日本電気硝子株式会社は、開発を進めていた全固体Naイオン二次電池について、新たに結晶化ガラスを用いた負極材の開発を行い、結晶化ガラス正極、固体電解質と一体化したオール酸化物全固体Naイオン二次電池の駆動に世界で初めて成功した。
■釘やナイフが刺さっても発火や有害ガスの発生がない
今回開発した全固体Naイオン二次電池は出力電圧が3Vで、現行のリチウムイオン二次電池に匹敵する高い実用性を有する。
同社の全固体Naイオン二次電池の技術は、資源量の豊富なナトリウムや鉄を材料に用いており、従来の電池技術で資源確保が問題とされているリチウムやコバルト、ニッケル等の希少金属元素を全く必要としない。また、安定な物質である酸化物材料で構成されているため、釘やナイフが刺さっても発火や有害ガスの発生がない。
同社は、実用性能を有し、安価な資源を活用でき、かつ高い安全性を持つオール酸化物全固体Naイオン二次電池を、脱炭素社会のキーパーツとして一日でも早く広く世の中に提供できるよう、製品化に向けた取り組みを加速する。
本開発の成果を、11月30日から開催される第62回電池討論会(於:パシフィコ横浜)にて報告する。
<特徴>
1.高い安全性
電池材料が全て無機酸化物で構成され、使用時および製造時に発火や有毒物質発生の懸念がない。
2.優れた電池性能
・ガラスの軟化流動性を活用して正極および負極と固体電解質との一体化を図り、イオン伝導性を高めたことにより、低温での駆動が可能。
・固体電解質はイオン移動による劣化が小さくサイクル特性がよい。
・シンプルな構造で、高電位系活物質の開発により、エネルギー密度の高い電池の作製が可能。
3.豊富な資源
資源量の豊富なナトリウムを用いており、リチウムやコバルトと比較して供給の不安がない。
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