「GoToトラベル待ち」で観光需要戻らない? JAL社長が指摘「『今行くと損だぞ』みたいな」

J-CASTニュース

   日本航空(JAL)の赤坂祐二社長は2021年12月10日に開いた記者会見で、11月は有利子負債を含めてキャッシュバーン(現金流出)が解消できる見通しになったことを明らかにした。10月の国内線の需要は「コロナ前」の19年比50%程度だったのに対して、11月は速報値で同60%程度に回復し、「明るい兆しが出てきた」ことが要因だ。ただ、観光需要は戻りが遅れており、観光支援事業「GoToトラベル」の再開を期待した買い控えが起きている可能性を指摘した。

   国際線はコロナ前の10%程度の水準が続く。オミクロン株の影響は限定的だとみており、22年4月頃には往来の制限も緩和され、本格的な回復が始まるとの期待感を示した。


  • 国内線幹線のビジネス需要はコロナ前の水準に「完全に戻ってきている」が、観光需要は回復が遅れている(2020年撮影)


  • 記者会見に臨む日本航空(JAL)の赤坂祐二社長

オミクロン株の国内線への影響は「まったくない」

   国内線については、東京と大阪、福岡、札幌などを結ぶ「幹線」のビジネス客は「完全に戻ってきている」とする一方で、観光需要と、観光・ビジネスを含めた地方から東京に来る需要の戻りが遅れているとした。

   特に観光需要については、「勝手な想像かもしれませんが…」と断った上で、

「いわゆる『GoTo待ち』『買い控え』『今行くと損だぞ』みたいな…、ちょっとそんな流れがあるのかも知れない」

と指摘した。「GoToトラベル」は20年12月28日に停止されたままで、再開の時期は明らかではない。そういった状況で、

「国内の航空を使った観光需要というものが、段々先送りになっているかも知れない」

という見立てを披露した。オミクロン株の影響は、国内線については「まったくない」とした。

   国際線については、オミクロン株の影響で「12~2月ぐらいが足踏みをしてしまう」一方で、オミクロン株の「正体」がここ1か月半~2か月程度で判明するという見通しもあることから、

「1、2月は少し厳しいかもしれないが、3月、あるいは新年度に入って4月あたりからボーダー(国境)オープンを含めて、国際線の回復がいよいよ始まる、という風な、ちょっと希望的な観測も含めて考えているところ」

などと話した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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