「異色LCC」ZIPAIRが初の試み 「日本→北米」路線開設で示す「存在意義」

J-CASTニュース

   日本航空(JAL)傘下の中長距離格安航空(LCC)、ZIPAIR(ジップエア)は2021年11月12日、成田-ロサンゼルス線を12月25日に開設すると発表した。日本と米本土を結ぶLCCの路線は初めて。

   エアバスA320型機といった比較的小型の機材で「短距離を多頻度で運航」して利益をあげるのがLCCの基本的なビジネスモデルだと考えられてきた。中型機のボーイング787型機を使って「中長距離」をターゲットにしたZIPAIRはLCCとしては異色の存在だ。北米路線は設立当初から就航を目指していた路線で、西田真吾社長は「新しい選択肢を提示するというミッション、存在意義があると思って、ここまでやってきた」などと話した。


  • ZIPAIR機はボーイング787型機で就航している。21年12月に開設される成田-ロサンゼルス線はLCCとしては初めて日本と米本土を結ぶ路線だ(2020年6月撮影)

ビジネスクラスは「4分の1ぐらいの値段」

   ZIPAIRは成田空港を拠点に、20年5月にバンコク(スワンナプーム)便に貨物便として就航。同年10月から旅客便としても運航している。他にもソウル(仁川)、ホノルル、シンガポールを結んでいる。

   ロサンゼルスは米西海岸最大の都市で、在留邦人が最も多い。さらに、航空貨物の拠点で需要が見込めることから、北米路線の「1丁目1番地」だとして就航を決めた。週3往復で運航を始めるが、需要動向を見ながら1日1便(週7往復)への増便も検討する。

   運賃は普通席にあたる「スタンダード」(Standard)が片道2万7500円から、ビジネスクラスにあたる「ジップフルフラット」(ZIP Full-Flat)が8万8000円から。西田氏によると、「フルサービスキャリア」(FSC)と呼ばれる既存の航空会社と比べて「かなり価格競争力があると思っている」。特に座席が水平になる「フルフラット」のFSCビジネスクラスと比べると「4分の1ぐらいの値段で設定できている」とした。

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