。

季節限定、名物マスクメロンを使った「静岡マスクメロンクリーム」

次は、静岡マスクメロンクリーム味をいただきます。こちらは季節限定。

静岡県は実はマスクメロンが産地として有名なのです! 幼少の頃から今まで通して、ついぞ私の口に入ることはありませんでしたが…。

中はうすい緑色になっていますが、この写真で見たら全然わかりませんね。

さきほどのクリームにメロン味のゼリーが加わっております。マスクメロン味とベースとなる大砂丘のどっしりとした甘みのコラボレーション。ふわふわっとスポンジケーキの食感のあとにじゅくっとゼリーが甘い。

この大砂丘、さきほども申しましたが外側はスポンジケーキでして、みなさんもご存じかもしれませんが口の中の水分が奪われていきます。

口の中のイメージ。水分の奪い具合も砂丘クラスということを忘れておりました

砂丘の中で水分を奪われるものを食べると、普段より喉の渇きを感じます。加えて顔面にぴしぴし砂がぶつかります。砂丘って食事に向きませんね。

冬・春限定、一番人気の「ベリージュエル」

最後は「Daisakyu」と書いてあるベリージュエル味。こちらは冬、春限定。

たこまんの店員さんに聞いたところ、現在人気の味はこちらのベリージュエル味だそうです。

イチゴのジュレとイチゴのクリームを使用しています。

今回購入した3種類のうち、これが一番好みでした。イチゴの味が全面に出ておりお腹へずっしり来て、口内も味でぐっと満たされていきます。人気なのも納得です。

大砂丘は美味しい。大砂丘は美しい。

ですが、大砂丘で大砂丘を食べるべきではありません。ゴミへの心配と喉の渇きで頭がいっぱいになってしまうので。みなさんもお気をつけください。

そして、無事全ての包装ゴミを入れたビニール袋。ゴミを吹き飛ばさなかった満足感が満腹感より大きくなりました。

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