「ノートPCを持ち歩くのが重いので、iPhoneだけで仕事してみた」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(77)【急遽テレワーク導入!の顛末記】

INTERNET Watch

iPhoneの画面をHDMI出力、さらにキーボードでの操作も

 緊急事態宣言が解除されたこともあって、最近はオフィスに顔を出す機会が増えた。そんな日にはテレワーク用に支給されたノートPCを持って出勤するのだが、通勤中はカバンの重さにうんざりすることになる。

 ……この記事を書いている時点で、東京都で4回目の緊急事態宣言が解除されてから50日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は出勤時の荷物を身軽にすべく、可能な範囲のデスクワークをスマホだけでこなしてみた。

【今回のハイライト】

アダプタで画面をHDMI出力

編集した書類をAirPrintで印刷

USB機器やSDカードもつないでみた

11月8日(月):画面をミラーリングすれば、iPhoneで仕事ができる?

 今日は朝からクライアントとの打合せのために外出することに。会議の後でメールをチェックすると、急ぎの仕事が入っていた。慌てて会社に立ち寄ると、出社の予定がなかった私の机は、業務委託のスタッフが使用済み。結局、空いていた会議室の机を使い、ノートPCで仕事をすることになる。

 そこで、ふと先日にiPhoneの画面を、ミラーリングしてPCのモニターに表示したことを思い出した。あの時と同じように、会議室にあるモニターにiPhoneの画面を表示させれば、スマホだけで仕事ができる。つまり、重いノートPCをいちいち持ち歩かなくても済むのではないだろうか?

横位置でミラーリングすれば、モニターの画面いっぱいにスマホの画面を表示できる。もちろんフルスクリーン表示も可能

 前回はミラーリングに「DouWan」というフリーソフトを使ったが、今回はPCなしでスマホの画面を直接モニターに表示したい。さて、何か良いツールはないだろうか。

11月11日(木):HDMI出力のために専用のアダプタを購入してみた

 あれから色々と調べてみたが、iPhoneの画面をHDMIで出力するアダプタを利用するのが良さそうなので、さっそく購入することにした。この手のアイテムではアップル純正の「Lightning – Digital AVアダプタ」が有力候補になるが、今回は気になるアイテムを見つけたので、ネットで見つけたサードパーティの製品を発注してみる。

iPhoneのLightningコネクタに接続して利用するアダプタ。ネットなら3000円弱で購入できた

 そのアダプタが届いたので、さっそくiPhoneに接続。すると、特にアプリのインストールなどは必要なく、iPhoneの画面がモニターにフルスクリーン表示された。文字がかなり大きなサイズで表示されており、これならストレスなく仕事ができるだろう。

 さっそくメールをチェックしてみると、ある案件の問い合わせが届いていた。その返信をしようとしたのだが、横位置の画面表示ではソフトウェアキーボードが画面の半分以上を占めてしまう。これはあまりにも邪魔くさい。

 そこで、手持ちのBluetoothキーボードを接続したところ、ソフトウェアキーボードが消えて、画面いっぱいにアプリの画面を表示できるようになった。先のアダプタとキーボードだけあればいいなら、かなり荷物を軽くできる。さっそく、明日にでも出勤して、iPhoneだけで仕事ができるか試してみよう。

横位置での表示で文字を入力しようとすると、ソフトウェアキーボードが表示されてしまう

手持ちのBluetoothキーボードをiPhoneに接続すると、ソフトウェアキーボードの表示が消えた

11月12日(金):本当にiPhoneだけでデスクワークができる?

 今日は朝から出社して、オフィスで仕事をすることに。作業中の原稿はOneDriveに保存していたので、それを「Word」アプリで開いて、続きを書き進めていく。日本語/英語の切り替えを「Ctrl」+「Space」で行う、アットマークを「Shift」+「2」で入力するなど……。最初はPCとは違う操作性に戸惑ったが、一度慣れてしまえば、いつもとほぼ変わらないペースで文章を書くことができた。

WordアプリではOneDriveに保存したファイルを開いて、編集することができる

簡単な装飾機能なども用意されており、ちょっとした原稿や資料の作成には問題なく利用できた

 原稿を書き上げたところで、溜まっていた経費の処理をすることに。精算用の書類に各種項目を記載。それをプリンターで印刷する。会社では富士フイルムの「DocuCentre-VII C7773」という複合機を使っているが、この機種はAirPrintに対応しているので、アプリのメニューから印刷操作を行うだけで、ドライバーのインストールなどなしで書類を出力できた。

AirPrintに対応したアプリであれば、書類などを簡単な操作で印刷できる

 メールを送受信して、Officeファイルを編集し、それをプリンターで印刷する。そんなデスクワークの基本的な業務を、iPhoneだけでこなすことができた。ウィンドウを複数同時に表示できないなどの不自由さもあるが、オフィスに立ち寄って簡単な作業をするだけなら、PCを使う必要はないかもしれない。

11月15日(月):USBキーボードやSDメモリーカードをiPhoneに接続すると……

 iPhoneだけで仕事をする目処がついたので、今日は購入したアダプタの使い勝手を試してみようと思う。というのも、このアダプタにはHDMI端子以外にも、USBポートが2つ、さらにはSDカードリーダーもついており、いろいろな周辺機器や記録媒体がiPhoneで使えるようになるらしい。

アダプタにUSBキーボード/マウスセットの無線コネクタを接続してみた

 さっそく、家で余っていたキーボードとマウスのセットをアダプタに接続してみる。すると、すぐにキーボードが認識されて、文字をキー入力できるようになった。手持ちのBluetoothキーボードはコンパクトで持ち歩くにはよいが、キーが小さい分だけタイピングしづらいので、会社では余っているキーボードを利用した方がよいかもしれない。

 一方のマウスだが、こちらは接続しただけではポインターが表示されないので、iPhoneの「設定」アプリを起動。「AssistiveTouch」を有効にすると、iPhoneの画面にポインターが表示されるようになった。同時に関連メニュー表示用のアイコンも表示されるのだが、こちらは操作の邪魔になるので、いつもは非表示にしておいた方がよいだろう。

「設定」アプリで「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」と操作して表示された画面で、「AssistiveTouch」を有効にする

「メニューを常に表示」をオフにして、関連メニュー表示用のアイコンを非表示に

 続けて、デジカメで記録用にしているSDメモリーカードをアダプタに装着みると、「写真」アプリに「読み込む」というメニューが表示された。ここで写真を選択して操作をすると、iPhoneに写真をコピーできるらしい。

 個人的にはフォトビューアーのように使いたかったので、ダイレクトにカード内の写真を表示できればよかったのだが……。ただ、取り込んだあとは想定通りの使い方ができるので、これはこれで良しとしよう。なお、写真のコピーが終わると、画面に「接続中のカメラから読み込んだ写真を削除しますか?」というメニューが表示された。うっかり「削除」をタップすると、写真がカードから削除されるので気を付けたい。

「写真」アプリに「読み込む」というメニューが表示され、SDメモリーカードの写真をiPhoneにコピーできるようになった

 キーボードやアダプタを用意したことで、会議室などのモニターがある環境であれば、さほど不自由なく仕事ができるようになった。ノートPCを持ち歩いていると、カバンを持った方の肩が凝ってしょうがなくなるので、簡単な仕事しかないときはiPhoneで仕事をすることも検討したい。

「急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記」記事一覧

Source