By DLR German Aerospace Center
1930年代には、自動車を「馬車由来のデザイン」から脱却させるべく多様なデザインが提案されました。中でもドイツで1939年に発表された自動車「Schlörwagen」は、まるで未来からやって来たかのような流線形のフォルムが特徴的です。そんなSchlörwagenについて、写真収集サイトRare Historical Photosがまとめています。
Schlörwagen: The bizarre German car that was super-aerodynamic but very impractical, 1939 – Rare Historical Photos
https://rarehistoricalphotos.com/schlorwagen-photographs-1939/
Schlörwagenは、ドイツの機械エンジニアKarl Schlörによって空気抵抗の少ない自動車として設計され、1939年にベルリンのモーターショーで発表されました。Schlörwagenの見た目はこんな感じ。一見すると写真の右側が車のフロント部分に思えますが、じっくり観察すると左側にハンドルが取り付けられていることから左側がフロント部分であることが分かります。
フロントを正面から撮影した写真が以下。全ての角が丸まっており、窓も丸まった車体に合わせて取り付けられています。
Schlörwagenは「Mercedes-Benz 170 H」をベースに「飛行機の翼」に着想を得て設計されたとのこと。そのサイズは全長4.33m×全幅2.10m×高さ1.48mで、ホイールベースは2.60mでした。
アウトバーンを走行するSchlörwagen。Schlörwagenの最高速度は時速135kmに達し、燃料1L当たり12.5kmの走行が可能でした。しかし、エンジンを後方に積んでいることや飛行機の翼風のデザインによって重心が後方に寄ってしまい、横風に対して非常に弱かったとのこと。
以下の画像は1942年に撮影された「ソ連製の飛行機用動力ユニットを搭載してテスト走行するSchlörwagen」の写真です。Schlörwagenは1948年まではドイツの航空宇宙センターに保管されていましたが、その後イギリス軍によって別の場所に移されました。Schlörwagenは1台しか作られておらず、イギリス軍によって移動された後の行方は分かっていません。
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