ぱっと見シュッとしてるのに。
ヤマハが新作e-Bike「WABASH RT」を発表しました。グラベルロードタイプ、つまりは街中もオフロードも走れるオールラウンダー仕様です。
スリムな感じでかっこいい!
実は走行性能重視でマッシブ
近寄ってみて驚いたのが、ダウンチューブ(フレーム三角形の下のチューブ)がぱっと見よりもずっと太かったこと。
ダウンチューブが太いのはちょっと…という人もいると思うんですが、電動ユニット用のバッテリーが入っているがゆえ。長時間楽に走りたいなら必要だったり。また、剛性を確保する目的もあります。ペダルにかけた力をきっちり推進力に変えてくれるでしょう。
太いことにはちゃんと機能上の意味があり、そこは妥協しなかったわけです。
WABASH RTのおもしろいところは、そのうえでスマートな印象を与えられるようデザインに注力している点です。
スリムな印象を受けたのは、ダウンチューブ下部からフォークまでがブラックで統一されているから。淡いスカイブルーのフレームのほうに目がいくようになっていて、特に真横からだとダウンチューブの太さにはちょっと気づきにくいです。
ちなみに自転車で遠出して記念写真を撮るときなどは真横から撮るのがおすすめ。フレーム三角形や真円のホイールなどの、バイクの造形的な美しさがいちばん際立つアングルだからです。そのため、超実用的なデザインとも言えます。
また、溝やストライプなどで「縦のライン」が意識的に入れられていて、ダウンチューブの幅ではなく、長さに目がいくようにもなっています。
ダウンチューブがのぞけるアングルでも違和感はなく、スリムな印象は崩れません。
荷物を積みまくれる。キャンプだって行けちゃう
WABASH RTは荷物を積むのを前提とした造りになっています。パニアバッグをつけてもいいし、ダボ穴もたくさんあるのでフロントにもリアにもキャリアをつけられます。重い荷物をたくさん積んでも電動アシストがなんとかしてくれます。坂道も怖くない。買い物や通勤通学にも使えるし、近場のキャンプ場に気分転換に行くのもいいでしょう。
700×45Cという太いタイヤを採用していて、コンポーネントはシマノ GRX。突き上げがキツいときにはサドル高を調整できるドロッパーシートポストを採用するなど、オフロードに突っ込んでいける走行性能も備えています。オフロード車といってもMTBのように山道特化ではなく、砂利道(グラベル/林道などの未舗装路)を想定していて、その代わりに舗装路も高速で走れます。
デザインで日常と非日常をつなぐ
最近各社がグラベルタイプのe-Bikeを投入していますが、日常の足とスポーツギア、どちらかの側面を基軸にしている製品が多い印象です。WABASH RTでぐっときたのは、デザインの力で日常と非日常をつなぐモビリティになろうとしているところ。
以前の記事で述べたように、e-Bike含めた自転車ってデザインが9割。スポーティすぎないデザインでふだん使いしやすいというのは大事。そのうえでキャンプツーリングやアドベンチャーライドもできて遊べる。乗り倒せるe-Bikeになってるんじゃないでしょうか。
WABASH RTは3月10日発売、メーカー希望小売価格は43万8,900円です。